【陸屋根太陽光発電で失敗しない】3つの架台設置方法とポイント

みなさん、こんにちは。加藤です。
さて、今回は陸屋根への太陽光パネルの設置についてお話をさせていただきます。
陸屋根に関する基礎知識から、知っておきたい陸屋根設置の工法3つをわかりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
<目次>
1.そもそも屋上(陸屋根)と住宅屋根はどう違う?
2.3種類の陸屋根用工法の違いについて
3.アンカーレス架台:これまでにあったお客様からの質問紹介
そもそも屋上(陸屋根)と住宅屋根はどう違う?
早速ですが皆さん、「陸屋根」と聞いてピンときますでしょうか?
陸屋根をほかの言葉で表すのであれば、傾斜のない水平な屋根のことを言います。
下の写真を見ていただくとわかりやすいかと思います。
施設などの大きな建物では多くみられる陸屋根ですが、住宅では傾斜屋根が多いですよね。
傾斜屋根には、当然勾配(傾き)があります。
傾斜屋根の場合、太陽光パネルも屋根勾配(屋根の傾きの度合い)に対し、金具を取り付けて設置しますので、屋根勾配がパネル設置角度となります。
以前の記事に工事の流れがありますので、合わせてご覧いただくとイメージが湧きやすいかもしれません。
一方、陸屋根は屋根自体が水平なので、太陽光パネルは「架台」という台で、ある程度の角度をつけて設置をします。そのため、この架台の選定は陸屋根へ太陽光パネルを設置する際にとても重要なものになります。
陸屋根の場合は、架台の選定によって工事内容も変わってきます。
傾斜屋根に比べると、どの陸屋根の工法も架台設置に手間がかかりますが、屋根自体は水平なため、傾斜屋根に比べ工事の安全性は高いと言えるでしょう。
このように、陸屋根と傾斜屋根では設置方法に大きな違いが出てきますが、陸屋根だから発電量が極端に落ちることはありませんのでご安心下さい。
また、陸屋根にもさまざまな種類があり、工法も多種多様です。
選ぶ工法により、設置後の見た目も大きく変わってきますので、続いては陸屋根の太陽光パネルを設置するための工法について詳しくご紹介させていただきます。
陸屋根の架台設置方法:3種類の陸屋根用工法の違いについて
さきほどの内容では、傾斜屋根と陸屋根の太陽光パネル設置方法の違いをご説明させていただきましたが、実際に陸屋根に太陽光パネルを設置する際は、どのような工法があるのかをご紹介させていただきます。
陸屋根への太陽光パネル設置工法について、大きく分けて3つあります。
①アンカー工法
コンクリートなどで基礎を作り、基礎に穴をあけ陸屋根にアンカーボルトを打ち、架台を設置します。仕上がりは下記写真のようになります。
地域柄、雨や雪が多い場所には、高さを出せるこの工法がいいかもしれません。
ただし、屋根に穴を開ける必要があるので漏水のリスクが少なからず伴います。
そのため、施工業者を慎重に検討する必要があります。
②縁石工法
縁石を置き、陸屋根に太陽光パネルと縁石を金具でとめます。
アンカー工法と違い屋根に穴をあけることはありませんので、漏水のリスクは低くなります。
ですが、縁石1つで約20kg程度の重さがあるため、屋根への荷重は大きくなります。
また、縁石1つ1つの搬入も大変です。
③接着工法(アンカーレス架台)
陸屋根と架台をブチルテープで接着させ、太陽光パネルを設置します。
板金で周囲を囲うため、ダウンフォース(前方から流れてくる空気が下に押し付ける空気の力)が起き、風もうまく利用してパネルの飛散リスクを回避します。下からの風の吹き上げにも強いです。
加えて、接着工法なので屋根に穴をあけることなく、架台もアルミ架台となっているため、屋根に対しての荷重も軽減されます。
ただし、離隔基準があるので、希望の設置枚数を載せられない可能性があるのが懸念点です。
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いかがでしょうか?
実際の陸屋根の施工写真をご覧いただくと、架台の種類により工事完了後の見栄えもだいぶ変わることがわかるかと思います。もちろん、工法によりその金額も変わってきます。
工事終了後の見栄えと金額、それぞれの架台のスペックを考慮して設置架台を検討いただくと、設置後に気持ちよく太陽光発電システムを運用いただけるかと思います。
☞アンカーレス架台で太陽光発電を設置されたお客様の事例はコチラ
アンカーレス架台:これまでにあったお客様からの質問紹介
さきほどご紹介した③接着工法の「アンカーレス架台」は、当社で販売をしています。
そこで、「アンカーレス架台」についてお客様からよくいただくご質問と、それに対する回答を一部ご紹介させていただきますので、気になる方はご参考になさって下さい。
①設置面はどうなっていますか?
架台と陸屋根の設置面は、ブチルテープというシーリング剤で接着させています。
架台1レールに対してブチルテープを2枚張り付けています。
②架台の保証はありますか?
保証申請をしていただき、設置基準をクリアしていることを確認できた場合は、10年保証の保証書を発行しています。
③陸屋根であればどこへでも設置は可能ですか?
防水層の劣化が激しい場合や不陸が激しい場合、また非歩行用屋上仕上の場合は、陸屋根であっても設置はできません。
また、設置地域の積雪量や基準風速、防水層の種類によっては設置が不可となる場合もあります。
④風洞実験は行っていますか?
行っております。風洞実験の結果については機密保持契約の締結後、提示が可能になります。
実験の様子はホームページにも掲載しているので、ご興味ある方は下記よりご覧下さい。
☞風洞実験の動画はコチラ
⑤太陽光パネルはどこのメーカーのパネルでも設置は可能ですか?
メーカーの縛りはありませんが、パネル寸法には基準があります。
設置可能なパネルの寸法は下記の通りとなりますのでご確認下さい。
●長辺:1640~1700㎜
●短辺:990~1000㎜ →1003㎜
●厚み:30~50㎜
以上、お客様からよくいただく質問でした。
この他にも設置基準はありますので、気になることがありましたらぜひお問い合わせ下さい!
アンカーレス架台はもちろん、ご紹介させていただいた工法は全て、当社(横浜環境デザイン)で工事が可能となりますので、陸屋根への太陽光設置をご検討の際はお気軽にご相談下さい。
また、屋上などに設置を検討されている企業の方は、太陽光発電で“自家消費”を考えられている場合が多いかと思います。そんな「自家消費型太陽光発電」のメリットや設計時のポイントについては、下記記事もご参考ください。
☞自家消費型太陽光発電のメリットを知りたい方はコチラ
☞自家消費型太陽光発電の設計について詳しく知りたい方はコチラ
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