アジアNo.1の物流不動産会社ESR、RE100化・SDGsに取り組むテナントに再エネ電気提供で差別化

インタビュー

今回は市川市にあるESR様の物流施設、ESR市川ディストリビューションセンター(以下、ESR市川)にて、ESR様、テナントに入るSBロジスティクス様、自家消費太陽光発電設計施工を提案した当社横浜環境デザインの担当者に話を伺い、脱炭素・カーボンニュートラルへの各社の取組みと今回のコーポレートPPAの効果について伺いました。


アジアNo.1の物流施設を展開する「ESR株式会社」持続可能な物流施設の開発に注力

ESRは、日本で2006年にレッドウッド・グループとしてスタートし、2016年に米国資本の同業イーシャンとの経営統合により発足した会社です。グループ本社は香港で、日本・中国・韓国・シンガポール・インド・オーストラリア・ベトナム他アジア太平洋地域に特化し、物流不動産・データセンターの開発・投資・ファンドマネジメントを行っています。

ESRはESGを重視した経営戦略で、再生エネルギーを活用した持続可能な物流施設の開発に注力しており、その一環として各施設の屋上にメガソーラーを設置しFIT(固定価格買取制)による売電を行っています。
ESR市川も、従前より出力2MWの太陽光パネルを設置し、全量売電の発電事業を行っています。

一方で、FITによる売電終了を見据え、次世代に向けた再生可能エネルギー事業として、横浜環境デザインが提案したコーポレートPPA事業(第三者保有モデル(TPOモデル))がESRのニーズに合致し、このたび入居テナント向けの自家消費型太陽光発電システムとして採用しました。
今年に本格稼働したばかりですが、テナント様にも「再生可能エネルギーの電気」ということで非常に喜ばれています。

コーポレートPPA自家消費型太陽光発電設備の概要:

システム容量 1007.01kW
太陽電池メーカー DMEGC 335W
年間総発電量 1,093,483kWh
年間CO2削減量 559,864kg-CO2

 

当社では物流施設の開発において、「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人を中心に考えたデザイン)」を理念に、当社施設内で働くワーカーの利便性・満足度を第1に考えた施設を設計しています。

その一例として、ワーカーのために施設内に実質無料の託児所を併設しています。ワーカーであるお母様が、お子様に何かあってもすぐ駆けつけることができ、安心して預けられると大変喜ばれています。
現在ESR市川では、18名のお子様をお預りしており、中には姉妹や兄弟もいます。日々幼児英語教育や手作りの給食・おやつを提供し、年間を通じて工夫を凝らしたイベントなど、質の高い環境・サービスも非常に喜ばれています。


託児所という発想は、当社代表のスチュアート・ギブソンが自身の双子の子どもたちの保育園探しで苦労した実体験と、子育て世代の女性の社会復帰をサポートし、物流業界の人手不足という深刻な問題の解決に少しでも寄与したいという思いから出たもので、大変思い入れがあります。
託児所のスペースは、延床面積10万㎡以上の弊社施設には標準装備しており、次は尼崎の開園を予定しております。

そのほか、ラウンジやショップなど、ワーカーのためのアメニティエリアにも力を入れており、施設毎にデザインを凝らしています。お客様からは「物流施設とは思えないほどスタイリッシュで、ここで会議やイベントをやりたい」と度々いわれるほどです。
また、ESR市川では東西2か所のラウンジ内にボルダリングウォールも設けており、休み時間にはワーカーの皆様が思い思いにリラックスされ、リフレッシュできる空間としてご活用いただいています。


自家消費型太陽光発電のノウハウを生かし設計工事をおこなった「横浜環境デザイン」

完全自家消費型の太陽光発電システムでは、電気需要を超えない形で設計していることを前提としていますが、万が一需要に対して太陽光発電の発電が超えてしまうことがあれば、遠隔監視側で制御し、逆潮流させない仕組みとなっています。

もちろん前提としては、お客様の電力使用量を鑑み、なるべくロスさせず、太陽光発電の電気を最大限活用できるよう設計しています。

太陽光モジュール(パネル)は、折版屋根の勾配に合わせて取り付けております。
汚れなどで著しく発電量が下がった場合は、清掃などを入れることを検討しますが、現在までにそのような事象は確認できていませんので、雨で自然に汚れが洗い流されているかたちになります。

設計時には、建物の高さとその地域の風速から太陽光パネルになるべく負荷がかからないかたちで、吹上などのリスクも考え、軒側にあまりパネルを敷き詰めず、ある程度軒から離し設計しています。
また、太陽光パネルの固定点数も片側3点、両端で6点留めしています。地域風速や建物高さなどを考慮した設計により、強度を担保したかたちで施工をおこなっています。

パワーコンディショナーは、TMEICの1000kWの出力ですが、750kWに出力制御をして使用しています。
ESR様のデマンド(電力量)を監視装置にて計測し、使用量が太陽光発電の出力より下回る場合は、パワーコンディショナーの出力を制御します。

当社では、コーポレートPPA自家消費型太陽光発電システムの設計と施工を通じて、脱炭素化や電気の小売りも併せた再生可能エネルギー100%の提供など、幅広くカーボンニュートラル社会を実現させるためのソリューションをご提案しています。


ソフトバンクグループ株式会社と一体となり、サステナビリティに取り組む「SBロジスティクス株式会社」様

物流サービスを手掛けるSBロジスティクスでは、グループ全体でサステナブルな活動に積極的に取り組んでいます。また、SBロジスティクスでも脱プラスティックや省力化を図るなどSDGsに取り組んでいるため、再生可能エネルギーの電気を使えることには非常にメリットがあると感じています。

当社では、さまざまなECサイトの出荷代行にロボットを導入したフルフィルメントサービスを展開しています。
(フルフィルメント(Fulfillment)サービスとは、通信販売やECサイトにおいて発生する、受注、決済、ピッキング、配送などの一連の業務を総称する言葉。)

そのほか、梱包材には積極的に再生紙を使用し、極力プラスティック材を使用しないようにしています。

自動梱包機は、昨今の人材不足の問題も解決できるとともに、段ボールの小型化も可能にします。荷物が届いた際に、中身は小さいのに段ボールだけ大きいということがありますが、私たちは、中身に応じて箱を小さくする機械を導入しています。

梱包材の削減、箱の小型化をおこない、輸送の際に箱を省力化することで輸送コストを下げるだけでなく、輸送によるCO2排出を減らすことを目指しています。

こうした小型梱包を実現するために、当社は海外製の梱包機を導入しています。
日本は、世界でも類を見ないほどお客様ニーズや要望が細かいとされているため、海外マーケット向けの標準仕様にはない、日本マーケット向けにカスタマイズしたバンドを巻く仕様を実現しています。

ロボティクス化を進めると電気はどんどん必要になり、電気料金はあがっていきます。
しかし、化石燃料で作った電気を使用するのではなく、太陽光発電で作った再生可能エネルギーの電気を使うことにより環境負荷を減らすことができるので、今のESRさんの再生可能エネルギーの電気を使える仕組みは企業としてありがたいです。


 

今回は、ESR様、物流倉庫テナントのSBロジスティクス様、当社横浜環境デザインの三者にお話を伺いました。

当社が提供するコーポレートPPAは、ESR様自身の再生可能エネルギー導入の促進とともに、物流倉庫テナントのSBロジスティクス様にとってもSDGsや、RE100化(カーボンニュートラル)に対する目標を達成するための一助となっていることがわかりました。

三者の利害が一致した今回の仕組みは、脱炭素社会や循環型経済、社会を築くことができる仕組みであると改めて認識できました。

当社では、自家消費太陽光発電システムの設計・施工を通して、お客様の脱炭素経営を実現するためのお手伝いをおこなっております。
工場のCO2削減やカーボンニュートラルのやり方がわからないなど、何かお困りでしたら、当社までお問い合わせください。

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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