多様性を強みに“この人だからできる”仕事を 日常に溶け込むデザインを創造する「ニューモア」

インタビュー

ニューモア_YORIKO様

参加者

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    YORIKO(宮島依子) さま株式会社ニューモア 代表取締役

    デザイン会社である株式会社ニューモアは、福祉施設の方々と一緒にものづくりをしたいと思いをもって、2020年4月1日に設立されました。今回は、代表取締役のYORIKOさまにインタビューさせていただきました。

受注制作と生産でロゴやポスター、パンフレット、空間デザインをおこなうニューモアさま。

今回は、障害がある方をイラストレーターに抜擢し、デザインチームとしてプロジェクトを仕上げていく仕組みについて、代表取締役のYORIKO(宮島依子)さまにお話を伺いました。

株式会社ニューモアとは

まずは、ニューモアさまの事業について簡単に教えてください。

受注制作と生産でデザインするデザイン会社になります。

ご依頼内容によって、イベントや店舗へのデザイン、会社案内、パンフレット、グッズの製作などをおこなっています。

YORIKOさまがこの会社を始めたきっかけとは?

もともとデザイナーとしての仕事のほか、美術作家としてさまざまな地域に赴き、親子や住民の方々と一緒に作り上げるイベントを実施してきました。

その中で福祉施設の方々と一緒にものづくりをしたいと思い、2020年に始めたのがこの「ニューモア」です。

ほかのデザイン会社との違いはどんなところでしょうか?

表現の大切さを実感する一方で、私は展覧会などで飾られるアートというより、もっと日常に溶け込んだデザインのほうに興味がありました。

なので、手作業で作り上げる美術の領域も大切にしつつ、日常の風景として溶け込むようなものづくりをしたいという思いがありました。

福祉利用者の方々と創り出す新たなデザイン

ニューモアさまが福祉施設の発達障害の方々に、イラストレーターとしてのお仕事を依頼するようになったきっかけは何だったのでしょうか?

2019年に、八王子市にある「終了継続支援B型事務所しあわせのたね」さんが運営する飲食店舗改装に関わったことがきっかけです。

 

植物のイラストを内外装に使用する案があり、施設利用者の方々にデザインを書いてもらったところ、独創的でユーモアある絵が次々と生まれ、強い感銘を受けました。
私の家族も発達障害があるのですが、それまで私自身もそのことに向き合うことができていなかったということに気づくきっかけにもなりました。

ニューモア_セレオ八王子10周年記念(商業施設)東京都八王子市

(デザイン事例:セレオ八王子(商業施設)10周年記念(東京都八王子市))

福祉施設の方々がイラストレーター、ニューモアのYORIKOさまがグラフィックなどでアレンジし、デザインチームとして作品を作っておられるのですね。

私の印象ですが、福祉施設の方々と社会には分断が生まれがちで、障害がある人達の才能や能力を生かした仕事づくりは難しく、労働単価も低いと感じていました。

 

私たちは、障害を持っている人々をイラストレーター(商業美術家)として起用し、絵を商業デザインに展開しています。

これは慈善事業ではなくビジネスですので、イラストレーターは「支援対象」ではなく対等なビジネスパートナーとして、制作に対し正当な費用が渡るように仕組みづくりをしています。

ポップでキュート!魅力的なデザインの数々

デザイン自体がポップでかわいらしく、見ていて嬉しくなっちゃいますね。

そうなんです!私も最初、イラストをお願いした菅 光輝さんの絵に衝撃を受けました。

どれも個性的で面白く、彼には今でもたくさんのイラストをお願いしていますが、始めた当初からどんどん変化していて、毎回面白い原画が出てきます。

 

障害があることは技能面において制限が多いとみなされますが、既成概念を超える絵の表現力は、見る人に気づきや癒しを与えることができます。これは印象ではなく、店舗のデザインやパッケージデザインなどをご提供したお客さまの本当の声です。

ニューモア_イラストレーター菅光輝さんの原画

(イラストレーター菅光輝さんの原画)

なるほど、確かに独創的で魅力的なデザインばかりですね!

株式会社ニューモアの理念とこれから

ニューモアさまはデザイン会社さんには珍しく(笑)、企業ミッションや企業理念をはっきりと打ち出しておられますね。

そうですね、お風呂でいろいろ考えたりして…(笑)

 

「多様性」「SDGs」といった意識が当たり前になりつつありますが、異なる属性のもの同士がいかに手を取りあい、協働していけるかが今問われています。そのためには、「この人でもできる仕事」という発想ではなく、「この人だからこそできる仕事」を創っていくことが大切だと思います。

 

なので、弊社のミッションとしても「障害の壁を越え、持ち味を生かし“好きなことを仕事にする喜び”と“他者と協働する楽しさ”を誰もが目指せる世の中をつくること」を掲げています。

ひとつのプロジェクトを最後までやり抜く上での難しさなどはありますか?

私はもともとものづくりが好きなので、いいものづくりをしたいという気持ちが常にあります。

ただ確かに、制作となると福祉施設さん自体のやり方もあるし、イラストレーターさんのコンディションや制作スタンスなどいろいろ調整が必要です。

 

ニューモアでは、原画を利用者の方々に書いてもらい、それにデザインのアレンジを加えてお客様に納品していますが、制作の現場はいつも思考錯誤しながらひとつのプロジェクトを仕上げていく感じです。

最後に、ニューモアさまの今後の展望やプロジェクトなどについてお聞かせください。

いいものづくりを着々とやっていくことが大切だと思っています。皆さんに「ニューモア」の魅力を知ってもらい、ぜひ当社にデザインをお任せいただきたいです。

 

町に溶け込むものづくりを目指していますので、店舗のデザインや壁面、商品パッケージなどのデザインもぜひお任せください。

6月には、自社のECサイト「想造楽工」で新しいデザインTシャツやステーショナリーの販売をおこないますので、ぜひECサイトにも訪れてみてください。

Instagramでは日々イラストの紹介もしています!

 

【想造楽工】
https://sozogakko-store.com/
それぞれの居る場所に、やわらかな自然光を。【ニューモア】
https://newmor.net/

ニューモア_Yottette(駄菓子屋)東京都八王子市

(デザイン事例:Yottette(駄菓子屋)(東京都八王子市))

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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