SDGsカードゲームでわかる自分自身と世界の経済、環境、社会との繋がり

当社は、再生可能エネルギーである太陽光発電の設計・施工を通じて、クリーンで持続可能なエネルギーの普及をおこなっています。再生可能エネルギーを取り扱う企業であるからこそ、再エネの重要性や普及の意義を再認識するため、今回はSDGsカード研修を受けてみることにしました。
今回は、より包括的にSDGsについて学び、今後本格的に研修をおこなっていくことを目的として、少数精鋭の9名で受講しました。
そもそもSDGsとは?
SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月に国連の持続可能な開発サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成する行動計画です。
SDGsは、2030年に向けた17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
当社が掲げているSDGs目標7・11・13の内容は、以下の通りです。
ところで皆さん、SDGs採択文章の正式タイトルはご存じでしょうか?
『Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)』
このようなタイトルだそうです。私も全然知りませんでした。
変化という意味の“change”という英語より、根本から変わるという意味を持つ“transform”を使っていることに強い意志を感じます。とはいえ、私もそうですが、そもそも変化って怖いですよね。ただの変化ではなくて、元の形が違ってしまうような変化にはますます怖さを感じます。
ただ、国連によると、ここ2年~3年で意識し枠組みをつくり、transformingしなければもう元には戻せない、世界はそんな危機的な状態にあるそうです。特に環境分野の脱炭素化は急いで進めなければならない課題だと理解する必要があります。
SDGs研修とSDGsカードゲームのコンセプト
世界を変革(Transform)する第一歩として現実世界のシミュレーションを通じて、
今、世界で何が起きているのか?その時、自分自身がどんな行動をとっているのか?
ちょっと立ち止まって振り返ることでそれらに気づく
ということをコンセプトに、本研修はおこなわれました。
では、具体的にどのようなことをおこなったのか、簡単にご紹介していきます。
コンセプトを知るために:導入
さて、突然ですが皆さんに質問です。
次の動画に出てくる「白いチームは何回パスを回しているでしょうか?」
質問の答えは13回です。皆さんは合っていたでしょうか?
ちなみに、ムーンウォークをしている熊が見えましたか?
私は全然気がつきませんでした。講師の方から「白いチームが何回パスをしているか?」という質問の回答を得るために、熊の存在には意識が向かなかったのです。
このように、関心があるとないとでは、見えてくる世界が全然違うということがこのビデオだけでも実感してわかりました。
体験!SDGsカードゲームで楽しく理解する
このカードゲームは、「2030 SDGs ゲーム(ニーゼロサンゼロエスディージーズゲーム)」といい、2030年の世界がどうなっているのかをシミュレーションするものです。ゲームの中で目標をつくり、2030年まで活動します。
まず始めに、個人のゴールはカードを引いて決めます。

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私の個人目標は「悠々自適」だったので、時間を大切にし、ゲーム終了時に15枚以上の「時間カード」を保持していることがゴール条件です。
ゲームは、お金と時間を使ってプロジェクトをおこない、最終的にゴールを達成することを目指します「自分の目標」は、先ほどのように「大いなる富」「貧困撲滅の聖者」などさまざまな種類があり、それぞれのカードに異なるゴール条件が記されています。
ゴール達成のためにはプロジェクトを実行していくのですが、「プロジェクト」には、実行するために各種必要なモノが設定されています。必要なモノは他の参加者たちと交換したりして集めなればなりません。達成すると報酬がもらえます。
また、それぞれのプロジェクトには、実行したらどんなインパクトを「経済」「環境」「社会」に与えるかもカードに書かれています。そのため、「経済」を優先してプロジェクトを実行すると、「環境」が“-(マイナス)1”になることもあります。
ゲームを進める流れは、事務局(講師の塚本さん)に何の活動にいくらかけるのかを提出し、その結果「経済」「環境」「社会」にどれくらいのインパクトがあったのかをマグネットの数で+−集計して、それぞれの最終数をカウントするという流れになります。
参加者同士で取引をしてもかまわないので、例えば、自分の目的が「悠々自適」であれば、時間のカードお15枚集めてしまえば、お金はすべて寄付しても良いということでした。

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前半の8分では、特に何も考えずに各々の個人ゴールを達成するためのプロジェクトの実行や、それに必要なモノを集めるために参加者同士でカードの交換などをおこないました。
前半終了時の結果は・・・
■経済10個
■環境3個
■社会1個
のマグネットの数でした。
これを目の当たりにして、後半戦が始まる前に参加者たちは、はたと気づきました。経済活動をすることは重要だけど、私たちは「環境」「社会」もよくしたい会社だよね!ということに。
そこで後半戦では、自分の目標とともに「環境」と「社会」をよくするプロジェクトを遂行していくことにしました。そうして、事務局や参加者同士でのカードの交換を通じて、「環境」と「社会」のポイントを増やしていきました。
私は、「悠々自適」のカードを前半ですでに15枚集めていましたので、後半は、「大いなる富」を得るのがゴールのアカイや梅木にお金を渡して、「環境」と「社会」のポイントがたまるようなプロジェクトを遂行してもらいました。
すべて終わったときには、私の手元にはお金のカードは0枚になっていました。「金の亡者」改め「大いなる富」がゴールの人たちにお金を払ってプロジェクトを遂行してもらったからです。
「大いなる富」の方々はプロジェクトが大忙しで、“時間がない、時間がない(自分の手元に時間のカードがない)”と言っていました。こういった言動もあくまでゲーム内の話ですが、今の自分たちの感覚と近くて面白かったです。
今回参加したチームでの最終結果は、次のようになりました。
参加者全員の個人目標も達成、「経済」「環境」「社会」ともに10個以上のポイントがあり、全達成でした!
講師の方によると、これは非常に珍しいことだそうです。
他の団体が同じゲームをプレイした際には、最終結果で「経済」にのみポイントが付いていたり、環境系の団体がプレイした時には、「環境」にのみポイントが付いていたりと、偏りが出てしまうことが多いとのことでした。なので、今回のように個人目標と「経済」「環境」「社会」ともにバランスよく達成できることは稀だと教えていただきました。
これはあくまでゲーム上での体験ですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」といったことわざにもあるように、SDGsの本質として一見関係がないと思われることが実際はつながっているということが理解できました。
実はつながっている私たちと地球温暖化
それを踏まえて、例えば下記の「スナック菓子が地球温暖化につながっている?」をご覧ください。

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ボルネオ島の熱帯雨林を伐採してできた大規模農園でつくられるアブラ椰子から取れる「パーム油」は、チョコレート、アイスクリーム、カップラーメン、シャンプーなどありとあらゆるものに使われています。
日本人は、一人当たり平均5キロのパーム油を使用しており、生活に欠かせないものです。しかしその一方で、こうした大規模プランテーションが環境破壊につながっていることは科学的に証明されていて、最終的には地球温暖化につながっていると言えます。
SDGsを理解し実践するには、「世界はつながっている」「私も起点である」こと、そして事実を知り、自分の行動を変えるということから始まるのだということがわかりました。
今回、このカードゲームを通じて自分の判断やチョイスが世界にどのようなインパクトを与えているかということがイメージできるようになりました。
「では、今日から自分は何を選択するか?」次は、実践していきたいと思います。
私は、柔軟剤が環境にも肌にもよくないこともあると記事で読んだので、柔軟剤の使用をやめてみました。ただ、ごわごわするのだけは嫌なので、お酢を使うようにしました。
洗濯物に酢の匂いは移りませんし、逆に害になるカルキの残留物を除去してくれるそうですよ。気になった方はぜひ試してみてください!
まず「隗より始めよ」しかも、できるだけインパクトがある方法で
その他にも、例えば私たちが運営するサステナブルスイッチの記事を読んでくださる方が増えることで、transformingする方法がわかる方が増えることも大事な活動のひとつだと思いました。
今後もサステナブルな記事の公開・発信していくことに尽力していきますので、引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。
【編集後記】
今回、研修に参加した社員は、SDGs 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を早速実践しようということで、同じくSDGs活動を積極的におこなっている東洋英和女学院大学さんのサステナブル・コーヒーに寄付をさせていただきました。
お礼にいただいたコーヒーは、参加した社員でおいしくいただきました。
今後とも、自分たちや所属している組織だけでなく、もっと広い視点で横浜から世界にSDGsの活動の輪を広げていきたいと思います。
今回のカードゲームは、カードゲーム「2030 SDGs」の紹介 | 一般社団法人イマココラボ (imacocollabo.or.jp)のものを使用しました。
講師は、⼀級建築⼠であり、「2030SDGsゲーム公認ファシリテーター」「SDGs de 地⽅創⽣公認ファシリテーター」の塚本充(つかもとみつる)先生にお願いしました。
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☞個人でもできるSDGsに電気料金プランの切り替えという提案