【6年目を迎えるソーラーシェアリング】失敗を避けるコツと目指す“持続可能な農業”とは?

インタビュー

参加者

  • 齊藤超(さいとうこゆる)さん農法法人Three Little Birds(スリーリトルバーズ)合同会社代表

    千葉県匝瑳市でソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を推進する農法法人Three Little Birds合同会社(スリーリトルバーズ)
    の代表として活動、ソーラーシェアリングの下で営農を始めて6年目、いままで取り組んできたことと、これからについてお話を伺いました。

【ソーラーシェアリング】6年前に農業法人として立ち上げてから

現在のThree Little birdsの活動について教えてください。

6年前に農業法人としてThree Little Birdsを立ち上げた当初は、2ヘクタール程度の農地しか管理していませんでしたが、現在では、ソーラーシェアリングに付随する農地を合わせて、耕作地は10ヘクタールまで増えました。

耕作物としては、有機栽培の大豆、麦などを育てています。今年は小豆の試験栽培にも挑戦していきます。農業の6次産業化にも積極的に取り組み、契約栽培している大豆はすべて千葉県の「みのの村」そいかふぇで大豆コーヒーの原材料として卸しています。
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ソーラーシェアリングで育てている耕作作物について

小豆や大豆、大麦は、育て方としてはあまり変わらないのでしょうか?

大豆も大麦も小豆も土地利用型農業といって、面積当たりの収益は低く、経営するには一定以上の面積が必要で、大型機械などを活用することで収穫量を上げる農業で、一人当たりの管理面積が大きい農業です。

私たちは、ソーラーシェアリングを保有する企業より耕作協力金をもらっており、農業収入と合わせることで、農業機械を導入することができています。

農業機械を導入することで、より広い土地を耕作することができます。また、設立当初は立ち上げメンバーの中の農業者4名の機材を持ち寄り、ソーラーシェアリング下での耕作をしていたのですが、自社の農機具も増え、自立した営農ができるようになりましたので、常勤2名+αのパートスタッフを雇用して耕作しています。

ソーラーシェアリングで過疎化対策も

パートの方はどのように雇われたのでしょうか?

営農に従事してくれているスタッフたちは、もともと他県からの移住者の方たちです。

ダウンシフターズ(著 高坂勝)の影響があり、匝瑳市へ移住してきた青年たちで、Three little birdsの役員が空き家の紹介をし、縁ができた古民家(空き家)を借りて暮らしています。

ソーラーシェアリングを始めたころからの構想で、農地を維持するには農業も仕事として続けていく必要があり、また千葉県の匝瑳や豊和地区などの里山エリアの過疎化対策にもなればと考えていました。

栽培も移住者の方の仕事のひとつとして、働いてもらっています。スタッフの一人は空き家マッチング企画を運営しています。営農にも前向きに取り組んでいて、役員とスタッフが一丸となってソーラーシェアリングでの栽培に取り組んでいます。

【ソーラーシェアリング】始めたきっかけとは

もともと農業専業だった齊藤さんが、太陽光発電と農業をひとつの土地でおこなうソーラーシェアリングをやってみようと思われたのでしょうか?

私が再生可能エネルギーに興味を持ったのは、2011年の東日本大震災で福島の原発事故がおきたのがきっかけで、再生可能エネルギーの普及にはどうしたら貢献できるのかと考えていました。

また、農業面でも、有機大豆の栽培を増やしたいと考えていましたので、匝瑳市飯塚開畑エリアでのソーラーシェアリング事業に参加しようと決めました。

ソーラーシェアリングによる発電と営農の難しさ

ソーラーシェアリングで失敗とかもありましたか?

失敗というか、6年もソーラーシェアリング下で耕作をしてきたので、ソーラーシェアリングの癖がわかってきました。

ソーラーシェアリングを始めたばかりころは、太陽光パネルを支える柱が農地にたくさんあるので、大型の農業機械の操作が難しかったりしましたが、営農を続けていくうちに設備内での農機具の操作には慣れました。

 

ソーラーシェアリングのメリットととして、乾きやすい土地にソーラーシェアリングをつけた場合は、水分を逃しにくいという利点があります。
また、
ソーラーパネルで3割ぐらい(匝瑳の場合)遮光されるので、程よく日影ができて、涼しいです。最近は夏が暑すぎるので、作物にとってほどよい日影ができて暑さ対策になっています。

一方、雨が長く続くと雨水が農地たまってしまって、作物が育ちにくいというデメリットがあるので、水を逃がすために暗渠を埋設したり、もみ殻などを土に混ぜて水はけをよくする工夫をしています。

有機栽培の可能性に挑戦!炭素貯留の調査や不耕起栽培など

今年は何か新しいことに挑戦されるのでしょうか?

ソーラーシェアリングの営農を始めて6年目ですが、初めて自分たちも関わる発電所が建設される予定です。売電も始めることができて、大変うれしいです。

また有機栽培の可能性にも挑戦していきたいと思っています。ソーラーシェアリングに関わる企業さんと学びの場を持つことがあり、有機栽培はより多くの炭素貯留(CO2を土壌に留めること)ができる可能性があることを知りました。

今研究していることを実践すれば、CO2排出を抑えることや脱炭素化に貢献できるのではないかと思っています。また今年は、不耕起栽培(字の通り耕さず耕作をすること)に挑戦しています。土壌環境の改善が見込めるので、安定して作物が採れるようになるのではと期待しています。

最後にソーラーシェアリングを6年続けてきて今どのように感じておられますか?

ソーラーシェアリングを通じて、産業や地域、人々がより深く強くつながったと感じています。れからも地域の産業の活性化、過疎化の歯止め、新しい雇用の創出など、匝瑳、豊和地区で取り組めることを一つひとつ実践していきたいと思います。

ソーラーシェアリングを長く続けていくコツや、ソーラーシェアリングの新しい可能性についてお話をお伺いできました。炭素貯留(CO2を土壌に留めること)は、ゆくゆくは“脱炭素化”にも繋がっていきそうですね。

また、ソーラーシェアリングの第一実践者ともいえる千葉エコ・エネルギーの馬上さんにも以前お話をお伺いしましたので、気になる方は合わせてご覧ください。

【第一実践者に聞く】ソーラーシェアリング課題と未来

■新聞掲載記事

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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