横浜産の食材でヴィーガンラーメン【RCE横浜若者連盟が目指す持続可能な社会】

インタビュー

RCE横浜若者連盟様インタビュー

横浜ヴィーガンラーメンプロジェクトとは、横浜市内の大学に通う学生2名が、同じく横浜市内で食の循環やサステナビリティを推進する方々とともに立ち上げた企画です。

私たちは、クラウドファンディングでこの活動に少額ながら寄付をさせていただいたご縁で、このヴィーガンラーメンプロジェクト企画を立案したRCE横浜若者連盟の皆さんに、今回お話を伺わせていただきました。

<インタビュー参加者(上記写真参照)>
RCE横浜若者連盟
上右端:ヴィーガンラーメンプロジェクト主要メンバー 村上柚芽香(むらかみ ゆめか)さん
下左側:RCE横浜若者連盟 川内美月(かわうち みずき)さん
下右側:RCE横浜若者連盟 廣木亮哉 (ひろき りょうが)さん

株式会社横浜環境デザイン
上中央:赤井智彦(あかい ともひこ)
上左端:福村亜矢(ふくむら あや)

Q1:「RCE横浜若者連盟」について、設立主旨や今までの活動内容を教えてください。

廣木さん)RCEは“持続可能な開発のための教育”に関する地域拠点という意味です。設立当初は、環境に関心がある横浜の学生が年1回集まって、環境についてコンテスト形式で発表するというような活動をしていました。

今は活動内容が少し変わり、SDGsという言葉も普及してきたことから「SDGsの視点で街づくりをしていこう」と、環境政策や経済などにも関わっていき、2~3年前から今の形になりました。
メンバーは本当に少なくて、5~6人程度ですが、イベントなども企画しておこなっています。

川内さん)2021年の主な活動は、今回で78回目の配信を迎えた、毎週木曜日の深夜にYou tubeなどで生配信している「よこかし」という番組づくりです。
横浜で夜更かしをして繋がろうというコンセプトですが、横浜の環境分野やまちづくりの分野で活躍するゲストの方とトークをしたり、横浜の歴史や文化・観光などについて若者視点で話をしています。

その他の活動としては、自分たちの足で横浜の魅力を探るべく、18区の街それぞれをスマホ検索なしで歩き、地元横浜市の魅力を再発見する「はまあるき」活動。
横浜市の18区の地形をパズルにした「ハマパズル」の開発や、サステナブル・ブランド国際会議2021で登壇、JCI日本青年会議所の主催する「サマーコンファレンス2021」での登壇など、横浜RCEネットワークである「横浜市」「NPO」「大学」「市民」「企業」を巻き込んだ活動をおこないました。

RCE横浜若者連盟様_活動内容

また、本日のトピックでもあるヴィーガンラーメンプロジェクトも企画しました。

Q2:「ヴィーガンラーメンプロジェクト」立ち上げの経緯や、どのように実行していったのか教えてください。

(村上さん)最初のことをいうと、私自身がラーメン好きで(笑)ラーメンを使って何かしたいという思いがありました。

また、コロナ前にヨーロッパへ旅行に行った際に、ヴィーガンの食事が環境や動物倫理の観点から普及していることに驚きました。日本ではまだまだヴィーガンという考え方や食事が定着していないと思い、ヴィーガン×ラーメンで何かしたいと考えたことがきっかけです。

最初はアイデアベースでしかなかったのですが、毎週木曜日の深夜に放送している「よこかし」でコンブの富本 龍徳さん(一般社団法人 里海イニシアティブや、八味の奥井 奈都美さん(アマンダリーナ合同会社のお話を伺ったことがあり、この横浜産のコンブや八味を使ってラーメンができないかと考えました。

また、「よこかし」にゲストで来てくださった企業の方からInnovation Design(イノベーションデザイン)様をご紹介いただき、Innovation Design 様が運営されているhaishop cafeに商品化をお願いしました。

横浜のコンブと八味が合うとなると担々麺かなと思い、生産者さんに「横浜産の、しかもヴィーガンラーメンを商品化したい」という自分たちの思いを込めた企画書をプレゼンしたところ、生産者さんにも快くご協力いただけるということになり、このプロジェクトは立ち上がりました。

ヴィーガンラーメン_食材

地産地消にこだわって直接生産者から調達した「こんぶ」「椎茸」「小松菜」「八味」を使用

知っておきたい!「ヴィーガン」とは?

日本ベジタリアン協会によると、ヴィーガニズム (Veganism) は、食用・衣料用・その他の目的のために動物を搾取したり苦しめたりすることを、できる限り止めようとする生き方」と定義されています。

つまり、ヴィーガン(Vegan)と名乗る人たちは、動物の肉(鳥肉・魚肉・その他の魚介類)と卵・乳製品を食べず、また動物製品(皮製品・シルク・ウール・羊毛油・ゼラチンなど)を身につけたりしない生き方を選択しているということです。
また、その中でもさまざまなジャンルがあり、食事にのみその生き方を適用する場合は「ダイエタリー・ヴィーガン (Dietary Vegan)」と言います。

Q3:このプロジェクトを遂行するにあたり、苦労した点はなんですか?

2020年の6月~7月頃に企画は立ち上がったのですが、その頃にはコロナがひどくなってしまっていたので、haishop cafeの方やメンバーとはオンラインで会議を重ねました。
また、コロナ禍の影響で、haishop cafeが入っているアパホテルがコロナウイルス患者のための貸し出しホテルになったため、設備も使えなくなってしまいました

試食や資金を集めるためのクラウドファンディングのCAMPFIRE(キャンプファイヤー)に載せる写真などがお店で撮れなかったため、haishop cafeのシェフのご厚意で、シェフのご自宅で試作品を作っていただきました。

ただ、ご自宅なので、火力の問題や設備事態も十分ではなかったのが苦労した点です。設備が使えるようになってから、スープにとろみを加えるために豆乳を入れるなど改良を加え、現在提供しているかたちになりました。

ヴィーガンラーメン_商品写真

実際にhaishop cafeで提供されたヴィーガンラーメン

もっとも苦労したのは、広報的な部分です。このヴィーガンラーメンを提供するにあたりイベントに出店するなど、提供の仕方ももっと工夫したかったのですが、それができませんでした。そのため、集客方法は主にインスタグラムやtwitterなどのSNSを活用することになりました。

地産地消で、横浜産の食材を使ったヴィーガンラーメンを広く横浜の皆さんに知っていただきたかったのですが、結果としては“地産地消”や“横浜産の食材”というポイントはあまり注目されず、「もともとヴィーガンだから、ヴィーガンラーメンを食べてみました」という方が多かったです。
広報活動がコロナ禍でかなり制限されてしまい、そこは少し残念でした。

このヴィーガンラーメンの提供はいったん2021年11月21日(日)に提供が終わってしまったのですが、今後はこのプロジェクトの続編としてハマパズルの開発を引き続きおこなっていきます。

Q4:このプロジェクトを実行して、よかった点はなんでしょうか?

SNSを通じて、このヴィーガンラーメンプロジェクトに目にとめてくれた多くの方が、実際にアクションをおこし、ヴィーガンラーメンを食べて「おいしかったよ」と言ってくださったこと。

また、今回ヴィーガンラーメンを提供してくださったhaishop cafeの運営会社であるInnovation Design様は、数年前からSDGsを意識したヴィーガンメニューの提供を通じて社会貢献をされておられましたが、この企画を通じてますますヴィーガンメニューに力を入れていきたいとおっしゃっていただいたことです。

haishop cafe_店内の様子

haishop cafe:店内では横浜産の商品やフェアトレード商品の販売も

Q5:このプロジェクト以外に何か新しいプロジェクトは展開予定でしょうか?

まずはこのヴィーガンラーメンの続編として、「ハマパズル」の開発をおこなっていきます。

横浜市の18区を模ったパズルで、材料の木材は間伐材を利用しています。加工も横浜市の福祉施設で加工しており、知育パズルとしても利用できますので、開発したパズルを学校などでも使用できるようにしたいと思います。

ハマパズル

ただ、現在は資金的な問題で開発が止まっているので、支援したい方や支援したい会社がおられれば、ぜひRCE横浜若者連盟まで連絡をいただきたいです。

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Q7:横浜市「ゼロ・カーボンヨコハマ」2050年温室効果ガス実質排出ゼロの目標について

この目標に対し、皆さんはどういった取組みが必要と考えていますか?

村上さん)今度、私は社会人となります。横浜でゼロ・カーボンをどのように達成していくかということにも積極的に携わり、できれば企画などにも携わって、ゼロ・カーボンヨコハマを達成していきたいと思っています。
そのためには、若者は言うことをためらわない、大人は現実解だけではなく若者に歩み寄ることで、みんながアイデアを出し合い、実行していくことが必要だと思います。

川内さん)RCEで活動していることを継続していくことと、今回新たに「チーム zero youth 横浜」も立ち上がったことから、横浜市ともさらに連携してゼロ・カーボンヨコハマの達成に向けた活動をしていきたいです。
「チーム zero youth 横浜」の特徴は、横浜市内の学生と若手社会人で結成されたチームであるということです。横浜市の地球温暖化対策本部やNPOの方々と共に協力し、脱炭素社会に向けた活動をおこなっていきます。

チームZERO YOUTH 横浜

現在、すでに取り組んでいることはありますか?

廣木さん)常日頃考えているのですが、“脱炭素”といっても実現するとなると、「かっこよくて自分もやってみたい」と思わないと最終的に全体には広がっていかないと思います。

みんなが「地球のためだから」とかを意識せずに環境問題に取り組める、無意識に生活に取り入れているということが必要だと思います。その始めの一歩として、地球環境に関心を持つことが重要だと思います。

ただし、温暖化ということを恐怖心から意識付けするのではなく、「それがかっこいいから環境にいいことや脱炭素につながる行動をしていた、やっていた」という行動原理でなければ持続性はありません。

“かっこいいこと=(持続可能で)環境にいいこと”につながるような活動を今後もしていきたいと思います。

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【編集後記】

今回お話を伺った村上さんや川内さん、廣木さんは、本当に横浜が好きで横浜の未来のことをきちんと考え、企画し行動しておられました。その姿に頭が下がりました。

まだまだ年齢が若いこともあり、何かを企画しても「それはコストがかかるから」「それは実際実現できないよ」と大人に言われることもある中、それでもチームで話し合い、ひとつひとつ形にしていました。

今回のインタビューを通じ、実際に自分たちの行動を深く考える機会となりました。このような活動をされている方に恥じないよう、私たちもゼロ・カーボン社会実現のために一歩一歩活動していこうと思いました。

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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