蓄電池の種類とは?バックアップ・充電方式からみた最適な蓄電池の選び方

蓄電池 種類

再生可能エネルギーの普及に伴い、蓄電池の重要性がますます高まっています。

しかし、蓄電池にはさまざまな種類があり、その選び方には多くの要素を考慮する必要があります。特に、負荷タイプや充電方式は、最適な蓄電池を選定する際に重要なポイントです。

本記事では、蓄電池の主要な種類とそれぞれの特徴を解説し、負荷タイプや充電方式から見た最適な蓄電池の選び方について詳しく紹介します。

さまざまな角度から見た蓄電池の種類とは?

蓄電池は、再生可能エネルギーの効率的な利用や停電対策として重要な役割を果たします。

蓄電池にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。まずは、電池の種類、負荷タイプ、充電方式について説明します。

電池の種類

蓄電池の種類には、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、NAS電池などがあります。
電池の種類によって充放電サイクル回数や寿命、特性が異なるため、それぞれ適した用途に使用されています。

バックアップ方式(負荷タイプ)

蓄電池は、供給できる電力の範囲によって特定負荷型と全負荷型に分かれます。
特定負荷型は、指定した子ブレーカーにつながる電化製品のみを動かすことが可能です。逆に、全負荷型はブレーカーにつながっている全ての電化製品を動かすことが可能です。

充電方式

充電方式には、単機能型・ハイブリッド型・トライブリッド型があります。
単機能型は、蓄電機能のみを持つタイプであるのに対し、ハイブリッド型やトライブリッド型は、太陽光発電システムと連携し、一体型のシステムとして動作します。

電池本体の種類

蓄電池にはさまざまな種類の電池が使用されています。その種類は、各電池の特性や使用用途に応じて適切に選定されています。

ここでは、主に使用されるリチウムイオン電池、NAS電池、鉛電池、ニッケル水素電池の4種類の電池について詳しく説明します。ぜひ一度ご確認ください。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、現在最も広く使用されている蓄電池の一つです。
高いエネルギー密度と長寿命が特徴であり、家庭用蓄電池や持ち運びが必要なデバイス(スマートフォン、ノートパソコンなど)に広く利用されています。
充放電サイクルが多く、エネルギー効率が高いため、長期間使用しても性能が劣化しにくいという利点があります。ただし、過充電や過放電に対して敏感であり、適切な管理が必要です。

NAS電池

NAS(ナトリウム・硫黄)電池は、約300度の高温下での動作特性を持つ蓄電池で、特定の環境下で大規模なエネルギー貯蔵システムに使用されます。
高いエネルギー密度と長寿命で、電力の平準化や再生可能エネルギーの安定供給に適しています。高温を維持するためのエネルギー消費や安全性の管理が必要なため、家庭用蓄電池には使用されませんが、大規模な工場や商業施設における停電対策のバックアップ電源に使用されています。

鉛電池

鉛電池は、長い歴史を持つ蓄電池であり、自動車のバッテリーや非常用電源として広く利用されています。原料である鉛は比較的安価であるため、コストが低いというメリットがあります。
しかし、エネルギー密度が低く、重量が重いことから、持ち運びが必要な用途には不向きです。充放電サイクルが少なく、他の電池に比べると寿命が短いという欠点もあります。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、電極にニッケル酸化化合物と水素化合物を用いた蓄電池です。充放電や過放電に強い特性があり、乾電池タイプの蓄電池やハイブリッド車などで利用されています。
ニッケル水素電池の欠点としては、自己放電しやすいため、長期間のエネルギー保存には不向きであることが挙げられます。また、リチウムイオン電池と比較すると、エネルギー密度が低く、重量が重い点もデメリットです。

バックアップ方式

太陽光発電_蓄電池

蓄電池のバックアップ方式には、特定負荷型バックアップと全負荷型バックアップの2種類があります。以下、詳しく解説します。

特定負荷型

特定負荷型バックアップの蓄電池は、特定の電力消費機器にのみ電力を供給するタイプです。
初期コストが低く、比較的導入しやすいのが特徴で、例えば冷蔵庫、照明、通信機器など、生活に不可欠な電力消費機器に限定して電力を供給することが一般的です。

また、停電時には重要な機器のみを稼働させることで、電力消費を抑え、蓄電池の電力を効率的に利用することができます。ただし、停電時に全ての電力需要を満たすことはできないため、生活の一部には影響が出る可能性があります。

全負荷型

全負荷型バックアップの蓄電池は、家庭全体の電力需要を賄うことができるタイプです。
特に電力消費が多いご家庭や、停電時にも今の生活環境を維持したいご家庭は、全負荷型の蓄電池を選ぶことで家庭内全ての電化製品に電力を供給することができるため、停電時でも通常通りの生活を続けることが可能です。

初期投資が高額になりますが、その分得られる安心感と利便性は大きなメリットです。また、家庭全体の電力管理を一元化できるため、エネルギー効率を高めることも可能です。
ただし、全負荷型を選ぶ際には、設置スペースや予算を十分に考慮する必要があります。

☞負荷型についてもっと詳しく!

【蓄電池の種類】「全負荷型」か「特定負荷型」かで停電時の安心度が違う?

充電方式

蓄電池_種類_充電方式

蓄電池の充電方式には、単機能型、ハイブリッド型、トライブリッド型の3つの種類があります。それぞれの特徴とメリットを比較してみましょう。

単機能型

単機能型の蓄電池は、蓄電機能のみを持つシンプルなタイプです。
このタイプの蓄電池は、主に既存の太陽光発電システムに追加する形で導入されます。初期コストが比較的少なく、既存のインフラを活用できる点がメリットです。

しかし、単機能型は太陽光発電システムとの連携が限定的であり、発電された電力を効率的に蓄えるための最適化が難しい場合があります。そのため、エネルギー効率を最大化するためには、適切な運用が求められます。

ハイブリッド型

ハイブリッド型蓄電池は、パワーコンディショナーと一体化した蓄電池です。
太陽光発電で発電された直流電力を直接蓄電池に蓄えることができ、また、家庭用の交流電力に変換して使用することができます。そのためエネルギー効率が高く、発電した電力を無駄なく利用することが可能です。

初期コストは単機能型よりも高くなる場合がありますが、その分、長期的な電力コストの削減やエネルギー効率の向上が期待できます。

トライブリッド型

トライブリッド型の蓄電池は、さらに高度なエネルギーマネジメントを実現するために設計されたシステムです。このタイプは、太陽光発電システム、蓄電池、そして電気自動車(EV)充放電システム(V2H)を統合的に管理することができます。

そのため、家庭のエネルギー需要に応じて、太陽光発電の電力を効率的に分配し、余剰電力を蓄電池やEVに蓄えることができます。例えば、日中に太陽光発電で発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間にはその電力を家庭で使用し、余剰電力は電気自動車に充電することが可能です。

トライブリッド型は、初期コストが高いですが、エネルギーの自給自足を目指す家庭や、再生可能エネルギーの活用を最大化したい場合に適しています。

【蓄電池の種類】単機能型かハイブリッド型か[用途別に比較]

我が家にはどの種類の蓄電池が合うのか?

蓄電池の導入は、家庭のエネルギー管理を最適化し、電気料金の削減や停電時の電力供給を確保するために非常に有効です。しかし、蓄電池の種類や特性は多岐にわたるため、自分の家庭に最適なものを選ぶことが重要です。

ここでは、それぞれのご家庭に最適な蓄電池の選び方について詳しく説明します。

蓄電容量

蓄電容量は、蓄電池が一度に蓄えることができる電力量を示します。家庭の電力使用量に応じた適切な蓄電容量を選ぶことが重要です。
蓄電容量が大きいほど、停電時や電力需要が高まる時間帯に十分な電力を供給することができます。
また、太陽光発電システムと連携させる場合、日中に発電した余剰電力を効率的に蓄えるためにも適切な蓄電容量が求められます。自身の電力使用パターンを把握し、それに見合った蓄電容量を持つ蓄電池を選定することが重要です。

充放電回数

充放電回数は、蓄電池が充電と放電を繰り返すことができる回数を示します。一般的に、充放電回数が多いほど蓄電池の寿命が長く、長期間使用することができます。
リチウムイオン蓄電池の場合、充放電回数は6,000回〜12,000回程度とされています。一方、鉛蓄電池は500回〜3,000回程度となります。
充放電回数が多い蓄電池は、長期間にわたり安定した性能を維持できるため、初期コストが高くても長期的にはコストパフォーマンスが良い場合があります。

サイズ

蓄電池のサイズも重要な選定基準の一つです。特に、都市部の住宅やマンションなど、設置スペースが限られている場合は、設置スペースに適したサイズの蓄電池を選ぶ必要があります。
また、設置場所の環境条件(温度、湿度、防水性能など)も考慮する必要があります。設置スペースを事前に確認し、適切なサイズの蓄電池を選定することで、スムーズな導入が可能になります。

価格

価格は、蓄電池を選ぶ際の重要な要素です。蓄電池の価格は、蓄電容量や機能、メーカーによって大きく異なります。初期投資額だけでなく、長期的なコストパフォーマンスを考慮することが重要です。
安価な製品は初期費用が抑えられますが、寿命や性能に問題がある場合があります。一方、高価な製品は長寿命で高性能な場合が多く、長期的にはコストパフォーマンスが高いことがあります。
購入前に複数の製品を比較検討し、自分のニーズに最適な蓄電池を選ぶことが重要です。初期投資だけでなく、運用コストやメンテナンス費用も考慮し、総合的なコストを考慮しましょう。

保証

保証内容も、蓄電池を選ぶ際に重要なポイントです。蓄電池は長期間使用する製品であり、万が一の故障や不具合に備えるために、しっかりとした保証が必要です。
メーカーや販売業者が提供する保証期間や保証範囲を確認し、トラブル発生時に適切なサポートが受けられるかどうかを確認しましょう。

まとめ

いかがでしょうか?蓄電池の選定には、バックアップ方式や充電方式を理解することが大事です。

最適な蓄電池を選ぶことで、エネルギー効率を最大限に引き出し、長期的なコスト削減と持続可能なエネルギー利用を実現することができます。

本記事で紹介した情報を参考に、自分に最適な蓄電池を見つけてください。

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