【節分×SDGs】食品ロスを減らす豆まきとは?おすすめ豆菓子レシピも!
来たる2月3日は節分ですね!ご家庭で豆まきをする方も多いでしょう。
でも、撒いた豆は後で捨てることがほとんどで、「何かもったいないな…」と思っている方も多いのではないでしょうか?
節分で撒く豆は、撒き方や豆そのものを変えれば、捨てずに済むようになります。
今、話題に挙がることの多いSDGsの目標の1つ「食品ロス」をなくすことにもつながります!
今回は、節分に家庭で実践できる食品ロス削減方法についてご紹介していきます。
そもそも節分とは?意外と知らない「豆まき」「恵方巻」の由来
昨年公開した節分記事でも少し触れましたが、節分とは「季節を分ける」ことを意味します。
☞昨年記事『今年の節分はちょっと特別!2月2日の豆まき』
現在は基本的に2月3日が節分ですが、もともとは季節の分かれ目である以下4つの日の前日にそれぞれありました。
1. 立春(2月4日)→春の節分
2. 立夏(5月5日)→夏の節分
3. 立秋(8月7日)→秋の節分
4. 立冬(11月7日)→冬の節分
しかし、室町時代の頃から節分は春の節分のみを指すようになりました。立春にあたる2月4日を1年の始まりとすることが重んじられるようになったからです。
「豆まき」の始まりとは?
1年の始まりとされた2月4日の前日、つまり今の節分の日である2月3日には、かつては旧年の厄や災難を祓って清める行事がおこなわれていました。その行事の一環として室町時代に始まったのが、現在の豆まきです。
「豆」は「魔滅(まめ)」であり、「魔を滅する」に通ずるとされてきました。
京都の鞍馬に悪鬼が出現したとき、仏教世界を守る神様の1人・毘沙門天(びしゃもんてん)のお告げで人々が悪鬼に豆を投げたところ、その悪鬼を退治できたという話も残っています。
それ以来、現在に至るまで節分に豆まきをする風習が続くようになったようです。
「恵方巻」の始まりとは?
節分には、恵方巻を食べる習慣も一般化しています。
この風習が始まったのは、江戸時代末期ごろといわれているようです。
陰陽道(おんみょうどう)では、その年の福徳を司る神様がいる方角を「恵方」といい、毎年その恵方に向かってことをおこなうと吉とされてきました。そのため、恵方に向かっておこなうこととして、恵方巻を食べることが習慣化されたそうです。
巻き寿司を食べるようになった詳しい由来は定かではありませんが、「福を巻き込む」ことから巻き寿司となったという説もあるのだとか。
豆まきで撒くものは何?食品ロス削減にもなるさまざまな撒き方
節分の豆まきでは、炒った大豆が使われるのが一般的ですが、地域や家庭によっては大豆以外の食品が撒かれているようです。では、何が撒かれているのかというと、一例ではありますが以下のような食品が挙げられます。
・袋やサランラップなどに小分けにした大豆
・大豆の代替品として落花生
・個別の袋に入っている豆菓子やお菓子
なぜ炒った大豆の代わりに、このような食品が撒かれているのか?その理由を見てみましょう。
袋やサランラップなどに小分けにして入れた大豆
袋やサランラップなどに小分けにして入れた大豆が撒かれるのは、次の理由からです。
・片付けと掃除がしやすい
・拾った後に食べられる
袋やサランラップなどに小分けにして入れた大豆は撒いても散らからないため、後片付けと掃除がしやすくなります。
また、大豆自体も袋やサランラップに包まれているので、庭や部屋に撒いても汚れません。なので、中の大豆を捨てずに食べることができます。
豆まき後の片付けや掃除のしやすさを考える家庭では、袋やサランラップなどに小分けにした大豆を撒くことが多いようです。
大豆の代替品として落花生
落花生は硬い殻に豆が入っているため、片付けのときに見つけやすいので、掃除も楽になります。
また、庭やお家の中で撒いても中の実が汚れる心配がないのもメリットですね。
落花生を撒くことは、北海道や東北などの寒い地域では風習として残っています。
この時期、雪が積もっていることが多い地域では、大豆よりも落花生の方が見つけやすいという利便性もあるようです。
個別の袋に入っている豆菓子やお菓子
個別の袋に入っている豆菓子やお菓子が撒かれる理由も、片付けのしやすさと拾っても食べられることにあります。
また、豆菓子などのお菓子であれば、大豆のままだと苦手だという人にも食べやすくなるので、残ってしまって捨てることにもなりにくそうです。
“節分=炒った大豆”と考えてしまいがちですが、余らせて捨ててしまうよりは、こうした加工品に切り替えて美味しく節分を楽しむ方法も現代らしくて良いですね!
【節分×SDGs】食品ロス問題と目標12「つくる責任つかう責任」の関係
節分の「豆まき」で大豆をムダにしないことは食品ロスの削減に
先ほどご紹介した、さまざまな形での豆まき方法で共通することは、撒いたあとも拾って食べられるから“食品ロスの削減”につながるということです。
これは、最近話題に挙がることが多いSDGsの目標12「つくる責任つかう責任(持続可能な消費と生産)」に関連しています。
SDGs目標12「つくる責任つかう責任(持続可能な消費と生産)」とは
SDGs目標12は、わかりやすくいうと“持続可能な方法で生産し,責任をもって消費する”という形態を確保することを目指している目標です。
何かモノをつくる際、私たちは地球上にある資源やエネルギーを使い生産し、また、それを廃棄する際にもエネルギーを使用しています。しかし、地球上にある資源やエネルギーには限りがあります。
この先、人間が地球で生き続けるためには、限りある資源やエネルギーを枯渇させないように残していかなければなりませんが、この限りのある資源やエネルギーは、モノが大量生産・大量消費されている現在、必要以上にたくさん使われています。
つまり、モノの大量生産・大量消費は、人間が暮らす地球の持続を阻んでいる行動になっているということです。
大量生産・大量消費を代表するのは「食べ物による食品ロス」
大量生産・大量消費を代表するものが、食材や食品といった食べ物です。
農林水産省によると、日本ではまだ食べられるのに捨てられている食品の量は、年間570万トン(令和元年度推計値)に及び、このうち約45%の261万トンが各家庭から発生する食品ロスのようです。
1人当たりの量で換算すると年間で約45kg、毎日お茶碗1杯分のご飯約124gを捨てているのに等しいと、農林水産省は述べています。
この食品ロスの量の中には、節分で使われたけれども、庭やお家の中に撒いたことで衛生面を考えると食べられず捨てられてしまったり、余ってしまって食べ切れずに処分されてしまったりした大豆も含まれているかもしれません。
そう考えると、食品ロス削減に少しでもつながる今回ご紹介した豆まき方法は、消費者として商品を選ぶ責任を果たし、持続可能な社会づくりにつながる行動と考えられると思います。
節分にできる食品ロス対策のほかのアイデアとしては、次のようなことが挙げられます。
・大豆は撒かず数え年の分だけ食べて、残った大豆は料理やお菓子に使う
・恵方巻だけを食べる
これらは実際に私も取り組んでいて、毎年迎える節分では大豆を捨てずに使い切ることができています。
今年の節分は、豆まき用に選ぶ食品が食品ロス削減につながり、持続可能な社会づくりに役立つかどうかを考えてみるのも良いかもしれません。
子どもも喜ぶ!節分の炒り大豆の残りをおいしい豆菓子にアレンジ
節分の豆まき用に買った炒り大豆。そのままでも食べられますが、せっかくならおいしくいただきましょう!
今回は、大豆が苦手な子どもでもおいしくパクパク食べられるお菓子に簡単アレンジできるレシピをご紹介します。ご家庭にあるもので作れて、所要時間も10分ほどなので、ぜひお試しください。
つまみだしたら止まらない!炒り大豆の砂糖衣菓子
<材料>
・水:大さじ2杯
・砂糖:大さじ8杯(80g)
・炒り大豆:個包装10パック(100g)
<作り方>
①水と砂糖を全てフライパンに入れ、軽く混ぜてから中火で熱する
②フツフツしてきたら、焦げないようにゆすりながら加熱を続ける
※お箸で混ぜないように!
③グツグツになったら、箸先をつけて少し糸引くかチェック
④糸が引いたら、火を止めて炒り大豆を全て入れ、手早く混ぜる
⑤混ぜ続けると結晶化してくるので、ある程度パラパラになったら皿などに移し替えて冷やす
→完成!
砂糖の甘さと炒り大豆のカリカリ感がたまらなくて、一度食べ始めると、気づいたらもうひとつ…と止まらなくなる美味しさです!これなら歳の数だけ食べるのも苦じゃなくなりそう。
ただ、砂糖を結構使うので、気になる方は砂糖の種類を変えてみてもいいかもしれませんね。簡単に作ることができるので、ぜひ色々試してみてください。
----👹---👹---👹----
いかがでしたか?
SDGsの目標12に関連する食品ロスの削減は、節分の日以外でも取り組めます。
食材が余ったら、冷凍できるのであればその日のうちに冷凍したり、日持ちする作り置きおかずを作ったりと、日頃から食材を捨てないような工夫はできます。
食材を余らすことのないよう、使い切れる量や使い切りタイプの食材を買うのもおすすめです。
節分を機に、食品ロスについて考えてみて、持続可能な社会の実現のためにできることから実践してみてはいかがでしょうか?
☞ちょうどいい量だけを買う!簡単にできるエシカル消費
☞身近なSDGsは茶殻やコーヒーかすでも実践できそう