日本でも物価上昇 その原因は大きく2つ?なぜ値上げが起こるのか理由を解説[2023]

物価上昇

2023年8月30日:内容更新

消費者物価指数も40年ぶりの上昇率に

2022年は、実にさまざまな日用品や食料品の値上げが相次ぎました。食品に限定しても、その数はなんと2万品目を超える結果となりました。

日用品や食品以外にも、プリンタのトナーやSDカードといった電子機器、歯科治療の銀歯に使うパラジウムという金属の値上げなどもありました。そのほか、電気・ガスといった公共料金や飛行機・特急列車などの一部交通機関など、値上げされた品目は多岐にわたります。

生鮮食品を除く消費者物価指数(総合)の推移_2023年1月

総務省統計局の消費者物価指数を見てみると、2022年4月から一気に上昇率が2.1%まで拡大したことがわかります。また、その後も上昇傾向は続き、2023年1月には4.2%まで上がりました。
日本経済新聞によると、物価の上昇率が4.0%を超えるのは、第2次石油危機の影響で物価高が続いていた1981年12月の4.0%以来、約40年ぶりの伸び率だそうです。

Tips:消費者物価指数とは?
消費者が購入するモノやサービスなどの平均的な物価の動きを把握するための統計指標ことを指します。消費者物価指数は、純粋な価格の変化を測定することを目的としているため、国民の生活水準を示す指標のひとつと言えます。
「CPI(Consumer Price Index)」と略されることもあります。
(参考:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A(回答)」)

物価上昇はいつまで続くのか?2023年後半の見通しは

物価における4.0%以上の上昇は、現状を踏まえるととても大きな数字だということがわかりますね。加えて、家計に直接響くものが多く、ため息も多くなっているのではないでしょうか。

そんな消費者物価指数は、2023年6月には前年同月比で3.3%上昇しました。伸び率は2カ月ぶりに拡大し、電気代の値上げが押し上げ、食品高も続いている状況です。

内閣府「物価の動向について」_物価上昇の家計部門への影響

(内閣府「物価の動向について」)

特に、この物価上昇による影響は、上図のように低所得者層ほど負担が大きい傾向にあります。これは、生活していく上で必需品となる食料やエネルギー(電気など)の価格が高い状況にあるためです。

しかしながら、2023年1月~4月の間には、食品だけでもすでに7,000品目以上の値上げが予定されています。さまざまなメディアでは、2023年の春~夏頃を目途に物価の上昇率は徐々に下がっていくと言われていますが、名言はされていません。

また、エネルギー分野の電気料金については、2023年6月1日に東電EPなど大手電力会社7社でも規制料金部門(従来の電気料金プラン)の値上げが実施されました。

激変緩和措置という政府の措置によりまだ大きな影響を感じている方は少ないかもしれませんが、この措置は9月使用分までの適用となっているため、10月以降は深刻な影響を及ぼすと考えられます。

☞2023年6月、電気代が再び値上がりへ

電力会社各社の値上げ申請一覧まとめ[電気料金はいつから?どのくらい上がる?]

ではなぜ、このように急激な物価上昇が起こってしまったのでしょうか?
特にエネルギー分野と食品分野には、大きな2つの原因が考えられます。

なぜ物価高騰?国際情勢と日米の金利政策

急激な値上げラッシュとなった原因とは何か。
考えられる大きな原因を詳しく見ていきましょう。

①国際的な原材料価格の上昇とロシアのウクライナ侵攻

原材料価格の高騰

コロナが始まった頃から原材料価格は、高騰を始めていました。その後、コロナから経済が回復するに連れ、世界各国で物やサービスの需要が大きくなりました。

そこに加えて、未だに解決の糸口が見えないウクライナ危機の影響が重なったことが、大きな1つの要因となりました。ウクライナとロシアの問題からくる影響により、エネルギーや穀物といった原材料の価格がさらに高騰しています。

特にエネルギーに関しては、ロシアが世界有数の原材料輸出国という事情もあり、輸送コストや製造コストの上昇原因となっています。というのも、「ロシアが他国に対し供給量を絞るのではないか」という懸念から、ロシアから多くのエネルギーを輸入している欧米諸国では、エネルギー価格の高騰が起こっているからです。

そのため、中でも欧州諸国がエネルギーの脱ロシアを進めており、結果的にアジア市場にも価格上昇の波が広がっています。

日本は、ロシアから多くのエネルギーを輸入しているわけではないのですが、こうした状況により価格上昇の影響を受けているということです。

☞エネルギーの値上げについて詳しくはコチラ

電気代値上げの理由とは?電力市場と燃調費高騰の原因

②円安の影響(日本とアメリカの金融政策の違い)

円安

「円安ドル高」になると、輸入するものに対しての支払いが多くなります。

円安の大きな原因は、アメリカと日本の金利差です。日本の金利が低く、アメリカの金利が高いと、投資家は“金利が低い円”を売って、“金利が高くなるドル”を買って運用することで、より多くの利益を上げようという動きになります。

なぜ、日本とアメリカで金利差が開いてしまっているのか?これには、日本とアメリカの金融政策の違いが大きく影響しています。

アメリカでは、今年の3月にFRB(米国連邦準備制度理事会)が「ゼロ金利政策」の解除が決まりました。アメリカでは、日本と比べてコロナ禍からの景気回復のスピードが早く、物価の上昇(インフレ)が起こりました。インフレが加熱すると消費が落ち込み、景気の悪化が懸念されます。そこで、金利を上げてインフレの加熱を抑えようというのが狙いです。

一方で、日本では日本銀行が超低金利の大規模な「金融緩和策」を続けています。これは、2013年に2%の物価上昇率の実現を目標として掲げて始まりましたが、現在の物価上昇は、賃金上昇や需要の増加を伴ったものではないと考えているからです。
とはいえ、金利の緩和は日本から輸出する分にはいいですが、輸入する分には物価が上昇することになります。

こうした2ヵ国それぞれでの金融政策の違いが明確化した結果、現在の物価上昇につながっています。また、4月末に日本で開催された金融政策決定会合では、現行の金融緩和は継続する方向となるようです。

つまり、現在の円安傾向については2023年後半も続くと見込まれています。

☞参考:朝日新聞「「有事の円」見られず円安加速 日米の金利差拡大だけではない理由」

物価高騰による値上がりに個人でできる対策

ここまでいかがでしたか?
物価上昇の状況と、その原因については理解いただけましたでしょうか。

今後もしばらくは、モノやエネルギーの価格上昇が予想されます。特に、燃料費や電気代はしばらく値上がりした状態が続きそうですね。

日経新聞では、「電気不足、冬に110万世帯分 原発動かず節電頼み限界」というタイトルで一面で取り上げられていました。電力については、電気代が値上がりするだけでなく、電力ひっ迫による停電が再び起こる可能性も考慮しなくてはなりません。

経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー2020」

(出典:経済産業省資源エネルギー庁 「日本のエネルギー2020」)

上図の通り、日本はエネルギー自給率が低いためにこうした事態が起こり得ます。しかし、同じ島国であるイギリスのエネルギー自給率は70.4%です。また、イギリスでは2035年までに国内の電力をすべて再生可能エネルギーで賄うと発表しています。

日本でも、「2050年カーボンニュートラル実現」に向け、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及は政府より推し進められている真っ最中です。深刻な電力不足状況も重なり、ますます早急な再エネ拡大が目指されそうですね。

毎月必ず支払う電気代を再エネ導入で削減?

さまざまな物価の価格が高くなっている今、趣向品などは「少し我慢しよう」と控えることもできますが、生活する上で必要な電気の使用量を大きく減らすことは難しいですよね。
意識的に節電を心がけても、特にこれから迎える“夏・冬”はどうしてもエアコンなどの使用頻度が上がり、比例して使用電力量は多くなってしまいます。

しかし、自宅に再生可能エネルギーを導入することで負担を減らすことができるかもしれません。

・太陽光発電設備の導入:
電力会社から買う電力量を減らし、自宅の屋根で創った再生可能エネルギー由来の電気を使って生活することができる。

災害時の停電対策も考えたい方は、一緒に家庭用蓄電池も導入することをおすすめします。
例えば、「テスラパワーウォール」なら、停電があった際も家の中の電化製品をまるごとバックアップすることができるため、万が一のときも安心して生活し続けることが可能です。

当社は、日本でも数少ないテスラパワーウォールの認定施工会社です。
太陽光発電や蓄電池をご検討されている方は、ぜひ一度ご相談・お問い合わせください。

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