【SAVE&EAT】発酵スープカレー ミコヤ様(22年1月5日取材)
参加者
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目黒 美沙 様発酵スープカレー ミコヤ オーナー
東急東横線綱島駅で「発酵スープカレー ミコヤ」を営む。横浜市出身。
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ポーラさんインタビュアー
カレーと音楽が好き。
さて、今回はFMヨコハマさまの飲食店応援団!Fヨコ「SAVE&EAT」の記事を拝見し、サステナブルに取り組むお店が神奈川県内にたくさんあると知ったので、早速インタビューしてきました!
その第1弾としてお話を伺ったのは、横浜市港北区の綱島駅から徒歩2分「発酵スープカレー ミコヤ」さまです!サステナブルへの取組み方法から、オススメのメニューまで詳しくお話いただきました。ぜひご覧ください。
※綱島のお店は2022年2月28日をもって閉店しました。レトルトカレーの販売は継続しています。
☞通信販売はこちら!
「発酵スープカレー ミコヤ」とは?特徴とこだわり
この度は、年明けのお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。最初にお店のコンセプト、特徴などを簡単にご紹介いただけますでしょうか?
「発酵スープカレー」という名前ではありますが、お客さまには北海道名物のスープカレーとは別物としてご案内をしています。
発酵食品が体に良いということはもちろん、日本の発酵文化を大切にしたいという思いがあります。さらに、東洋医学を基としたスパイスのかけ合わせによって、辛いだけではなく身体に優しいカレーというのがコンセプトです。
また、その調理工程で環境にも配慮しています。具体的には、野菜の種や芯をペースト状などにしてスープに取り入れています。
スープには粉や油を一切使用していないので、ゴミや廃油が出ないというところでも環境への配慮をしています。高い材料を使うことは簡単にできますが、“命を使い切る”ということを大切にしています。
文化の保護から身体や環境までにも配慮されているのですね!ところで、なぜ発酵食材×スープカレーのお店を立ち上げたのでしょうか?
もともと個人的に味噌作りをおこなっていたというのもあり、味噌を取り入れて日本人の舌と身体にあう料理をお店で出したいと考えていました。
その中でお客様に提供しやすいと考えたものが、スープカレーでした。
唐辛子を入れていないので辛さがあまりなく、無添加でお子さまにも安心して食べていただけるものを作りたいという思いがあります。その他にも、お店ではピクルス、甘酒、ミキ(奄美発祥と言われるお米を発酵させたドリンク)などといった発酵食品を提供しています。
また、24節季をイメージして旬のものを使った「マンスリーカレー」は、スペシャリテなのでおすすめです!
例えば、1月は【冬の白幸スープカレー】ということで、白噌噌を使用した白いスープに、旬の白い食材を詰め込んだメニューになります。
食材も理由があって旬を迎えるので、常に時期は気にするようにしています。その他にもラムカレーは常連さんに根強い人気があります!
地元の食材を活かして地産地消にも取り組む!
メニューで季節を感じらながら旬のものを味わうことができるのも良いですし、ラムカレーもあまり聞いたことがないので気になります。
使用する材料にもこだわりはありますでしょうか?
出身が横浜ということもあって、可能な限り地元の食材を取り入れ”地産地消”を意識しています。
味噌で言えば、例えばレギュラーメニューには、横浜市瀬谷区にある1818年創業の川口糀店さんの味噌を使っています。糀といえば一般的には白糀ですが、カレーは煮込むので熱に強い黄糀の味噌を使用しています。
以前出したマンスリーカレーでは、横浜市金沢区にある永島農園さんのキノコを取り入れていました。
当社も、地域で発電した電気を地域で消費する「エネルギーの地産地消」を意識しているので、何か通ずるものを感じます!
地域つながりで言えば、お店に貼られている「綱島の日」とはどういったものでしょうか?
毎月27(つな)日を「綱島の日」として、「ツナ」を使ったメニューを出しています。このメニューは“地元に還元”という意味も込めて、初めてのお客さまもお店に入りやすいように一般的なメニューより安価に設定しています。
健康のためにというかたちで無理にご来店いただくのではなく、女性がネイルに行くような感じで、ニュートラルなお店づくりを目指しています。
コロナ対策にクラウドファンディングやオンライン販売も
地元への意識やお客さまの目線など、目黒さんのお客さまファーストな考え方がよくわかりますね。
話は変わりますが、お店へのコロナの影響があれば教えていただけますでしょうか?
お店のオープンがコロナ禍初期の2020年2月でしたので、開店当初からコロナとの付き合いでここまで来ました。
当初はお店を休むこともありましたが、一般的に在宅ワークが増えて健康を気にする方や発酵食品が大きく取り上げられていたこともあり、ありがたいことに多くのお客さまに訪れていただけました。
レトルトカレーのクラウドファンディングなどもおこない、反響をいただけました。これもコロナ禍でなければやらなかったことだと思います。
飯能市の発酵食品のテーマパーク(OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~ Our Home Hanno)や通信販売(Creema)、店舗(イトーヨーカ堂綱島店内eeets hall、お酒のアトリエ吉祥新吉田本店)でも購入可能です。
レトルトカレーは黒と白のパッケージで2種類用意しています。
黒がオーソドックスなチキンカレー(骨付き肉!)、白はお店でも根強い人気のラムカレーになっています。レトルトでも粉や油を使わずに材料を使い切ることは共通したコンセプトにしています。
ご自身でお好きな野菜を追加していただいても美味しいですし、お酒のつまみにされている方もいるんですよ。
サステナブルへの取組み:SDGsへの意識
ラムカレーが気になるので、食べてみたいです!
身体や環境への配慮など、サステナブルな取組みに関するお話が出てきていますが、SDGsを意識されたきっかけを教えてください。
ここ最近、“SDGs”という言葉が目につくようなったことがきっかけです。東急東横線にはSDGsトレインも走っていたりして、身近に感じるようになりました。その中で、何か自分でも発信できることがないかと考えました。
当店では、毎月17日を「SDGsの日」としています。17日にした理由は、SDGsの目標が17個あるからです。
この日は、食品ロスを意識して家庭でもできるような取組みを発信しています。この発信を通して、お客さまにちょっとでもSDGsを思い出していただければいいなと思っています。
まず食に関連して意識している目標は、「2:飢餓をゼロに」「12:つくる責任、使う責任」です。最初にもお話した、普段は捨ててしまう野菜の芯や種を使った取組みもこの2つに関連しています。
その他にも、レトルトカレーの箱詰め作業は、SDGsを意識された福祉の方の工場にお願いしたり、「6:安全な水とトイレを世界中に」を意識して水洗トイレを改良したりしました。
目指す目標が1個だけだともったいないと考えています。小さな1歩ではありますが、できる限りのことはやっていきたいと思います。今後は、再生可能エネルギーも取り入れられないかと考えています。
食材関係だけではなく、できることはやるという考え、とても素晴らしいと思います。SDGsの2030年目標の他にも、2050年までの脱炭素(カーボンニュートラル)ですが、それに向けた考えや取組み、取り組むにあたっての課題などはありますか?
テイクアウト時にお渡しする容器がプラスチック容器(材料が石油)なので、これを切り替えたいと考えています。
しかし、紙の容器だと保温性の問題があるため、中々取り組むのが難しいのが現状です。温かいものを召し上がっていただくためにもレトルトカレーを作りましたが、パウチなどを使用しているため、まだ改善しなければならないこともあると考えています。
再生可能エネルギー(再エネ)への期待
最後に当社の太陽光発電事業と関連してですが、太陽光や蓄電池といった再エネ関連の商材やRE100、SDGsなどの世間で謳われている再エネ関連のニュースなどへの関心はありますか?
もちろんあります。
ただ、蓄電池を導入するとなれば、初期費用もそれなりにかかってきてしまいます。例えば、蓄電池が最初から備え付けられたビルなどが増えるといいなと思っています。
または、ビルの電気が最初から再生可能エネルギー由来などであれば、テナントもすぐに再エネであることが謳えたりと、再エネ関係のアピールもできるようになるので嬉しいです。
私も少しずつSDGsなどの発信をおこなっていますが、それで消費者も少しずつ意識が変わっていけばいいなと思います。
お忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございました!
自身でできることに取り組むだけでなく、情報の発信もしているというお手本のようなお店でした。私もまずは、自分でできることに1つずつ取り組んでいきたいと思います。
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私も自宅でレトルトのラムカレーをいただきました。目黒様のおっしゃっていた通り、辛さはないのですが、身体が内側から温まるようなカレーでした。ラム肉も柔らかくとろとろで幅広い方に美味しくいただけるカレーだなと思います。
「発酵スープカレー ミコヤ」さまは、SDGsの取組みに真摯に向き合い、発信されている身体にも地球にも優しい「発酵スープカレー」のお店でした。皆さまもぜひ訪れて、優しいカレーを味わってみてください!
〈発酵スープカレー ミコヤ様〉
ホームページ:https://mikoya-soupcurry.jp/
アクセス:東急東横線綱島駅から徒歩2分
OPEN:11:00から15:00(日祝祭日はお休み)