【SAVE&EAT】ヴィーガンレストラン 2bananeira.様(22年1月27日取材)
参加者
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加藤 美緒 様2bananeira. オーナー
横浜市青葉区でヴィーガンレストランを経営。
今回は、お店立ち上げの経緯からお料理のこだわり、お店で実践されているSDGs/サステナブルな取組みなどさまざまなお話を伺いました。 -
ポーラさんインタビュアー
食べることと音楽が好き。
突然ですが皆さま、ちゃんと野菜は食べていますでしょうか?
私は正直怪しいところです。どうしても意識しないと食べないと言うか、タンパク質のほうが好きなもので…。
最近だと、食事を一部冷凍宅配弁当に替えたので前よりは食べているかもしれません。
しかし、そんな野菜に多くのパワーが秘められ、美容・健康にいい効果をもたらすとしたらどうでしょうか。これはもう積極的に食べるしかありません。
ということで、今回は神奈川県内のサステナブルに取り組むお店へのインタビュー第5弾!
横浜市青葉区のヴィーガンレストラン「2bananeira.」さまにお話を伺いました!
ちなみに第4弾の「QuattroPanchine」さまの近くなので、「2bananeira.」さまで食事をした後のデザートにジェラートも良いかもしれませんね!
「2bananeira.」の特徴と立ち上げの経緯
この度はお忙しい中、インタビューのご承諾をいただき誠にありがとうございます。
最初にお店のコンセプト、特徴などを簡単にご紹介いただけますでしょうか?
当店は無農薬、無化学肥料の野菜をメインにしたヴィーガン(動物性の食材を使用しない)のお店です。
お菓子も、動物性原料はもちろん、白砂糖や小麦粉を使わずにつくっており、病気にならない食生活のきっかけになるようなお店を目指しています。
(動物性原料、白砂糖や小麦粉不使用の焼き菓子!とても美味しそうです。)
お店を立ち上げた経緯などのお話をお聞かせいただけますか?
もともと私は、オーガニック食材をメインに扱う商社に努めており、その中で食の大切さを感じるようになりました。
ある時、秦野にある農家さんの野菜をいただいた時に、とても美味しくて、身体にもエネルギーの高さを感じました。
この感覚をもっといろんな方に感じていただきたいと思ったことがきっかけとなり、それまで努めていた会社を辞め、あざみ野で2軒のオーガニック・ヴィーガンカフェの店長として、カフェ業界に入りました。
最初はあざみ野からだったのですね。その後、2bananeira. をオープンされたのはいつ頃でしょうか?
このお店は、もうすぐ5年になります
あざみ野の2軒目のお店を立ち上げた頃、イタリアンで修行した中西さんと出会いました。その中西さんに、今はシェフをお願いしています。
「2bananeira.」店名の由来と想い
「2bananeira.(ドイスバナネイラ)」という店名の由来について教えていただけますでしょうか?
「bananeira(バナネイラ)」は、ポルトガル語でバナナの木を意味します。
バナナは種がなくても増える植物で、人類の農業のスタートともわれています。バナナが「種がなくても増える」ように、食の大切さが広まって欲しいという思いを込めています。
また、ブラジルの「カポエイラ」という武術に「バナネイラ」という技があります。
これは逆立ちを意味するのですが、お店の立ち上げ時に「ヴィーガン飲食店は一般的な飲食店より大変だから止めたほうがいい」と周りにたくさん言われたとき「”逆立ちしてもできない”っていうことわざがあるなら、まずは逆立ちをしてみよう」といった意味も込められています。
「2」は、「ひ・ふ・み・・・」と数える時に「ふ」であり、「増える・増長する」を意味するので、ポルトガル語に直して「ドイス」と読ませています。
ラーメン屋さんや焼き肉屋さんと同じくらい、ヴィーガンのお店が増えてきたらいいなと思っています。
食材へのこだわりと「露地野菜」の魅力
材料の仕入れに関しては、どのようなこだわりがありますか?
秦野と十日市場の農家さんから農薬・化学肥料不使用栽培の野菜を仕入れています。
地産地消というのもありますが、味が濃くて、少量食べただけでも元気になれる野菜を栽培されているのでとても信頼しています。栄養素がたくさん詰まっているのだと思います。
(人気のデザートメニュー「ミルクレープ」。こちらも動物性の食材不使用です!)
HPを拝見したところ、「露地野菜」を使用しているとありましたが、これはどのようなものでしょうか?
「露地野菜」とは、ハウスなどではなく外で栽培された野菜のことです。
温度調節などをしないので、環境に余計な負荷はかけず、季節に合わせて栽培されます。例えば、きゅうりが1年中売られているのはハウス栽培をおこなっているからですね。
しかし、野菜にはそれぞれ栄養価が高くなっていて、たくさん採れる時期があります。きゅうりで言うと、旬の夏は身体を冷やすので効果がありますが、冬はより体を冷やすのでその効果を発揮できません。
ですので、野菜の季節に合わせて、エネルギーたっぷりの露地野菜でメニューを提供しています。
身体にも環境にもよくて、しかも美味しいなんてメリットしかないですね!
(変わった形の「鶴首かぼちゃ」。露地野菜を扱っているからこそ食べられます。)
そのほかにも、例えばスーパーなどに出るものは、サイズや規格が決まっているので流通にのりにくいです。
しかし、規格を設けず露地野菜を仕入れているので、不揃いのものや珍しい野菜を仕入れることができたりもします。
ヴィーガン料理で得られるカラダに嬉しいメリット
植物性のお料理によって身体にどのようなメリットがあるか、お聞かせいただけますでしょうか?
身体のことでいうと、人は食べたものを消化する際に多くのエネルギー(酵素)を使います。
例えば、そこで新陳代謝がしっかりできていれば、お肌のシミが消えたりするのに、消化にエネルギーを使ってしまって、正しく使われないと老化が進んだりということがあると思います。
会社の時は外食していたのですが、食生活を変えてから実際にシミが消えました。
すごいですね。野菜しっかり食べよう…。
バナネイラにくるお客さまで”完全ヴィーガン”の方は、おそらく1割くらいだと思います。
世の中全体としての数字と比べるとかなり多いと思いますが、フラットに「なんとなく焼き肉の次の日に来たくなる」「野菜ってこんなにおいしいんだ」というところから、食について考えるきっかけになるようなお店で在れたらいいと思っています。
また、普段お肉を食べている人でも、美味しく食べられるメニューを提供することを意識しています。
ヴィーガンの方が外食をされる時に、相手に気を使うことを考えなくてもいいよう、みんなが美味しく食べられる空間であることを目指しています。
「2bananeira.」オーナーおすすめメニューとは?
それでは、お店のおすすめメニューを教えてください!
ランチメニューの「バナネイランチ」は露地野菜を使用した日替わりメニューです。露地野菜を沢山使用しているので、始めてご来店された方にはこのメニューをおすすめします!
また、最近では大豆グルテンをお肉にしたハンバーグを5段重ねた「ベジバーグタワー」も人気です。乾燥した大豆のグルテンを、必要量だけ水で戻して使えるので、サステナナブルな面でもいい影響があります。
そのほか、カレーや大豆グルテンによるベジザンギも人気ですし、ひよこ豆粉と雑穀粉で作った生地に、ココナッツオイルと豆乳で作ったクリームを何層も重ねた、ミルクレープもご用意しています!
(インパクト大!ベジバーグタワー)
ベジバーグタワーの見た目の迫力がすごいですね…個人的にはベジザンギも気になります!
コロナ禍の影響とお店で取り組んでいるサステナブル
コロナ禍でお店に何か影響があったことがあれば、教えていただけますでしょうか?
コロナの影響で大人数での予約は少なくなりました。ただ、免疫力を意識される方が増えてきたのか、逆にコアな人がお店を見つけてくれるようにもなりました。
また、お弁当によるテイクアウトも増えました。ただその分、使い捨ての容器が必要になり、ゴミが増えてきてしまっていることが気になります。
その容器について、お店で取り組まれていることはありますか?
テイクアウトの容器にデボジットを導入しています。
これは、陶器の容器に盛り付け、そのままお渡しします。デポジットに1,000円を上乗せし、容器を返していただければ返金しています。
お客さまによっては、次回テイクアウト時に容器に持ってくるという方もいらっしゃいます。
なるほど、これはSDGsや脱炭素の取り組みになっていると思います。陶器の容器もおしゃれですね!
SDGsやサステナブルを意識されたきっかけはありますか?
サステナブルのためには、野菜をつくる農的な人たちが増えないと循環しないと考えています。野菜を多くの人に食べてもらって、野菜を作ってくれる人が継続しやすくなる必要があります。
都会に住んでいるとどうしても消費が多くなってしまうので、生産についても力を入れていかなければならないと思ったのできっかけです。
SDGs目標12の「つくる責任つかう責任」ですね。
実際にSDGsやサステナブルに関連して、これから取り組みたいことがあれば教えてください。
伊豆に裏山つきの古民家を購入し、改装して農的暮らしができるゲストハウスをつくっています。
環境が豊かな場所なので、「自給自足で生きてゆく」ということが非常にイメージしやすいです。
「いつか移住して農的暮らしがしたい」と漠然と考えている人たちと、森の環境改善や、棚田の再興、パーマカルチャー的環境を通して、具体的に「循環していけるデザイン」を考えられるような、そんな掛橋になりたいと思っています。
ロシアはこのダーチャ制度により、食糧難を乗り越えられました。耕作放棄地の多い日本でも、同じようなことができればと思います。
太陽光発電やSDGsへの関心と考え
太陽光や蓄電池といった再エネ関連の商材や、RE100やSDGsといった世間で謳われている再エネ関連のニュースなどへの関心はありますか?
太陽光はいずれ、伊豆のゲストハウスでやってみようと考えています。農作物に加えてエネルギーも自給自足できるようになればと思います。
あとがき
お忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございました!
平日は都会で、休日は自給自足という生活サイクルにとても憧れます。野菜を作る人がいるから、今の食生活が成り立っているんだなと改めて感じました。
サステナブルであるためには、環境への配慮と自給自足が欠かせないということを再度認識しました。皆さまもぜひ、身体と環境に優しいお料理を召し上がってみませんか?
ヴィーガンレストラン「2bananeira.」
住所:横浜市青葉区柿の木台3-20
HP:https://2bananeira.com/
☞2bananeira.の近くに手作りジェラート屋さんも!
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