失敗しない太陽光発電3つのポイント「業者を呼ぶ前に!失敗しない簡単事前チェック」【前編】

話題のゼロカーボン!でもなぜ太陽光発電を買って失敗するのか?

太陽光発電は、「クリーンなエネルギーを発電させる」「温暖化対策の切り札」「国策で推し進められている」など、日本のみならず世界が注目している発電装置となります。

ところが、製品のクリーンなイメージと裏腹に、多くの問題点が指摘されています。
例えば「パネルが風で飛ばされた」「工事後、雨漏りがし始めた」などの工事の問題。

「営業マンが言っていた発電量に全く届かない」「モニターになると安くなると書いていたので応募したら、他社の見積りより100万円も高かった」などの業者の売り方の問題。
これらに関する太陽光発電の苦情や事故が、実際に起きているのです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
実は、これらの問題は消費者が「太陽光発電システムの正しい情報を知らない」ことによって起きた問題だともいえます。
確かに、今はインターネットを始め、様々な媒体から情報が手に入ります。
メーカーの情報や商品の情報、太陽光発電の仕組み・・・
しかし、これらの情報は『売り手側』の情報がほとんどで、『買い手側』に立った情報、つまり消費者の立場からの情報、あるいは消費者に有益となる情報が非常に少ないのです。

そこで、今回から数度にわけて、失敗しない太陽光発電の事前チェック方法を皆さんにお伝えしたいと思います。
今回のポイントは「失敗するかしないかは、『事前チェック』で決まる!」ということで、まず、「本当に太陽光発電を設置して良いか」を皆さんでも判断できる、チェックポイントを紹介します。

しかしその前に!!いきなりですが・・・伝えておきたいことがあります。
実は、太陽光発電は全ての方にオススメできる商品ではありません。
えっと思われるかもしれませんね。しかしそういう商品なのです。
なぜなら、家の様々な条件によっては発電効率が極端に落ちてしまう、あるいは、設置後に発電しなくなってしまう危険性まであるからです。
ですので、「我が家に設置しても本当に大丈夫なのか?」ということを事前に確認しておく必要があるのです。

今回の「事前チェック編」の内容は大きく分けて2つあります。
・我が家の条件パート
・周辺環境の条件パート
に分かれます。今回は前編として我が家の条件パートについて書かせていただきます。

それでは本題です、皆さんが失敗しない為の「自分で出来る設置前のチェック法」を是非実践してみてください。

太陽光発電は施工前、我が家の事前チェックで決まる!屋根を見よう!

【我が家の条件パート】

① 家の方位と傾斜角度で気をつける!

太陽光発電システムの設置にあたり、家の向き=屋根の方位を必す確認しなければなりません。

 

結論を先に言

いますと、方位は「北向きに近づけば近づくほど、効率が悪くなる」ということです。方位については、ほとんどのメーカーが、北向きの設置は推奨していません。

これは発電効率(どれだけ発電するか)において、南向きを100%とすると、北向きでは63%程度に落ちてしまうからです。

もし、皆さんの家で北向きしか日が当らないのでしたら、正直なところ、設置はオススメしません。

では、屋根の傾斜角度はどうでしょう?
傾斜角度については、一般的には『30度』が理想とされています。(あくまでも平均)

ところが、地域別の『年間最適傾斜角』というものがあり、最適な傾斜角度はその地域によって微妙に変わります。
具体的にいうと下記の表の様に、北に行けば行くほど、最適な傾斜角度は上がっていく傾向にあります。

では、傾斜角度が違うと、一体どれくらい違うのか?といいますと、

真南の場合(東京で真南30度を100%とする)
「10度」・・94.9%、「20度」・・98.4%、「30度」・・100%、「40度」・・99.5%、「50度」・・98.7%

と下図の表の様になっており、最適とした角度から10度上がっても、僅か0.5%の違いです。

また20度角度が上がっても1.3%の違いにしか過ぎません。(参考:JPEA)

現状からすると、単純には言えませんが、傾斜角度の発電効率は方位ほどの影響は受けないので、垂直に近いような極端な傾斜ではない限り、過剰な心配は要らないと思われます。

いろいろと書きましたが、南向きで傾斜が30度という家は、滅多にお目にかかれません。正直ところ、ベストではなくベターで良いのです。結局は、トータル的な発電量の方が重要ですから。
ただし、北面の設置をオススメするような販売店にはご注意ください。
皆さんの家はどちらの方位が、一番日当たりが良いですか?

太陽光発電、我が家は何kW載る?施工(工事)はどうなる?

② 私の家は何kW載るの?

家は一軒一軒、屋根の形状・材質などが違います。「太陽光発電はオーダーメイド」と言われる所以はここにあります。
まず「我が家には何kWのシステムが載るのか?」というところから説明いたします。

一般的に(メーカーによって違いはありますが)、1kWの太陽電池を載せるのに必要なスペースは約10平米といわれます。つまり、皆さんが4kWのシステムを載せたい場合は、約40平米のスペースが必要となります。

ここで注意しなければならないのは、「屋根の端から端まで、いっぱいに太陽電池を載せる事はできない」あるいは、「はみ出して載せる事はできない」ということなのです。

各メーカーとも基準はバラバラですが、ザックリといいますと、屋根に太陽電池を載せた後、屋根端部領域(設置不可範囲)は30センチ~50センチ程度、あるいは、屋根縦幅の10~6分の1程度必要になります。

もし、屋根いっぱいに載せてしまうと作業用のスペースや、設置後のメンテナンス用のスペースが全く無くなりますし、強い雨天時には、雨が太陽光パネルの上を伝うため、雨どいを飛び越え、地面に直接落ちてしまうこともあります。
そうすると、家が汚れるだけでなく長期に渡れば家のダメージにもなります。
さらに耐風圧など、屋根の強度に関する理由(パネルが飛ばされる)からも、このようにしているのです。
これらのことを考えると、太陽光発電は思ったよりスペースが必要であることが分かります。
皆さんも、家の図面を見れば大よその見当は付きますので、我が家の図面を引っ張り出して確認してみてはいかがでしょうか。

③ 屋根材次第でここが変わる!

次に屋根材ですが、これも非常にたくさんの種類がありますので、代表的なパターンで見ていきましょう。
基本的に屋根材の違いで、一体何が変わるのか?というと・・・
『工事コストが変わる』のです。簡単にいえば、システムの値段が変わるということです。

ちょっと、順を追って説明しますね。
屋根材の代表的なものでいいますと、寄棟(よせむね)に多い『スレート』(スレート平板瓦のこと、カラーベスト・コロニアルも同じ)の屋根、切妻(きりつま)に多い『瓦』の屋根、屋上が『コンクリート』で平面になっている陸屋根があります。
これらは、それぞれの工法が全く違いますし、工事に掛かる時間も違います。

工事の違い
□陸屋根・・・ほとんどがコンクリートの基礎土台の設置から始まる上に、防水も極めて難しい。時間も掛かり、技術も高いものが要求される。
□瓦屋根・・・瓦をめくって、下地の補強が必要。瓦の種類によって設置する金具も替わり、その部材の値段も高い。
□カラーベストの屋根・・・屋根材をめくる必要がなく、ビス(ネジ)を直接打てるので工事的には簡単だが、実はカラーベスト屋根は工事後の雨漏りが非常に多い。

一般的に工事の難易度が高く、時間が掛かるのは、陸屋根→瓦の屋根→カラーベストの屋根となります。これらはコストに跳ね返りますので、工事金額が安いのは、一般的にカラーベストの屋根→瓦の屋根→陸屋根の順番になります。

また詳細は紹介しますが、工事は非常に大事です。見積りでこの金額を極端に削っている販売店は、正直なところ信頼できません。
「安かろう悪かろう」で工事の質が悪いと、設置後に『雨漏り』などの原因となりますし、太陽光発電システムも、家屋も長持ちしません。
安いに越したことはありませんが、工事にはコストが掛かり、そこには技術料も含まれているということを、消費者としては頭に入れておかなければなりません。

皆さん如何でしたか、まだ太陽光発電が載っていないのであれば、是非チェックしてみてください。

次回は、「失敗しない太陽光発電 あなたにもできる【事前チェック編】周辺条件パート」となります。お楽しみに!!

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