太陽光発電の発電効率と変換効率とは?効率を向上させる方法
ご存じでしょうか?太陽光発電システムの効率を最大限に引き出すためには、発電効率と変換効率への理解が欠かせません。
発電効率とは、太陽光エネルギーから電力に変換される割合(%)を言います。また、変換効率とは、太陽光パネルが電気エネルギーをどのくらい有効に変換できるかの割合(%)を言います。
今回は、これらの効率の基本概念から効率向上の方法までを詳しく解説します。ぜひご覧ください。
太陽光発電の変換効率と発電効率
上述の通り、変換効率とは太陽光パネルが受けた太陽光エネルギーをどれだけ電力に変換できるかを示す割合です。
これは変換効率だけでなく、システム全体の設計や設置条件、運用方法なども影響を与える要因となります。具体的には、例えば影の影響や温度変化、パネルの角度などが該当します。
モジュール変換効率
モジュール変換効率とは、1㎡あたりの変換効率を表す指標です。ちなみに、「モジュール」と「(ソーラー)パネル」は同義で使われます。
一般的に、現在流通している太陽光パネルの変換効率は約15%~20%です。つまり、変換効率が20%のパネルは、受けた太陽光エネルギーの20%を電力に変換することができます。
セル変換効率
太陽電池モジュールを構成している最小単位の構成部品「セル」1枚あたりの変換効率を表す指標です。研究レベルでの性能評価に使われています。
セル変換効率は通常、モジュール変換効率よりも70%~80%のほど高い値となります。また、高ければ高いほど電気エネルギーを多く生み出せることになります。
太陽光発電の発電量の計算方法
太陽光発電の1日に発電できる量は、以下の計算式で求めることができます。
1日の発電量 (kWh)=日射量 (kWh/m²)× 損失係数×太陽光パネルの容量 (kW)
日射量
設置場所の日射量は地域や季節によって異なります。気象庁や各種シミュレーションツールで確認できます。
損失係数
一般的には0.75〜0.85が使用されます。これはパネルの変換効率やシステム全体の損失を考慮した値です。
太陽光パネルの容量
設置する太陽光パネルの公称最大出力です。例えば、5kWのシステムなら5kWとなります。
<例>
例えば、日射量が5kWh/m²、損失係数が0.8、太陽光パネルの容量が5kWの場合、1日の発電量は以下の通り算出することができます。
5 kWh/m²×0.8×5 kW=20 kWh
このようにして、太陽光発電の1日に発電できる量を計算することが可能です。
太陽光発電の発電効率が低下する原因
それでは、どうして太陽光発電の発電効率は低下してしまうことがあるのか?主な原因は以下の通りです。
①高温による影響
太陽光パネルは高温に弱く、気温が25℃を超えると1℃上昇するごとに発電効率が約0.4~0.5%低下します。そのため、実は真夏の時期よりも5月や秋頃など気温は涼しく、快晴の日が多い時期の方が発電量は多くなります。
②日射量不足
太陽光発電はその名の通り太陽の光エネルギーで発電するため、曇りや雨の日、朝夕のように太陽の位置が低いときは日射量が減少し、発電量も減少します。
③メンテナンス不足
長く設置しているとどうしても太陽光パネル表面には汚れが付着してしまいます。そうした汚れや内部にダメージがある場合、太陽光の吸収が阻害されて発電量が低下します。こうした発電効率を防ぐためにも、定期的なメンテナンスをおすすめします。
④経年劣化
太陽光発電設備は電気機器なので、経年劣化により少しずつ発電効率は低下します。平均的には年間約0.5%程度の発電効率低下があります。徐々に低下していくものということは念頭に置いておきましょう。
いかがでしょうか?これらの要因を考慮し、定期的なメンテナンスや適切な設置条件を整えることが重要です。
太陽光発電の発電効率を向上させる方法
最後に、太陽光発電の発電効率を向上させるための方法をご紹介します。導入前に検討しておきたい点と導入後に実践したい点をまとめてみました。
①位置と角度の最適化
導入前に、太陽光パネルの設置場所と角度を最適化することで、発電効率を最大化できます。現在は屋根形状が複雑な住宅でも発電効率を最大化できるシステムも展開されているため、一度断念したご家庭も再検討してみてもいいかもしれません。
また、住宅の屋根上だけでなく、自家用車用のカーポート上に設置することも可能です。最適な設置場所と設置方法についてはじっくり検討しましょう。
②定期的なクリーニングとメンテナンス
上述の通り、太陽光パネルを定期的にメンテナンスし、表面を清潔に保つことで発電効率を維持することができます。
また、太陽光パネル以外のパワーコンディショナーなどの周辺設備もしっかりメンテナンスすることをおすすめします。
③発電量のモニタリング
導入後は、実際の発電量をモニタリングすることで、発電効率の改善やメンテナンスの必要性を把握することができます。
また、日常生活の中で電気を多く消費する時間帯や無駄遣いしている部分なども分析することができるため、節電への意識につながります。
④蓄電池の利用
太陽光発電設備で発電した電気を電力会社に売るのではなく、ご自宅内で消費する方が電気代削減につながる場合もあります。
ただし、日中の発電量に対し消費量が少ない場合はもったいない状態になってしまいます。そのような生活リズムのご家庭では、家庭用の蓄電池を導入することをおすすめします。
消費し切れない電気を蓄電池にためておき、夜間や曇りの日に消費することで電気を無駄なく自家消費することが可能になります。
太陽光発電に関するご相談は当社へ
太陽光発電の発電効率と変換効率を理解し、効率を向上させる方法を実践することで、より効果的にクリーンエネルギーを利用することができます。
持続可能な未来のために、最新の技術と知識を活用して、太陽光発電の可能性を最大限に引き出しましょう。
太陽光発電の導入をご検討中の方は、ぜひ当社までご連絡お待ちしております。
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