【第6次エネルギー基本計画決定】2030年までに日本が導入しやすい再エネは?

環境

第6次エネルギー基本計画

2021年10月22日、日本のエネルギー政策である「エネルギー基本計画」の見直しが行われ、その内容が閣議決定されました。

・2030年度の再生可能エネルギーの割合を36% → 38%に引き上げ、再生可能エネルギーの主力電源化を促進させる
・原子力発電の割合は20% → 22%とし、安全性を踏まえ再稼働を実現させていく
・二酸化炭素を排出する火力発電は76% → 41%まで減らしていく
(出典:経済産業省「第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました」)

今後、再生可能エネルギーの主力電源化を進め、このエネルギーと原子力で日本の電力の60%を捻出し、脱炭素化を実現させていくようです。

では、そもそも「再生可能エネルギー」とはどのようなエネルギーで、なぜ主力電源化が進められているのでしょうか。

今回は再生可能エネルギーの概要と、再生可能エネルギーの中で日本が最も多く導入・普及している発電方法をご紹介していきます。

再生可能エネルギーとは何か?その種類は?

エネルギー源には、「化石燃料」と「非化石燃料」の2種類があります。再生可能エネルギーは、後者の非化石燃料の1つです。

エネルギー源の種類 概要
①化石燃料 ・動物や植物が長い年月をかけて変成されて作られた化石のうち、燃料として使われるもの

・燃焼させると、二酸化炭素が多く排出される

石油/石炭/天然ガスなど
②非化石燃料 ・化石燃料以外で、天然資源が燃料として使われるもの

・燃焼させても、二酸化炭素の排出量は少ない

再生可能エネルギー/原子力など

ただ、非化石燃料の全てが再生可能エネルギーではありません。

再生可能エネルギーは、非化石燃料の中でも「エネルギー源として長く使うことができる燃料」のことを指します。以下が再生可能エネルギーと呼ばれる燃料の種類です。

再生可能エネルギーの種類 エネルギー源となるもの
太陽光 太陽の光
風力 風の力
地熱 地下の熱
水力 河川の流水や農業用水、上下水道
バイオマス 家畜の排せつ物や稲わらなど
太陽熱 太陽の熱
雪氷熱 雪や氷が持つ熱
温度差熱 夏場と冬場の地下水や河川水、
下水などの水源が持つ熱
地中熱 浅い地盤にある低温の熱

現在の日本におけるエネルギー源は化石燃料が80%を占めており、そのほとんどが海外からの輸入に頼っています。2018年時点での日本のエネルギー自給率は11.8%で、OECD(経済協力開発機構)の加盟国38カ国中34番目の低さです。

エネルギー自給率

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)」)

化石燃料は、燃焼させると二酸化炭素を多く排出します。このため、今後も使い続けていると脱炭素化を遅らせることになります。

非化石燃料である再生可能エネルギーは、化石燃料と比べると発電コストがかかりますが、

・天然資源を活用して補充しながら長く使うことができるエネルギー源である
・二酸化炭素の排出量が少なく、脱炭素化を促進できる

といった特徴があるため、日本では再生可能エネルギーの導入と普及に力を入れているのです。

再生可能エネルギーの中で日本が最も多く導入・普及している発電方法は「太陽光発電」

再生可能エネルギーの中でも日本において最も多く導入され、普及が進められているのは「太陽光」です。太陽光発電の導入量は、2012年の固定価格買取制度(FIT制度)導入以来、2019年までに年間18%も伸びている状況です。

2021年4月22日、当時の首相であった菅総理が表明した「2013年度と比べて温室効果ガスを46%削減する」という目標が発表され、
この目標については現在の岸田総理にも引き継がれており、2021年11月2~3日に開催されたCOP26の首脳会合で国際的にも宣言されました。

2019年時点の日本における発電方法は、火力発電のメインとなる燃料「LNG(液化天然ガス)」が多く占めています。

石炭に比べLNGは温室効果ガスが削減できるため、LNGを利用している背景がありますが、LNGは海外からの輸入に頼り、価格が高騰することもあります。またLNGも化石燃料であるため、このまま利用し続けるにはリスクがあります。

日本の発電力の供給量割合

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021)」)

化石燃料であるLNGの使用量を減らし、2030年の目標達成のために再生可能エネルギーを増やしていくためには、太陽光発電が今のところもっとも有望と言えます。

理由は、太陽光発電は大規模な土地への設置や、住宅や工場といった建物の屋根への設置もできるため、着実に導入量が伸びており、導入のしやすさがあげられます。

再生可能エネルギーの中で風力発電の導入も急がれますが、風力発電の場合は、環境アセスメントに4年ほどかかるといわれ、2030年まであと9年足らずと考えると2030年までは太陽光発電がもっとも導入しやすい再生可能エネルギーと言えます。

再エネ導入量

(出典:2021年5月 新エネルギー新聞「太陽光発電の将来動向 脱炭素宣言46%削減を受けて」)

2030年度の再生可能エネルギー比率は、現行のエネルギーミックスの22~24%から改定エネルギーミックスでは、36%~38%に引き上げられ、太陽光発電は今後10年で2倍の103.5~117.6GWの導入が必要です。

2012年のFIT開始以降、太陽光の導入は、すでに56GW(2019年度)に達していますが、この10年でさらに60GWほどの太陽光発電を導入する必要があるということです。

ただ、FITが始まった当初のような大規模な太陽光発電の建設は、適した土地が減少していることから減っており、今後は都市部や屋根上の未利用地を利用した太陽光発電やIoT技術を駆使したアグリゲーションビジネスの展開が考えられます。

脱炭素に繋がる!太陽光発電を活用した自家消費の取組み事例

太陽光発電の導入と普及が進んでいることもあり、太陽光によって作られた電気を自社の設備で活用する「自家消費」を検討している方も多いかと思います。

自家消費型の太陽光発電設備を導入すれば、脱炭素化につながるのはもちろん、次のようなメリットも得ることができます。

・電気料金を減らせる
・万が一災害が起きても、一定の電力を供給できる(BCP対策につながる)

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今回は、再生可能エネルギーとは何か、その概要と再生可能エネルギーの中で日本が最も多く導入・普及している発電方法、そして自家消費型太陽光発電の事例をご紹介してきました。

太陽光発電は、日本におけるエネルギー源の自給と脱炭素社会の実現を促進させるために最も有効な発電方法の1つです。

当社では「自家消費型太陽光発電」の設計から施工までをおこなうサービスを展開しており、その導入によって成功を収めた事例が多くあります。
脱炭素経営にご興味のある方は、ぜひ一度お問い合せください。

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