【SAVE&EAT】ジェラート専門店 Quattro Panchine様(22年1月21日取材)
参加者
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磯部 浩昭 様Chef Gelatiere
横浜市青葉区の、ジェラート専門店の「Quattro Panchine」でChef Gelatiereをされています。今回は、色んなお話をお聞かせいただきました。
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ポーラさんインタビュアー
アイスクリームと音楽が好き。
突然ですが皆さま、ジェラートはお好きでしょうか?
私は大好きです。
暑い夏に楽しむのもよし、冬に暖かい部屋で食べるのもまた良いですね。
普段はコンビニやスーパーでアイスクリームを買う方も多いと思います。
それもありですが、せっかくなら手作りのジェラートを楽しんでみるというのはいかがでしょう?
ということで、今回は神奈川県内のサステナブルに取り組むお店へのインタビュー第4弾!
横浜市青葉区の、ジェラート専門店の「Quattro Panchine」さまにお話を伺いました。
「Quattro Panchine」立ち上げのきっかけとジェラートの特徴
この度はお忙しい中、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございます。
最初に、お店の特徴や立ち上げた経緯などを簡単にご紹介いただけますでしょうか?
もともと、イタリアから食に関する材料や機材などを輸入する会社で20年ほど働いていました。
その頃、会社の研修でイタリアへ行った際に、現地のジェラートに衝撃を受け、段々とジェラートの魅力に取りつかれました。
そして、自分がやりたいことを自由にできるお店を2017年に立ち上げました。
一般的には、アイスクリームを食べたいと思った時は、お店で売られている大量生産されたものを食べることが多いと思いますが、手作りのジェラートの美味しさを知ってほしいという思いがあります。
私も基本的にはコンビニなどで買ってくることが多いです。
スーパーやコンビニでは、「ジェラート」はなかなか売っていませんが、ジェラートとアイスクリームの違いを簡単にお聞かせいただけますか?
成分的な違いでは、乳脂肪分が大きな違いです。
ジェラートの乳脂肪分は、市販されているアイスクリームの2分1から3分1くらいなので、カロリーが低くヘルシーなのが特徴ですね。
美味しくてヘルシーなので、女性にもおすすめできますね!
発祥についても、ジェラートとアイスクリームでは違うのでしょうか?
ジェラートの発祥は、もともとイタリアになります。それがアメリカなどに伝播して形を変え、アイスクリームとして普及していったという経緯があります。
日本で有名なアイスクリームはアメリカから入ってきたもので、工場などによって大量生産されたものが多いです。
今では、イタリアでも工場で大量生産されたものや出来合いの材料を使って簡単に作られたものと、私たちがやっている手作りのものが、“ジェラート”という括りで一色単にされてしまっています。
なので、大量生産されたものを“アイスクリーム(またはその他の名称)”、手造りされたものを“ジェラート”とする動きもあります。
イチから手作りされたジェラートは、美味しさが一層違うのではないかと思います。
アイスクリームやジェラートは基本的に冷凍しているので、賞味期限の表示義務はありません。
しかし、ジェラートはフルーツなどの生の食材から手作りで作っているので、鮮度が大事になります。
どちらかというと生鮮食料品に近く、素材の香りや風味も時間とともに失われていくので、早めに召し上がっていただきたいと思います。
ジェラートへのこだわり:地産地消と自然由来の環境にも体にもやさしい食材を
鮮度のお話がありましたが、仕入れる材料へのこだわりはありますでしょうか?
オープンしてから気づいたのですが、お店の周りに農家さんが結構あるなと感じました。
もちろん、地方から材料を仕入れることもできるのですが、地元で美味しい作物をこだわってつくっているのであれば、地産地消や流通コストも意識して、地元で手に入るものは地元で仕入れようと考えています。
例えば、今だといちごが旬ですが、市場に流通するものは形が崩れないように早摘みされています。しかし、当店では地元の農家さんから直接仕入れており、完熟の状態で手元に届くので、味や香りが抜群です。
熟度と鮮度が両立されているジェラートは、とても美味しいです。
お店は「横浜地産地消サポート店」にも登録されていますね。
お店に来る途中にも八百屋さんをいくつか見かけました。
もうひとつ、地元のものを意識して使うようになったきっかけとして、近くの農家さんから「これでジェラートを作って欲しい」という要望があったことも大きいです。
その他にも近くで手に入らないものもありますが、農薬や肥料を使っていない自然環境で育ったものや、生産者の思いがこもったものを使用しています。
もう一点ジェラートへのこだわりについてお伺いしたいのですが、HPに記載されていた「ビオジェラート」とはどのようなものでしょうか?
ジェラートの組成における乳化剤などの添加物を使わずに作ったジェラートを「ビオジェラート」と呼んでいます。
一般的なアイスには増粘多糖類という添加物が入っているのですが、私のお店ではそれは使わずに、自然由来の物のみを使用してつくっています。
例えば、日本人の身体に自然に馴染むように、昔から馴染みのある米粉やこんにゃく粉を使用しています。
体にもやさしいジェラート!おすすめフレーバーは?
身体への優しさも考慮されているのですね。
後ほどいただいて帰りたいのですが、お店のおすすめのメニューを教えてください!
横浜市都筑区の養鶏場の卵をふんだんに使用した「クレマバニラ」、都筑区の農場で取れた「いちご」を使用したジェラートですね。
味、香りが抜群なのでぜひ召し上がっていただきたいです!
店名「Quattro Panchine」の由来とは?
もう少しお店についてお伺いしたいのですが、「Quattropanchine」という店名の由来について教えていただけますでしょうか?
店名は、直訳すると「4つのベンチ」になります。
今のお店をやっている代表がイタリアに住んでいた頃、友達と待ち合わせする場所に4つのベンチがあったため、そこから取っています。
家族や友人が集ったりする場所になると良いなと思います。
(店名の由来にもなっているベンチがお店の前に設置されています!)
今はコロナ禍で難しいですが、多くの人が集まる場になるといいですね!
そのコロナの影響があれば教えていただけますでしょうか?
有り難いことに、都内などへの外出が減ってことで、「地元でなにか楽しみたい」という方が多くなってきたのか、ご来店いただけるお客さまは増えています。
テイクアウト時には、まとめて買っていかれる方や、オンラインでの販売も増えてきています。
また、コロナ禍で店舗の空きが出たこともあり、たまプラーザにもお店の出店もおこないましたので、合わせて周辺地域の方に認知していただけたのではないかと思います。
おうち時間にご家族や友人と楽しんでいただけているのですね。
こんなに良いお店が近くにあれば、私も頻繁に訪れていると思います。
SDGs目標への取組み:できることから環境負荷を減らしていく
では、SDGsや脱炭素を意識されたきっかけや実際に取り組まれていること、また、これから取り組みたいことがあれば教えてください。
意識するというよりは、普段の運営や生活からできることをやっていくという形で取り組んでいます。
地産地消を意識しているので、流通の燃料コストが減るということもあり、環境への負荷は軽減できていると思います。
その他にもコーヒーの提供もおこなっているのですが、コーヒーカップは昨年、再生できるものに変えました。コストは若干高くなりましたが、やっておいて損はないと考えています。
また、どうしてもゴミが多く出てしまうので、今後は使い捨てのスプーンをプラスチックから木のスプーンに変更できないかということも考えています。
できるところから、当たり前のことを当たり前にやっていければと思います。
当たり前のことを当たり前にできることが一番素晴らしいと思います。
そうですね。
あとは、大量生産・大量消費という時代の中で、お店でできることも限られてきます。例えば、包装資材においても、末端のお店が意見を言っても通りにくいということもあります。
社会全体がSDGsなどの目標への意識を持つようになって、もっと環境に配慮した製品などの選択肢が広がっていけばいいなと思います。
環境意識:再生可能エネルギーへの関心
最後に、当社が太陽光の会社ということもありお伺いします。
太陽光や蓄電池といった再エネ関連の商材、またはRE100やSDGsなど、世間で謳われている再エネ関連のニュースへの関心はありますか?
私自身、福島出身ということもあり、関心はあります。原子力発電所の事故があって、かなり影響を受けました。
今後、原発に代わるものが太陽光などになってくるという認識はもちろんありますが、何がベストなのかは私の中ではまだ判断がついていません。
ただ、可能な限り環境に負荷がかからないものであればいいなと考えています。
あとがき
磯部さま、お忙しいところお時間をいただき、誠にありがとうございました!
お店の中でできることは無理なく取り入れて、環境にも地域にも貢献していく。当たり前のことを当たり前に実践されている、素晴らしいお店でした。
今回、実際にお店でジェラートをいただきました。フレーバーは、おすすめの「クレマバニラ」「いちご」に加えて、「ピスタチオ」をチョイスしました。
まず、香りが違います!鮮度の高い素材をお店ですぐに加工されているので、素材の良さが感じられます。また食べたいです!
最近は季節のフレーバーとして、地元福島の農家さんから「あんぽ柿」という干し柿を仕入れられたそうです。仕入れた食材は放射線検査がおこなわれ、安全性が認められたものにはQRコードがつけられ出荷されているとのことで、安全面についてもきちんと保証されています。
リコッタベースのジェラートにあんぽ柿とクルミが入った、この時期ならではのフレーバーも美味しそうです!気になった方はお店のFacebookもチェックしてみてください。
皆さまもぜひ食べてみてくださいね。
ジェラート専門店の「Quattro Panchine」
住所:神奈川県横浜市青葉区柿の木台13−3
Facebook:https://www.facebook.com/quattropanchine
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