[COP27の結果まとめ]開催地エジプトでの成果とは?

環境

COP27

今年も2022年11月6日から18日までの約2週間で、国連による気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開催されました。

昨年2021年にイギリスのグラスゴーで開催されたCOP26では、「1.5度目標の達成に向けた野心の向上」と「パリ協定のルールブック完成」が大きな成果として取り上げられました。

そのため、今回のCOP27では1.5度目標に対しさらなる目標の強化や、進捗をどう評価していくかなど具体的な評価基準について議論されるかと思われましたが、議会は思わぬ方向に着地しました。

詳しくは、ぜひご覧ください。

☞そもそも「COP」とは?COP26の成果など詳しくはこちら

[COP26の結果まとめ]わかりやすく解説!COPとは何か?今回の成果など

COP27の開催地はエジプト「アフリカンCOP」とも

COP27_エジプト

今回COPの開催地となったのは、エジプトのシャルムエルシェイクでした。

エジプトを含むアフリカ諸国など、気候変動や地球温暖化による壊滅的な被害を受けている当該国での開催ということもあり、COP27は別名「アフリカンCOP」とも呼ばれました。

事実、アフリカ諸国では、すでにGDPの5~15%が毎年失われていると見られています。また、こうした途上国では特に、自然災害による人々の生活や産業への悪影響が年々深刻化しており、人名にも影響が出てきている状況にあります。

議長国となったエジプトは、こうした途上国の「損失と損害(ロス&ダメージ)」を巡る議論の進展に強い意欲を示し、COP27では主要テーマとして取り上げられました。

成果①「損失と損害」基金の設立が決定

COP27_干ばつ

まず、ロスダメとも略される「損失と損害」とは何か?

気候変動による以下2点のこと。
・短期損失(ロス)
・中長期的被害(ダメージ)

また、これらは先進国と比べ、温室効果ガスの排出量が少ないにも関わらず、地球温暖化の悪影響を最も受けている途上国の“損失”と“損害”が特に大きいことを前提としています。
今回のCOP27では、この問題に対する途上国側の強い姿勢もあり、当初は議題に入っていませんでしたが、結果的に「損失と損害」に対する支援策は主要議題へとなりました。

そうして最終的には、こうした社会基盤が脆弱な国々にのしかかる財政負担に対し、先進国は新たな資金支援として「損失と損害」に特化した基金の設置に合意しました。これは歴史的進展と言えるでしょう。

ただし、設立は合意に至りましたが、その後の話合いは平行線を辿りました。先進国側は現状の分析や既存の資金源に対し議論をおこないたい一方で、途上国側は分析や議論は十分されているとし、基金設置と運用を急ぎたいという対立構造となりました。

そのため、次回のCOP28での設立と具体的な内容を決めていく運びとなるでしょう。

また同時に、本件の委員会も立ち上がったわけですが、この委員会のメンバー構成が1つポイントとなります。先進国から10人、途上国から14人を指名する計24人での構成となります。
つまり、本委員会は途上国が主導となり進められることとなると考えられます。途上国側がうまく舵を取っていくことができるかどうかが肝となりそうですね。

成果②1.5℃目標の達成に向けた対応強化

冒頭でも少し触れたように、COP26では“世界の気温上昇を産業革命前と比較し1.5℃に抑える”という目標を達成するためには、現状の各国の目標では足りないことが報告されました。そのため、1.5℃に抑えるという目標を達成できるよう、各国には当時掲げていた2030年目標をより強化することが求められました。

COP27_気象庁「世界の平均気温」

(気象庁HP「世界の年平均気温偏差」)

そして今回のCOP27。UNEPの発表では、COP26以降約30カ国が引き上げた目標計画で計算しても世界の気温は2.4~2.6℃上昇するとされ、未だ1.5℃には届かないということが明らかとなりました。

そこでCOP27では、途上国・新興国の目標引き上げや世界全体での化石燃料削減への合意などがもう1つの大きな議題となったのです。

特に、「化石燃料の段階的廃止」についてはさまざまな国が強く推しており、最後にはアメリカも支持していました。しかしながら、議長国含めそのほかの国々からの支持は得られず、結果的に合意が得られることはありませんでした。

また、COP27では1.5℃目標に足りない事態の改善のため、「緩和作業計画」というものが策定されました。これは、削減量が少ない国などと国際的に検討をおこなう話し合いの過程を設けることを目的としていましたが、こちらも思った形では作られませんでした。

各国の意見の対立もあり、結果として緩和作業計画は「新しい目標やゴールを課すものではない」という限定的な文言が入りました。そのため、この緩和作業計画で対話がおこなわれても、そこから取り組みや対策強化・改善を促すことはできず、得られる成果は制限されると考えられます。

COP27のカバー決定した内容まとめ

「カバー決定」とは?
議題全体に関わる重要な決定事項は、表紙になるような決定内容という意味で「カバー決定」と呼ばれます。また、気候変動問題に対し国際社会の取り組みの方向性を全締約国の総意として示すものとなります。

【COP27でカバー決定したこと】
・1.5℃目標の追求を決意
・2023年末までに2030年目標の再検討・強化
・対策が講じられていない石炭火力の段階的削減
・非効率的な化石燃料補助金の段階的廃止
・公平な移行に関する作業計画の発足
・2030年までに非CO2温室効果ガス削減検討の奨励
・食料安全保障の最重要性、金融システムや構造の変革の必要性、ティピングポイントなどへの言及

こうして見ると、上部4項目などは昨年のCOP26から大きな進展がなかったことがわかります。
やはり成果としては、「損失と損害」基金の設立が合意されたことが印象的なCOPとなりました。

☞参考:環境省「国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)、京都議定書第17回締約国会合(CMP17)及びパリ協定第4回締約国会合(CMA4)の結果について」

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いかがでしたでしょうか?
来年のCOP28はドバイで開催される予定です。

今回合意された「損失と損害」基金の詳細やルール、そして1.5℃目標への取り組み評価方法や進捗確認方法など、決まり切らなかった内容についてはCOP28への持ち越しとなります。

完全な「化石燃料の段階的削減」についても、産油国などの反対があったため合意には至りませんでしたが、ロシアのウクライナ侵攻後、世界各国は再エネ拡充へ大きく舵を切り始めています。
このことが来年、どう影響してくるのかについても気になるところですね。

ではまた次回のCOPで!

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