[COP26の結果まとめ]わかりやすく解説!COPとは何か?今回の成果など

環境

世界的な問題である地球温暖化などの気候変動。悪化していく状況の中で、各国はどう動くのか?

2021年11月に開催されたCOP26で決定した結果内容から、世界の方向性を読み取っていきましょう。
そもそも「COP」とは何か?や、今回のCOP26での成果をわかりやすくまとめてみました。
ぜひご覧ください。

<目次>
1.そもそもCOPとは?その目的と誕生の背景
2.COP26の成果:大きな決定事項は2つ
3.COP26で完成したパリ・ルールブックの争点だった「市場メカニズム」とは?
4.COP26の成果まとめとこれから

そもそもCOPとは?その目的と誕生の背景

COPの正式名称は「締約国会議(Conference of the Parties)」と言います。この“締約国会議”にはさまざまな会議が存在しますが、その中でも代表的なものが気候変動に対する対策会議です。

気候変動に関する締約国とは、「国連気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change)」という、気候変動に対する条約に加盟している国・地域を指します。2021年時点で、その数は197の国・地域に及びます。

また、COPは基本毎年開催され、末尾の数字は開催された回数を表しています。「26」はつまり、26回目の開催という意味になります。(※2020年はコロナ禍により延期となりました。)

時系列の整理

1992年:伯・リオデジャネイロ地球サミットで「国連気候変動枠組条約」採択
1993年:日本でも本条約を締結
1994年:本条約が発効
1995年:独・ベルリンで第1回締約国会議開催(=COP1)
1997年:日本・京都でCOP3が開催→「京都議定書」採択
2015年:仏・パリでCOP21開催→「パリ協定」採択
2021年:英・グラスゴーでCOP26開催

国連気候変動枠組条約の目的

この条約の最大の目的は、大気中の温室効果ガス濃度の安定化です。そのために、加盟国・地域には次の義務が課されました。

全締約国:温室効果ガス削減計画の策定・実施、排出量実績の公表
先進国:途上国への資金供与、技術移転の推進など

また、条約の目的を達成するための具体的な枠組として以下の2つができました。

「京都議定書」:2020年までの枠組
「パリ協定」:2020年以降の枠組

COP26_UNFCCC

(出典:経済産業省資源エネルギー庁HP「あらためて振り返る、「COP26」(前編)」)

「京都議定書」と「パリ協定」の違い

「京都議定書」の概要
・先進国のみに次の削減目標を義務づけた
・第1約束期間(2008~2012年まで)に先進国は1990年比で温室効果ガス5%削減達成を目標
・第2約束期間(2013~2020年まで)に先進国は2005年比で温室効果ガス3.8%以上削減達成を目標

→日本は第1約束期間の目標には参加し達成しましたが、第2約束期間には“先進国のみの義務づけは不十分”と参加しませんでした。その他にもアメリカやカナダの脱退や、ロシアなどの不参加も相次ぎました。


「パリ協定」の概要
・すべての国と地域を対象に次の目標を掲げた
・世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をする
・そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量を抑え、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

→京都議定書の後継となるパリ協定では、京都議定書と違い、途上国を含むすべての主要排出国を対象に、削減目標の提出などが義務づけられました。日本は2016年4月に署名し加盟しています。

COP26の成果:大きな決定事項は2つ

さて、COPや気候変動対策としてつくられた「京都議定書」「パリ協定」などの枠組みについて理解が進んだところで、最新2021年の“COP26”について掘り下げてみましょう。

現時点で各国が掲げている2030年削減目標では、達成したとしても世界全体の排出量は2030年に2010年比で13.7%も増加し、このままでは、世界の平均気温は2.7度上昇する

COP26が開催される直前に、国連報告書より上記のような報告が発表されていました。こうした警鐘がある中で、今回のCOP26では大きくわけて2つの成果があげられました。

COP26の成果①:1.5度目標の達成に向けた野心の向上

COP26で採択されたさまざまな決定事項の中から、議題全体に関わる重要な決定事項は、表紙になるような決定内容という意味で「カバー決定」と呼ばれます。そんなカバー決定の中でも、特に強調されたものが、「1.5度目標の達成」です。

元々パリ協定でも、1.5度目標は以下のように記載されていました。

世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をする

しかし今回、1.5度に抑える“努力をする”のでは足りないことが共通認識され、気候変動対策の世界基準が、事実上「1.5度」になったと言えるでしょう。各国には、この1.5度目標達成に向け、2030年目標の強化が求められました。

その他、カバー決定された内容についても一部ピックアップして簡単にご紹介します。

【COP26でカバー決定したこと】
・1.5度目標の達成に向けた野心の向上
・2022年末までに2030年目標の再検討
・石炭火力発電の段階的削減
・化石燃料補助金の段階的廃止
・先進国から途上国への資金援助額1,000億ドル/年を目標
(参照:環境省資料より)

COP26の成果②:パリ協定のルールブック完成

「ルールブック」とは、実施方針です。つまり、パリ協定の枠組内容を実施するために必要な詳細ルールなのですが、実はこれがまだ一部合意されていませんでした。

2015年にパリ協定が採択されたのち、2018年のCOP24でパリ協定の実施指針(パリ・ルールブック)を採択するも、その中の6条のルールは合意に至りませんでした。その後、2019年のCOP25では前進するも結論先送りされました。

しかし今回、この6条のルール「市場メカニズム」が合意され、パリ協定のルールブックはついに完成に至ったというわけです。

では、この「市場メカニズム」とは何か?わかりやすく簡単に解説してみたいと思います。

COP26で完成したパリ・ルールブックの争点だった「市場メカニズム」とは?

まず、パリ協定のルールブック6条「市場メカニズム」とは何について定められているかというと、“CO2の排出枠を「クレジット」として市場で取引する仕組み”についてです。
クレジットという単語は聞き覚えがあるかもしれませんね、カーボン・オフセットをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。

カーボン・オフセット_イメージ図

☞「カーボン・オフセット」について詳しくは用語集へ!

6条「市場メカニズム」の争点とは?

環境省の資料によると、この6条には、2国間で取引するものについて(6条2項)と、国連主導型で取引するものについて(6条4項)の2パターンについて記載があります。そして、争点は大きく3つです。

【6条「市場メカニズム」の争点】
①排出削減量の二重計上防止策
これは、オフセットとしてやり取りする中で、1つの削減量を複数の国の削減目標実績に二重で計上されない仕組みを設けることを指します。この仕組みのことを「相当調整」と言います。
1=1が正しく計上される仕組みがないと、地球全体の排出量が増える結果となってしまうため、これは必要不可欠です

②京都議定書下の市場メカニズム(CDM)のクレジットのパリ協定への移管
これはつまり、京都議定書時代の使われていない古いカーボンクレジット(削減分)を、パリ協定の削減目標実績へ当て込めてよいとするかどうかという問題です。
しかし、パリ協定(2020年)からの削減目標にそれ以前のクレジットを持ち込むのはどうなのか?という争論がありました。

③市場メカニズムを通じた適応資金支援
これは、クレジット取引の際にその利益の一部を途上国のための適応基金に拠出するということが、6条4項で定められているのですが、これを6条2項の場合にも適用するかどうかが争点となりました。
ちなみに、この仕組みは京都議定書時代にもあり、パリ協定の6条4項ではそれが踏襲されている形となります。

6条「市場メカニズム」の争点3つの最終決定内容

①二重計上防止策
結果としては、基本的に国の削減目標実績(NDC)やその他の国際部門の間でクレジット取引をする場合には、「相当調整」をしなければならないということで合意されました。つまり、二重計上は防ぐことができる形で落ち着きました。

②CDMクレジットのパリ協定への移管
こちらは妥協案として、2013年以降に登録されたカーボンクレジットも削減目標実績(NDC)に当て込めることができる、となりました。

③6条2項の二国間型メカニズムからの適応への資金支援
こちらも、結果としては6条2項には利益の一部を自動的に拠出する仕組みは入れないことで合意されました。ただし、途上国への適応基金へは、自主的貢献の推進と報告義務が設けられることで決定しました。

COP26の成果まとめとこれから

いかがでしたでしょうか?今回のCOP26では、大きく次の2点が決まりました。
・「1.5度目標」を重視し、削減目標を強化する
・パリ協定のルールブックが完成

1.5度目標の強化については、そのために“今世紀半ばのカーボニュートラル、及びその経過点である2030年に向けて野心的な気候変動対策を締約国に求める”という内容なりました。

これはつまり、日本はすでに宣言している2050年カーボンニュートラル実現が、より多くの国の目標としても目指されるべきものとなり、そのためにも2030年目標もより高い目標にしてください!ということですね。

カーボンニュートラル宣言国 (2)

(出典:経済産業省資源エネルギー庁HP「あらためて振り返る、「COP26」(後編)」)

今回のCOP26でカーボンニュートラル実現を目標として宣言した国は、上図の通りとても増えました。地球全体の問題である気候変動/地球温暖化対策、ひとり一人の個人でも、できることから力を合わせて取り組んでいきたいですね。

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