「エコ・ファースト制度」とは?認定を受けるメリットや認定事例をご紹介!

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近年、環境にまつわる制度や取り組みなど、耳にする機会が増えています。SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定は、ニュースやSNSを通じて知っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、環境省が企業向けに実施している「エコ・ファースト制度」について、メリットや事例とともに解説していきます。

「エコ・ファースト制度」とは?

「エコ・ファースト制度」とは、次のことをする制度を指します。

・企業が環境大臣に対し、自らの環境保全に関する取り組みを約束
・その取り組みが先進的・独自的でかつ業界をリードする事業活動だと環境大臣が認定

企業の各業界において、その業界のトップランナーとして環境保全に関する取り組みを促進することを目的に実施されています。

近年、環境に対する具体的な取り組みをしていなければ企業経営が成り立たない、という考えが世界の共通認識になっています。その認識のもと、企業の取り組みを後押しする制度、というわけです。

認定を受けるための要件として、先進性・独自性・波及効果が基準となる「トップランナー要件」と、環境保全上適切な目標であるかどうかが基準となる「必要水準要件」の2つがあります。
「必要水準要件」は、次の8つの分野のうち、3つ以上の分野に該当する適切な目標であることが求められます。

・脱炭素社会への移行に係るもの
・循環経済への移行に係るもの
・大気・水又は土壌などの環境への負荷の低減に係るもの
・化学物質の適正な管理及びリスクコミュニケーションの促進に係るもの
・自然との共生に係るもの
・環境教育の振興に係るもの
・環境金融に係るもの
・その他環境の保全に係るもの

「エコ・ファースト」の認定を受けるメリット

エコ・ファースト制度の認定を受けると、さまざまなメリットがあります。

例えば、環境省の総合評価落札方式・プロポーザル方式による案件において、評価項目「組織の環境マネジメントシステム認証取得状況」の要件で、エコ・ファースト認定企業であることが加点対象となっています(令和5年3月20日以降)。

認定企業は、エコ・ファースト・マーク(エコ・ファースト制度の認定を受けた企業が使用できるマーク)を名刺やパンフレット等に使用することが可能です。
これにより、自社の環境保全の取り組みが環境大臣より先進性・独自性・波及効果が客観的に認められている、ということを対外的にアピールすることができます。

また、認定を受けた企業は環境省のホームページに掲載されます。業種を超えて、他の認定企業とのリレーション構築、他企業の先進的な取り組みについての情報入手につながることも。

エコ・ファースト制度は、新たなビジネスチャンスを掴むきっかけになるかもしれません。

認定を受ける方法

エコ・ファースト制度とは_認定を受ける方法

認定を受けるためには、「エコ・ファースト制度実施規約」に則った約束案を作成し、環境省に申請する必要があります。この約束案とともに、先進性・独自性・波及効果を具体的に示した資料を提出します。

これらの資料を、毎年8~10月の公募期間内に提出することで応募が完了します。形式上の要件を満たしているかを確認する予備審査、先進性・独自性・波及効果等の詳細審査を行う本審査を経て、翌年3月以降に審査の合否が出されます。

審査に合格となった企業は、正式な約束を環境省に提出し、認定式を以てエコ・ファースト制度の認定企業となります。

なお、認定を受けたら終わり!というわけではありません。約束には5年という有効期限があります。定期的に約束を確認し、更新していかなければなりません。

エコ・ファースト認定企業の事例

では、認定を受けた企業は、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。

スーパーやコンビニエンスストア、百貨店を展開している株式会社セブン&アイ・ホールディングスでは、下記の約束を掲げています。

・店舗運営に伴うCO₂排出量を、2030年までに50%削減、2050年までに実質ゼロ
・オリジナル商品で環境配慮型素材を2030年までに50%、2050年までに100%使用

具体的な取り組みとして、太陽光発電パネル設置店舗の拡大や、容器へのバイオマス原料や紙、リサイクル素材の導入などを進めています。

また、会計・税務業界で初めてエコ・ファースト制度に認定された辻・本郷 税理士法人では、次のような約束を掲げています。

・DX化を基盤とした脱炭素社会への取り組みの推進
・環境教育の振興の展開および人材育成への貢献

全国に87拠点(2023年11月現在)を持つ辻・本郷 税理士法人では、会計事務所において主力商材となる紙の使用を見直す目的で、電子化・ペーパーレス化の推進を進めています。
また、多数の業務提携先との協働や活動支援を通じた教育・人材育成により、サステナブルな経営の推進を目指しています。

グループ会社である当社も、日常業務で電子化・ペーパーレス化を進めるほか、再生可能エネルギーの普及・促進を全国で進めています。

☞詳しくは:辻・本郷 税理士法人 広報誌「SCOPE 12月号」へ

「エコ・ファースト」まとめ

環境省のホームページでは、すべての認定企業が掲げる約束を確認することができます。ただちに取り組めるものから、新しい技術の開発まで、幅広い取り組みがあることがわかりますね。

エコ・ファースト制度の認定を受けようとしている企業様はもちろん、まずは何かしらの環境保全の取り組みを進めていきたい…といった企業様も、ぜひ一度ご覧になってみてください。

業界を牽引するような目的を掲げ、約束を果たすために継続的に取り組む必要のあるエコ・ファースト制度は、企業にとって負担となることもあるでしょう。しかしその分、自社の環境保全の取り組みが国に認められた証となり、ビジネスチャンスを生み出すことが期待できます。

本記事が、エコ・ファースト制度について知るきっかけとなれば幸いです。
もっと詳しく知りたいという方は、下記リンク先よりご確認ください。

☞環境省「ECO FIRST(エコ・ファースト)」公式サイト 

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