【電気代値上がりに備え】市場連動型電力プランのメリット・デメリット
気になる電気代の高騰!現在の電力市場はどうなってる?
電力市場とは、発電者が電気を売り、それを買ってお客さまに電気を供給する小売電気事業者からなるマーケットだと思ってください。構造はメルカリと一緒です。
この電力市場のことを「JEPX」といいます。
小売電気事業者は、このJEPXからご家庭に供給する電気を調達することが多いので、皆さまのご家庭にお届けする電気の「原価」に当たる部分です。
このJEPX、最近また値上がり傾向にあります。以前私が書いた記事は読まれましたでしょうか?
☞『【解説】なぜ今コロナに加えて、節電が求められているのか?』
1月の記事は“JEPXの値段が上昇している”という内容なのですが、原因として「寒波」や「燃料不足(LNG)」などが挙げられていました。そして今年も、ここに来てJEPXの値段が上昇しています。主な原因は「気温上昇」や「発電所の停止」などと言われています。
また「燃料不足」についても予断を許さない状況が続いています。新型コロナウイルスワクチンの普及もあり、世界的に経済が急回復を見せているため、LNGや石炭などの発電用燃料の供給が不足し、電力需給のひっ迫や燃料価格の高騰が生じています。
身近な話では、ガソリンの高騰などで「燃料不足」について、実感されている方も多いのではないでしょうか。しばらくはこの燃料不足が続き、寒い冬が来ると電力も逼迫すると言われています。
電気代が高くなる?市場連動型プランのメリット・デメリット
さて、電力が逼迫すると今年も高騰しそうな電力市場ですが、あるプランに加入されている方には特に気をつけていただきたいことがあります。それが「市場連動型」の電力プランです。
市場連動型の電力プランとは、上記JEPXの価格に応じて電気料金単価が決まるプランです。
JEPXは24時間を30分ごとに分けた48コマで電力が取引され、価格が決まります。この電気の原価に電力会社の手数料が上乗せされ、単価とお客さまがそのコマで使った電力使用量がかけ合わされ電気料金が決まります。
例として2021年11月12日のグラフで見てみましょう。
1コマ目が14円/kWhなので、計算式は「(14円+手数料)×お客様の電気使用量(kWh)」となります。このように各コマの単価とお客さまの電気使用量に応じて、1日48回計算され電気代が決まります。
(ちなみに私の感覚では14円/kWhは高いですね…)
構造がわかったところで、このプランのメリット・デメリットを見ていきましょう。
【市場連動型プランのメリット】
市場価格次第では、かなり安い価格で電気を使用できます。
安い時間帯であれば、「4円/kWh」や「5円/kWh」といった価格がつけられることもあります。
このような低廉な金額が市場で続けば続くほど、かなりお得に電気をご使用いただくことが可能です。
【市場連動型プランのデメリット】
ただし、メリットばかりではありません。
市場価格に左右されるので、場合によってはかなり高額な電気代となってしまいます。
例えば、昨年の1月には1コマで100円/kWhがつけられ、それが何コマも連続するという自体が起こり、一時ニュースなどでも頻繁に取り上げられていました。
また、上記の「11月12日のグラフ」でも50円/kWhがつけられている時間帯があります。この時間帯にたくさんの電気を使用してしまうと、電気代が跳ね上がってしまうことになります。
このように、市場の価格によっては一般的な価格より割高となってしまうリスクを持っています。価格の最低限は0円ですが、上限は基本的に設けられていないので、メリット・デメリットをよく考えてご契約する必要があります。
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いかがでしたでしょうか?
最近では価格上限を設けている市場連動型プランもありますが、電力市場が高騰してしまうリスクを許容できない方は普通の従量型プランがおすすめです。
ぜひ、電気料金プランにつきましても、よくご検討した上で切り替えなどを実施してくださいね。