【発電原理から送配電を解説!第1弾】私たちの元にはどのように電気が届いている?

環境

「スイッチを押したら照明が灯り、コンセントに挿せば電子機器が充電される」という日常は、電気の力によって送られています。

そんな“電気”は、一体どこからどのようにして私たちの家や会社に届けられているのでしょうか。

今回は、筆者が気になった電気の流れ=送配電の仕組みについて、発電原理から解説していきます!ぜひご覧ください。

そもそも電気はどのように作られているのか?

私たちの家庭や会社へ届けられている電気は「発電所」で作られ、各地に送られています。
そんな発電所にも様々な種類がありますが、今回は、規模の大きいものを見てみましょう。

①最も規模が大きい!火力発電

石炭・石油・LNG(液化天然ガス)といった化石燃料による火力発電は、日本国内で最も規模の大きい発電方法です。
年間の発電電力量の割合は、なんと7割以上!北は北海道、南は沖縄まで、全国で多数の火力発電所が稼働しています。

どのように発電しているのかというと、まず燃料を燃やして発生する熱で水を熱しています。
そうすると蒸気が発生するため、その蒸気をタービンにぶつけて回転させることで電気を作ります。
これが火力発電の仕組みです。

資源エネルギー庁_電気をつくる方法_火力発電

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?」火力発電図)

②高低差を利用!水力発電

つづいては水力発電。
水力発電では、水が高い位置から低い位置へ落ちる力を使って、水車を回して電気を作っています。
水力発電所が山間部のダムや河川のそばにあるのは、それが理由です。

火力発電と違って燃料が不要で二酸化炭素も排出しない水力発電ですが、降雨量・降雪量が少ないと、発電が難しくなります。

資源エネルギー庁_電気をつくる方法_水力発電

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?」水力発電図)

③幅広い設置!太陽光発電

太陽光発電は、太陽光パネルという装置によって電気を作る発電方法です。
太陽光パネルの原料は、P型半導体とN型半導体と呼ばれる半導体です。太陽光パネルに太陽の光が当たると、P型半導体・N型半導体の間をプラスとマイナスの電子が移動します。
この電子の流れを利用して、電気が生み出されるのです。

太陽光発電や水力発電は、「再生可能エネルギー」と呼ばれるCO2を排出しない発電方法です。
太陽光発電が水力発電と違う点は、場所を選ばず、屋根の上や駐車場、遊休地など空いているエリアに多様な方法で設置が可能であること。
そのため、一般住宅や企業が持つ倉庫、大型施設など、さまざまな場所に設置できます。

資源エネルギー庁_電気をつくる方法_太陽光発電

(出典:経済産業省資源エネルギー庁「マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?」太陽光発電図)

他にも風力発電や地熱発電、原子力発電などもありますが、また別の機会にご紹介します。

それではいよいよ、送配電の仕組みについてみていきましょう。
発電所で作られた電気は、どのようにして私たちの家庭や会社へ届けられているのでしょうか。

電気の流れと送配電の仕組み

発電所で作られた電気が一般住宅や企業へ届けられるまでには、多くの変電所を介して送られています。変電所とは、発電所で作られた電気を適切な電圧まで下げて、各所へ送り届けるために必要不可欠な設備です。

例えば、火力発電所で作られた電気は、最初に27万5千V~50万Vほどとても高い電圧で超高圧変電所へ送られていきます。私たちの家庭で使われている電圧は、100V~200Vですので、およそ3,000~5,000倍もの差があります。

「なら、最初から100Vで送ればいいのに…」と思う人もいるかもしれませんね。
それでは、電圧が高い理由を簡単に説明します。

送配電_電線

高い電圧を徐々に低くしていく理由

水圧をイメージしてみてください。
長さ30メートルのストローでコップの水を飲もうとしても、難しいですよね。これは、人が吸い込む力だけでは、コップの中の水をストローから口の中まで押し上げる力がないからです。

ここに、ストローから口の中まで水を押し上げる力(水圧)を加えると、人が吸い込む力は少なくて済むので、簡単に水を飲むことができます。

電気も同じです!
例えば、地方の発電所から都市部の住宅まで電気を送るときに、100Vの電圧では力が弱く、必要な電気を送ることができません。そこで、効率良く電気を運ぶために高電圧の電気で送り、私たちの家庭に届くまでに少しずつ電圧を落としていくのです。

水と違って目に見えない電気ですが、イメージできたでしょうか。

電気を送る送配電網

さて、超高電圧変電所で変圧された電気は次に、一次変電所まで15万4千Vで送られていきます。
その後は、次のようなルートを経て私たちの住宅へ電気が届けられていきます。

①一次変電所から、電力需要の大きい大規模工場や鉄道変電所などへ供給される
②一次変電所から中間変電所へ6万6千Vで送られ、中規模工場や商業施設などへ供給される
③中間変電所から配電用変電所へ2万2千Vで送られ、ビルや小規模工場へ供給される
④最後に、柱上変圧器(街中で見かける、電柱の上に作られているバケツのようなもの)へ6600Vで送られ、変圧器で100Vに変換されたものが私たちの住宅へ供給される

発電所から電気を使用する場所まで、長い道のりを経て届けられていることがわかりますね。
ですが、電気の速度は光の速さと同程度(約30万㎞弱/秒)と言われているので、実際には一瞬で届けられているのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
まずは、電気の作られ方と送られ方をご紹介しました。

では、普段見かける電線のどこが何Vなのか…気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで次回は、実際の電線電圧や送電線の種類について説明していきます。お楽しみに!

当社では、低圧から高圧まで多くの太陽光発電設備の施工を手掛けております。
「電気に関することがわからない」「どこに問い合わせればよいかわからない…」などお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
知識豊富なスタッフが一気通貫で対応いたします。

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