住宅のつくりを学ぼう!省エネの家:基礎編
省エネ住宅とは?
皆さん、なんとなくイメージができるかと思いますが、
省エネ住宅の概念としては「快適性:夏は涼しく、冬は暖かい。経済性:光熱費が安い」です。
要するに、熱を逃がしにくく取り込みにくい、一年中快適に過ごせて経済的な家、ということになります。
日本には四季があり、国土は北から南までさまざまな気候を持ち、その気候風土に適する造りでなければ快適な住まいとは言えません。
さて、そのような住宅とはどんな構造になっているのでしょうか?
今回は、コンクリート造の集合住宅や一戸建ては除外してお話します。
一部の地方を除いて、一般的な一戸建て住宅は木造が多いですが、主材料の如何を問わず、まずは家全体を断熱構造にする必要があります。
では、断熱構造とはどのようなものか、詳しく見ていきましょう。
【省エネ住宅のつくり】断熱構造のつくり
それでは、早速いくつか例をあげてみましょう。
まずは壁です。
住宅の外壁と内壁の間に断熱材を挟み、3重構造にします。
その壁と断熱材との間に空気層を設けます。
層の断面は「外壁―空気層-断熱材-空気層-内壁」という具合です。
その気流の通り道を使用して二重通気をし、暑気や湿気を外に逃します。
さらに雨の日や冬は、空気の流れを止めるような仕組みにします。
もちろん屋根部分も同様の構造にします。
熱伝導率の高いコンクリート造の基礎も、外側に断熱材を貼り、熱を伝えにくくします。
さらに、構造上避けられない部材同士の隙間をシーリング(密封)して密閉度を上げます。
窓や玄関ドアなどの開口部も、断熱性の高い高性能なものを使用します。
こうして、夏は効率よく建物の熱を逃がし、冬は極力熱を逃がさない、内部の温度を一定に保つことができるような構造になります。
こうした断熱性能の高い住宅だと、床暖房も不要です。
床暖房を取り入れないことにより、電気代の削減にもなると考えられます。なにしろ、一般家庭の消費電力の30%は冷暖房の電力と言われていますから。
一方で問題も?
さて、ここまでは理想的なのですが、、、
このように住宅の密閉度を上げていくと別の問題が出てきます。
それは、「結露」です。
空気中には必ず水分があり、温度差によって結露が発生します。
結露は木造住宅の木部を痛め、カビの発生にもなり健康にも良くありません。
そこで、空調設備が重要になります。
室内の温度を変えずに換気できる熱交換式の換気システム、プラス全室空調システムが必要となります。
こういった空調設備を導入することで、湿気や埃を取り除いてから外気を取り込んだり、寒い時期には室内への空気を加熱(熱交換)して、全室の温度を暖かく保つことが可能です(中には外気温度で自動制御できるものも)。
全室空調にすることによって、家全体の室温が均一化され「ヒートショック」の防止、温度差による結露を防ぐことができます。極端にいえば、エアコンは一家に一台で済むかもしれません。
【省エネ住宅のつくり】デメリットと解決手段
このように、構造と専用の機器類によって理想に近い省エネ住宅にはなりますが、デメリットもあります。
ご想像の通り、それなりに建築コストがかかってきてしまいます。
また、設計と施工には地域特性に合わせたノウハウと実績が必要で、工務店選びも重要になります。
省エネ住宅には、建築コスト増はどうしても避けて通れません。
しかし、太陽光発電システムや住宅用蓄電池など創エネ、畜エネを組み合わせて、以下に挙げるような補助金や住宅ローンの優遇措置などを利用してコストを抑えることも可能です。
<補助金や優遇措置の一例>
・建築物省エネルギー性能表示制度
・長期優良住宅の普及の促進に関する法律
・グリーン住宅ポイント制度
・地域型住宅グリーン化事業
・ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)に対する補助事業※改修も可
・各自治体の補助制度
→税制度において控除額の上限が引き上げられる(実質的な減税)。
→住宅金融支援機構から金利優遇措置を受けることができる。
これらの制度などを上手く活用してご検討いただければと思います。
ただし、補助金などは年度、時期により変わりますのでご注意ください。
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いかがでしたか?
ここまで、省エネ住宅の造りについてお話してきましたが、本当は土地選びからが重要で、実際に住んでからは住宅のお手入れも不可欠になってきます。
それについては、また別の機会にお話しできればと思います。
また、省エネと共に重要なのが創エネになります。創エネの太陽光発電についてご相談などございましたら、ぜひ一度当社へお問い合わせください。
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