いざ、金沢区!?「鎌倉殿の13人」ゆかりの地を巡ろう[家臣編]
今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。
「新選組!」や「真田丸」でお馴染みの三谷幸喜氏が脚本を手掛けるこのドラマは、小栗旬さんが演じる主人公の北条義時が、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝の死後、有力な家臣団13人を集めて発足された合議制の中で壮絶なパワーゲームを繰り広げ、その頂点に上り詰めるまでの生涯を描く物語です。
前編では、源家(源頼朝、北条政子、源範頼)をまとめてご紹介しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?
後編となる今回は、金沢区にある「鎌倉殿の13人」家臣たち+αのゆかりの地をご紹介します。
<目次>
金沢区で巡る!畠山重忠ゆかりの地
金沢区で巡る!上総広常ゆかりの地
金沢区で巡る!和田義盛ゆかりの地
金沢区で巡る!金沢北条氏一門ゆかりの地
金沢区グルメおすすめ情報「島寿し」
☞前編をまだご覧になっていない方はコチラ!
金沢区で巡る!畠山重忠ゆかりの地
武勇の誉れ高く、その清廉潔白な人柄から「坂東武者の鑑」とも称される畠山重忠(はたけやま しげただ)。
今回の大河ドラマでは中川大志さんが演じており、謹厳実直な性格が忠実に再現されています。治承・寿永の乱で大いに活躍し、鎌倉幕府創業の功臣となった重忠ですが…その後、悲劇的な運命を辿ることとなります。
今後の大河ドラマにおける重忠の行く末は、涙なくして見ることはできないものとなるでしょう。
そんな重忠の金沢区にあるゆかりの地をご紹介します。
畠山重忠ゆかりの地:東光禅寺
畠山重忠の開基により、弘安5年(1282年)に建長寺第六世大興禅師を請じて開山したと寺伝にあります。
本尊は重忠の念持仏であった薬師如来で、脇仏は左に日光、右に月光の二菩薩。さらに、十二神将を従えています。境内には、畠山重忠の供養塔があります。
本堂の天井には、大きな雲龍図が描かれており、見るものを圧倒する迫力と存在感があります。こちらを訪れた際には、ぜひご覧になってみてください。
アクセス:
京急線「金沢文庫」駅から徒歩25分
バス「白山道」または「白山道公園」下車徒歩5分
金沢区で巡る!上総広常ゆかりの地
上総広常(かずさ ひろさね)は、坂東随一の大豪族領主であり、2万の兵を率いて頼朝の軍営に参集し、鎌倉幕府樹立に貢献しました。
今回の大河ドラマでは佐藤浩市さんが演じており、坂東武士団で最も頼りになると同時に、最も危険な男として描かれていました。べらんめえ口調で粗暴ながらも愛嬌があり、視聴者からの人気もかなりのものでした。
そんな広常でしたが、頼朝からその力を危険視されたことで、謀反人として中村獅童さん演じる梶原景時に討ち取られるという最期を遂げてしまいました。
そんな衝撃的な回のラストでは、広常が書いた願文が見つかりました。そこには、最近になってようやく学び始めた文字で、拙いながらも一生懸命に書いた頼朝の武運を祈る文章が書かれていました。
頼朝のことを他の御家人の誰よりも大切に想っていたであろう広常の心情が明らかとなったこのシーンは、より一層の涙を誘いました。
そんな広常の、金沢区にあるゆかりの地をご紹介します。
上総広常ゆかりの地:上総介塔
上総広常の墓ともいわれる「上総介塔」ですが、この塔の主がどの上総であるかには諸説あるようですが、地元では上総広常として伝わっています。
道の傍らにある石塔は、昭和59年(1984年)に地元の有志により復元されました。
「鎌倉殿の13人」の影響により、その名を広く知られるようになったためか、一時期はお供えの花や食べ物などがたくさん置かれていました。
アクセス:
京急線・シーサイドライン「金沢八景」駅よりバス「朝比奈」下車すぐ
金沢区で巡る!和田義盛ゆかりの地
和田義盛(わだ よしもり)は三浦氏の一族の武将であり、鎌倉幕府においては軍事長官に相当する侍所別当を任じられたことで知られています。
今回の大河ドラマでは横田栄司さんが演じており、坂東武者の中でも豪快で勇猛、猪突猛進な性格ながら、御家人の尊敬を集める愛されキャラとして定着しています。
頼朝の死後は13人の合議制に列席するとともに、比企能員の変や畠山重忠の乱などの御家人の乱では北条氏に与しました。
しかし、最終的にはその北条氏の義時の挑発により挙兵に追い込まれ、和田合戦において和田一族とともに滅亡の運命を辿りました。ドラマにおいては、今後の義時との関係に目が離せなくなりそうです。
和田義盛ゆかりの地:朝夷奈切通
和田義盛の三男・朝夷奈義秀(あさひな よしひで)が一晩で切り開いたという伝説から、この名がついています。
和田一族滅亡後、鎌倉幕府がこの峠道の開削にかかり、執権北条泰時が自ら現場に出て監督し、自分の乗馬に土石を運ばせて工事を急がせたといわれています。
当時の六浦は、塩の産地であり、安房・上総・下総などの関東地方をはじめ、海外(唐)からの物資集散の港でした。舟で運ばれた各地の物資は、この切通を越えて鎌倉へ入り、六浦港の政治的・経済的価値は倍増しました。
また、鎌倉防衛上必要な施設として、路の左右に平場や切岸の跡とみられるものも残されています。鎌倉市境の南側には、熊野神社があります。これは、鎌倉の艮の守りとして祀られたと伝えられています。
朝夷奈切通は、鎌倉七口の中、最も高く嶮岨な路であり、国の指定史跡になっています。
アクセス:
京急線・シーサイドライン「金沢八景」駅よりバス「朝比奈」下車徒歩3分
※前日に雨が降っていた場合には地面が高確率でぬかるんでいるので、歩く際には注意が必要です。靴は泥で汚れても問題のないものを履いてくることをおすすめします。落石にもご注意ください。
金沢区で巡る!金沢北条氏一門ゆかりの地
金沢北条氏は、「鎌倉殿の13人」の主人公にして、鎌倉幕府第2代執権・北条義時の五男・実泰(さねやす)を始祖とする北条氏の一族です。
そして、実泰の息子であり、義時の孫にあたる北条実時(さねとき)は、金沢の歴史の上でも特筆されるべき人物とされています。
実時は鎌倉幕府のブレーンとして期待されていた優秀な武将でした。一方で、文化人としても知られており、政務引退後は現在の横浜市金沢区に在住し、蔵書を集めて「金沢文庫」を創設しました。
そんな金沢北条氏一門の初代である実時にゆかりある地を紹介します。
金沢北条氏一門ゆかりの地①称名寺
「称名寺」は、金沢北条氏一門の菩提寺です。鎌倉幕府の要人・北条実時が六浦荘金沢の屋敷内に建てた持仏堂から始まったと推定されています。
苑池に橋を架けて金堂へ達するという地割を持つ称名寺庭園は、平安時代中期以降の浄土式庭園の系列にあるものです。現存する同一形式の庭園としては、岩手県平泉の毛越寺、福島県いわき市の白水阿弥陀堂などがありますが、称名寺庭園はその最後の遺例として日本の庭園史上重要な位置を占めています。
春の桜、初夏の黄菖蒲、秋の紅葉と四季折々の花が織りなす景観が美しく、訪れる人の憩いの場となっています。また、9月頃に境内の各所に咲く彼岸花も非常にきれいです。
アクセス:
京急線「金沢文庫」駅から徒歩12分
シーサイドライン「海の公園南口」駅または「海の公園柴口」駅から徒歩10分
☞詳しくはコチラ:金沢区HP「金沢北条氏と鎌倉時代の繁栄」
金沢北条氏一門ゆかりの地②神奈川県立金沢文庫
「金沢文庫」は、北条実時の私設文庫を起源とする博物館です。かつては北条実時以降の金沢北条氏三代によって収集された和漢の貴重書を納めた書庫でした。
しかし、鎌倉幕府滅亡によって主を失って以降、蔵書の大半は、室町幕府や上杉氏、後北条氏、徳川家康など、歴代の権力者によって持ち出され、各地に流出してしまいました。
現在の神奈川県立金沢文庫は、昭和5年(1930年)に再興されたもので、金沢文庫の蔵書や称名寺伝来の絵画、彫刻、工芸品などのおよそ二万点が収蔵されており、鎌倉の文化財を今日に伝えています。
1階奥には、称名寺金堂の内部が復元されています。
アクセス:
京急線「金沢文庫」駅から徒歩12分
シーサイドライン「海の公園南口」駅から徒歩10分
★神奈川県立金沢文庫は称名寺境内にあり、隧道を通じて隣接しています。
この隧道もまた、国指定の史跡称名寺と金沢文庫をつなぐ重要な遺跡であり、永久に文化財として保存されています。
金沢区グルメおすすめ情報「島寿し」
シーサイドラインで金沢区を訪れた際におすすめしたいお食事のスポットが、野島公園駅のすぐそばにあるお寿司屋さん「島寿し」です。
シャリもネタもボリューム満点、かつ新鮮でおいしいお寿司を存分にご堪能いただけます。
しかし、何より印象的なのは、店内に取り付けられているメニューの名前です。
「すてきな貴方は浮気者」、「私は貴方の何なのさ」、「身も♡心も♡おまかせ鮨」など、どのような内容なのか想像もつかないユニークな名前のメニューがたくさん並んでいます。
しかしながら、出てくるお寿司はいずれも絶品ですので、ぜひお試しください。
アクセス:
シーサイドライン「野島公園」駅から徒歩3分
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いかがでしたか?
金沢区にも、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にまつわる歴史的なスポットや建造物がたくさんあることがわかっていただけたかと思います。今回の大河ドラマで、特に畠山重忠や上総広常が好き!という方にはぜひ訪れてみていただきたいです。
この機に今HOTな金沢区を訪れて、鎌倉時代の歴史に触れてみてはいかがでしょうか?
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