子どもと楽しめる!横浜のおすすめスポット[横浜市歴史博物館]
学校に通っていれば、誰もが学ぶ日本の歴史。
邪馬台国の時代や鎌倉時代、戦国の安土・桃山時代、江戸時代。そして近代化が進んだ明治時代と、日本という国の歴史は激動の連続でした。
そんな長い歴史の中で、ここ横浜の地には何が起こっていたのか。皆さんはご存じでしょうか?
今回は、地元横浜の歴史を学ぶことができる博物館をご紹介します。
横浜市歴史博物館とは?[施設の概要]
幕末のペリー来航から開港までの舞台として知られるように、横浜は世界に開かれた日本を代表する歴史を歩んできた都市といえます。
また、幕末・明治の近現代だけでなく、実は原始・古代からの歴史的史跡や遺跡をはじめとした歴史的資料にもとても恵まれています。つまり、横浜にはこの国の歴史を紐解くための手掛かりが多数あるのです。
横浜市歴史博物館は、そうした横浜の歴史文化や伝統の調査・研究の成果を、多くの人々が理解・共有するための場を目指している博物館です。
横浜市歴史博物[館内の紹介]常設展
常設展示室では「横浜に生きた人々の生活の歴史」をテーマに、3万年にわたる市域の歴史が展示されています。
円形の展示室は、スタディサロンを中心に6つの部屋に分かれており、原始から近現代までの時代ごとに展示されています。時計周り順に見ることで、時代とともに変化した横浜の歴史を知ることができます。
それぞれの部屋には、市域の遺跡の発掘物や、当時の地形や暮らし、文化を知ることができる模型等が展示されています。特に各部屋の中央に展示されている模型は非常に緻密にできており、当時の様子がよくわかります。
決められた順路はないので、どの時代からでも見ることができます。いずれの時代も非常に興味深い資料で満ちていますが、特におすすめしたい見どころをいくつか紹介したいと思います。
常設展:原始Ⅱ 稲作と争いのはじまり
こちらの部屋では、弥生時代の文化について展示されています。当時から始まった稲作の文化や、そのために形成された当時の人々の生活サイクルなどを、展示されている図表や道具、模型から知ることができます。
中央には、大塚・歳勝土遺跡の模型が展示されています。この遺跡は博物館の隣にありますので、博物館を出た後に巡られることをおすすめします。
常設展:中世 戦乱の中に生きる
中世は、新しく力を持つようになった武士による戦が繰り返された時代です。現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代でもあります。
現在は八景島シーパラダイスなどの観光施設で有名な金沢区周辺は、当時の政治・経済の中心都市であった鎌倉を支える六浦湊がありました。そのため、諸国の商人や職人が集まり、さまざまな産業が発達したほか、称名寺を中心に仏教文化も栄えました。
☞金沢区の「鎌倉殿の13人」ゆかりの地を巡りたい方はコチラ!
常設展:近世 平和の中に生きる人々
近世は、江戸幕府を中心として、安定した社会が続きました。横浜市の小学校であれば、必ずといっていいほど取り上げられる「吉田新田」の開発が始まったのも、この時代です。
長さが約7.5キロメートルにも及ぶ、新田の周囲を囲む堤防の大工事の様子や、失敗を経て11年間かけて完成した新田開発の過程を知ることができます。
横浜市歴史博物[館内の紹介]企画展
企画展示:みんなでつなげる鉄道150年 —鉄道発祥の地よこはまと沿線の移り変わり―
2022年は、新橋と横浜を結ぶ鉄道が開業してから150周年を迎える年です。
この節目にふさわしい横浜市歴史博物館の展覧会として、横浜に関わる鉄道各社のこれまでの歩みや、各社が携わってきた数々の事業が紹介されています。
企画展示室では、横浜市の鉄道草創期から現在に至るまでの歴史を知ることができる当時の写真やポスター、車掌の制服などが展示されています。
企画展:鉄道おもちゃでたのしむ横浜の鉄道と街
常設展示室のスタディサロンには、「横浜市電保存館がやってきた」というテーマで、市電保存館のHOゲージのジオラマが展示されています。
横浜市内の路線を再現した鉄道おもちゃのジオラマは、特に子どもたちにとても人気です。また、マスコンを使用した市電運転を体験できる、市電シミュレーター体験もあります。
鉄道ファンの方だけでなく、幅広い年代の方が楽しめる特別展となっているので、ぜひ訪れてみてください。特別展は、2022年9月25日までおこなわれています。
☞横浜市電保存館について詳しくはコチラ!
横浜市歴史博物館へのアクセス
横浜市営地下鉄「センター北駅」下車、1番出口から徒歩5分
駐車場あり(30分100円)
横浜市歴史博物館のあとは:大塚・歳勝土遺跡公園
横浜市歴史博物館のすぐ隣には、弥生時代の環濠や住居、墓地などを復元した国指定遺跡「大塚・歳勝土遺跡」を中心とした遺跡公園があります。
その他にも、江戸時代の民家「旧長沢家住宅」を中心に構成された都筑民家園などもあります。
横浜市歴史博物館のあとは、こちらの公園を訪れて、弥生時代と江戸時代の当時の暮らしを再現した実物大の住居をご覧になられてはいかがでしょうか?
大塚・歳勝土遺跡公園内:大塚遺跡
約2,000年前の弥生時代の「環濠(かんごう)」と呼ばれる溝で囲まれたムラの跡が、この場所で発見されました。
7棟の竪穴住居と1棟の高床倉庫、木橋などが復元されており、当時のムラの様子が再現されています。竪穴住居の中には実際に入ることもできます。土器が展示されている住居もあり、当時の人々がどのような暮らしをしていたのかがよくわかります。
大塚・歳勝土遺跡公園内:歳勝土遺跡(方形周溝墓)
大塚遺跡に住んでいた人々のお墓の遺跡です。
四方を溝で囲まれたマウンドの中央に死者を葬ったムラ人のお墓が25基発見されました。その内、5基が復元されています。大塚遺跡と並んで、当時の文化を知る上で欠かせない遺跡です。
大塚・歳勝土遺跡公園内:都筑民家園(旧長沢家住宅)
長沢家は、江戸時代の終わり頃には、組頭や名主を務めていました。
この建物は江戸時代中期に牛久保に建てられましたが、その後移築されました。野菜などが栽培されている庭も含めて、当時の農家の雰囲気が再現されています。
民家の中には実際に入ることもでき、建物の中の様子をじっくりと御覧いただけます。
大塚・歳勝土遺跡公園内:都筑民家園茶室(輪亭・鶴雲庵)
この茶室は、日本の伝統文化を多くの方々に親しんでもらいたいと願う「都筑民家園に茶室を贈る有志の会」により建設され、横浜開港150周年を記念して横浜市へ寄贈されました。
2011年2月には、NPO木の建築フォーラムにて「第七回木の建築賞・選考委員特別賞」を受賞しました。この茶室もまた、日本の歴史と文化を知る上で、非常に参考となる資料と言えるのではないでしょうか?
[取材協力:横浜市歴史博物館]
夏休みの自由研究にも!横浜の歴史を学ぼう
いかがでしたでしょうか?
横浜にスポットを当てた「横浜市歴史博物館」では、意外と知らない地元のこれまでの歴史を知る機会になります。小学生や中学生にとっては、授業で学んだことやものの復習にもなりそうですね。
夏休み後半、まだ自由研究が終わっていないお子さんには研究テーマとして取り扱うのも良さそうです。ぜひ足を運んでみてください!
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