【野立て太陽光発電の場合】設計時のポイント解説!
太陽光発電所 設計の流れ
野立て太陽光発電とは、住宅の屋根ではなく地面に架台という台を設置し、その上に太陽光パネルを配置する形の太陽光発電です。
この野立て太陽光発電所がどのように設計・計画されていくかご存知でしょうか?
今回は野立て太陽光発電所の設計方法についてご紹介します。
図面作成の流れ
発電所の計画時に一番初めに必要となり、かつ、一番重要視される資料は設置場所の公図や謄本といった国で定められた土地資料と、土地の測量図になります。
まず、資料を入手したらGoogle Mapから設置場所を確認して、土地資料と照らし合わせます。
この時に、土地にどのような勾配がついているか、障害物になる埋設物などがないか、影の影響になるものがないか……など、確認できる情報を最大限読み取ります。
そして、発電量や設置容量を考慮しながら、どのようにパネルを設置するのが一番コストに見合うか、システムも含めて検討していきます。
土地条件がわかると、自ずと方向性が決まってくというわけです。
おおかた方向性が決まったら一度図面を作成して、現地調査へ向かいます。
現地調査では、資料から確認した内容が正しいか、作成した図面が現地に収まるか、どのように工事を進めていくかなど、計画を詰めて検討していきます。
土地に合わせた設置方法の検討
土地に合わせた太陽光発電設置方法について、懸念点と対策をご紹介いたします。
積雪地の場合
△懸念点
積雪地ではパネルの上に雪が積もることで発電量が低下することや、積雪による機器故障が懸念されます。
▲対策
発電量低下を防ぐためにはパネル角度を45度近くまで上げて、パネルの上に雪が積もりづらくする方法があります。
機器が故障しないようするためには、雪が積もる高さよりも機器取り付け位置の高さを高くするような方法が考えられます。
(積雪量1mの場合、機器取り付け高さを1.3mにするなど)
設置面がなだらかではない場合
△懸念点
パネル設置面の東西に傾斜が付いている場合、そのまま何の対策もせずに太陽光発電の架台を横並び・平行に設置すると、左右のパネルが陰の影響を受けてしまいます。
▲対策
このような場合は、左右の架台間を離す、または、パネル取り付け架台の脚の高さを調節して、左右のパネルに高低差が発生しないようにします。
埋設物が多い場合
△懸念点
敷地内に埋蔵文化財がある場合や貯留槽などが埋設されている場合、基礎の杭使用や配管などの埋設ができなくなります。
▲対策
基本設計は、基礎は杭を使用。配管は埋設としています。
埋設ができない場合は、基礎は杭ではなくコンクリートの置き基礎へ変更します。
その際、配管はケーブルラックの使用やFEP管転がし工法などで対応します。
発電量を上げる3つのポイント
太陽光発電所には大敵がいます……。ずばり日陰です!
設計時に日陰を考慮するかしないかで、その後の発電量に大きな差が出てきます。
私たちが発電量を上げるためにしている3つのポイントをご紹介します。
1.周囲の障害物の確認
野立ての発電所は、山の中に作られることが多いため、周囲にある木の影の影響を大きく受けます。
設計時に木の影がどれくらい伸びるかシミュレーションをして、配置の検討を行っています。
2.太陽光用架台の設置離隔
太陽光架台の背が意外と高いことはご存じでしょうか?
パネルを20度で設置する場合、高さはパネルだけで1.4mになります。
そこへ脚となる杭や架台が付くと、全長は2.5m以上にまで高くなってきます。
前後の配列がこれらの影響を受けないために、架台の離隔はしっかりと考慮する必要があります。
3.パネルをつなぐ配線
敷地が狭くて、②のように離隔をとれない!なんて発電所もたくさんあります。
そのような場合は、パネル同士をつなぐ電気配線(ストリング配線)を工夫することで緩和することができます。
太陽光の配線は、同じストリングを構成しているパネルのどれかたった1枚に影がかかるだけで、その同じストリングで構成されているパネルは全て発電されなくなってしまいます。
ですので、ある程度は影がかかっても仕方がないとするストリングと、影の影響を受けずにしっかり発電してもらうストリングに分けて配線することが、発電量の上昇につながるのです。
以上、野立て太陽光発電所の設計の流れとポイントでした。いかがでしたか?
当社では、今回ご紹介をした野立て発電所の設計・売買のほかに、屋根上発電所での自家消費・蓄電池を含むご提案なども行っております。
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