〈企業向け〉ソーラーカーポートの種類や地域ごとの注意点とは?導入前の確認事項をチェック!
発電した電気を自らの施設で使用する自家消費型太陽光発電設備は、建物の屋根上や遊休地への設置が主流です。一方で、設置するスペースが無い・構造上設置が難しいために、発電設備の導入を断念せざるを得ないケースが多いことが課題となっていました。
そこで注目されているのが、駐車場を活用した「ソーラーカーポート」による設置です。既存の青空駐車場をそのまま利用できるソーラーカーポートは、利用者の利便性向上や従業員の福利厚生につながるほか、災害時の対策やCSR活動の一環としても活躍します。
今回は、この「ソーラーカーポート」について、導入を検討する上で知っておきたいこと・気を付けておきたいことについて解説していきます。
施設に適した容量・設置方法を検討する
ソーラーカーポートの導入を検討する際、最初に考えることは導入規模と設置タイプです。
ソーラーカーポートは、ただ単に全台分の設置をすればいいというわけではありません。建築基準法的に設置できる容量や、発電した電気を無駄なく消費できる容量であることなど、さまざまな角度から導入規模を決める必要があります。
同様に、設置タイプについても、導入場所や条件を考慮した選定が重要となります。こうした観点から検討する際のポイントは次の通りです。
消費電力量から最適な導入量を検討
ソーラーカーポートは、屋根上・遊休地への設置と比較して導入コストが上回る傾向にあります。また、「建築物」に該当するため建ぺい率・容積率の基準を下回る必要があります(後述参照)。
駐車場全面に設置するのではなく、消費電力量(施設で使用している電力量)を考慮して、最適な導入量を検討しましょう。
両支持タイプと片支持タイプの特徴
ソーラーカーポートの架台には、前後に支柱がある両支持タイプと、後方のみに支柱がある片支持タイプ(後方支持タイプ)があります。
両支持タイプは、柱の数が多いことから強度が高い点が特徴である一方、駐車時にぶつけてしまうリスクがあります。片支持タイプは支柱が後方にのみあるため駐車がしやすく、一般客が多く利用する商業施設・スーパーなどに適したタイプとなっています。
また、導入コストは片支持タイプの方が高価である傾向にあります。駐車場を誰が利用するのか、という点を踏まえて検討するとよいでしょう。
地域によって気をつけたいポイント
ソーラーカーポートは、防火地域等に設置する場合に一定の耐火性能を求められます。また、積雪や塩害による影響を受けやすい設備のため、機器の選定にはこうした点にも注意が必要です。
耐火性能の有無(防火地域等)
ソーラーカーポートは、太陽光パネルの下に駐車場としての用途があるため、建築物に該当します。そのため、防火地域・準防火地域・建築基準法22条指定区域に導入する場合、一定の耐火性能が求められます。
「飛び火認定(DR)」を取得しているソーラーカーポート架台であれば、防火地域等にも導入が可能となります。ソーラーカーポート導入の検討を進める場合は、まず対象の場所が防火地域等に該当するかを確認し、選定すべき機器を絞り込むようにしましょう。
積雪や強風への耐性、耐食性
ソーラーカーポートは、積雪や風、沿岸部であれば潮風による影響を大きく受けやすい設備です。
一般的なソーラーカーポートは、積雪30cm程度の荷重が考慮された設計となっています。多雪地域では、その荷重に耐えられる機器を選定しましょう。2024年現在、最大150cmの積雪に耐えられる製品がリリースされています。
また、ソーラーカーポートはそのフラットな形状から風の影響を受けやすい傾向にあります。沿岸部や高台、台風被害が多い地域では、耐風圧が高い製品を選ぶ必要があります。沿岸部では、潮風による機器の腐食リスクが存在します。塩害対策が施された製品を選定し、劣化による重大事故を防ぎましょう。
ソーラーカーポートは建築物に該当!電気+建築、両方の知識が必要
「耐火性能の有無」でも解説した通り、ソーラーカーポートは建築物に該当します。そのため、屋根上や遊休地への設置と異なり、建築基準法に則った各種手続きや設計・施工が必要となることに注意が必要です。
例えば申請では、「建築確認申請」が必要となります。多くの書類や図面が必要となるため、難易度の高い申請とされています。施工業者へ代行を依頼するか、設計事務所に依頼することが一般的です。
「建ぺい率」「容積率」にも注意が必要です。これらは用途地域などに応じて、都市計画によって定められています。知識を持った施工業者に設計を依頼するとよいでしょう。
このように、ソーラーカーポートの導入を検討する際には、発電設備として求められる電気の知識、建築物として求められる建築の知識、両方の知識を持った施工業者を選定することが重要となります。
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いかがでしたか?
今回は、ソーラーカーポートの導入を検討する上で知っておきたいことをご紹介しました。
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