【太陽光発電と景観条例】太陽光発電設備を設置する際に考慮すべきポイント~後編~

太陽光発電と景観条例_後編

前回は、太陽光発電と景観条例の関係性についてお話ししました。

今回は景観条例の観点から、太陽光発電設備を設置する際に配慮したいポイントと対策について詳しく解説します。

ただし、これから解説する内容は代表的なものであり、景観への配慮事項は地域によって異なります。各地域の自治体が発行している景観条例ガイドラインをよく調べた上で対策をおこなってください。

注意ポイントと対策①太陽光発電設備機器の色彩や素材

太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設備については、周囲の景観と調和した色彩にすることを推奨している自治体が多いです。

明確な色彩を指定されることはないですが、例えば、太陽光パネルの場合は“低明度で低彩度の目立たないものを使用する”、パワーコンディショナーであれば“建物と一体的に見える色彩”とするなど、できる限り景観と調和するように配慮することが求められます。

景観条例届出提出の際には、各機器の色彩をマンセル値で申請する場合が多いため、予めマンセル値を把握しておくのがよいでしょう。

環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋

(出典:環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋)

注意ポイントと対策②太陽光パネルの反射光

太陽光パネルについては色彩の他に反射光についても配慮が必要です。太陽光パネルの設置場所や設置角度によっては、季節や時間帯で近接する住宅や施設などに反射光が差す可能性があります。

これらを回避するための対策としては、「低反射や防眩仕様のパネルを使用する」「反射シミュレーションを実施し、周囲の建物へ反射光の影響がない配置・角度にする」といった方法などが挙げられます。

太陽光発電_反射光

注意ポイントと対策③眺望点からの景観

太陽光発電設備の設置工事を実施する付近に主要な眺望点があるかどうかを調べておく必要があります。

太陽光発電設備が眺望点から望める場所に設置される場合は、太陽光パネルを分散させて配置したり、植栽をおこない、存在感を軽減させたりする工夫を施すことが求められます。

山の斜面に設置する場合は、尾根線上への設置は避け、太陽光発電設備は突出しないようにします。建物の屋根に設置する場合は屋根から極力突き出さないよう、パネルの最上部をできるだけ低くし、修景を図るようにしましょう。

各地域の眺望点の有無については、都道府県や市町村のウェブサイトに公開されていますので確認してみてください。

環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋②

(出典:環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋②)

環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋③

(出典:環境省「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」抜粋③)

景観条例申請に必要な書類について

申請時に必要となる書類は各都道府県や市町村によって異なりますが、付近見取り図や現地の様子がわかる周辺写真、設備・機器の仕様書、パネル配置図面、フォトモンタージュなどさまざまです。

前編でもお伝えしましたが、「着工の30日前」など着工前に提出が必要なケースがほとんどですので、慌てることのないように事前準備をするようにしましょう。

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いかがでしたでしょうか?

機器の色彩や素材、パネルの配置などは、一度確定してしまったら変更することが難しい要素です。

景観条例による計画の手戻りがないように、太陽光発電設備設置計画をおこなう初期段階で届出の必要性を確認し、調査・準備するように心がけましょう。

また、各自治体では景観条例届出の事前相談を受け付けていることがほとんどです。配慮すべき事項について判断基準が曖昧な部分は、早めに相談してみてくださいね。

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