冷蔵庫の電気代はどのくらい?消費電力の計算方法や節電方法を知ろう
冷蔵庫は一度設置したら、24時間365日使い続ける家電製品です。
しかし、使い続けることが当然になってしまい、「使っている」という意識が低くなりがちな家電製品でもあります。では、果たしてどれほどの電気を使っているのでしょうか?
今回は、冷蔵庫にかかる電気代の計算方法から、節電方法までをご紹介します。ぜひご覧ください!
冷蔵庫の電気代はどのくらいかかる?
冷蔵庫の電気代の目安
1~2人家族向け冷蔵庫(250L想定)の場合:平均約10,000円/年間
3~4人家族向け冷蔵庫(450L想定)の場合:平均は約8,000円/年間
意外にも200~300Lの冷蔵庫よりも、400~500Lの冷蔵庫のほうが、年間で約2千円も電気代が安くなります。これは、容量の大きな冷蔵庫にはインバーター制御(※1)や高性能の断熱材(※2)が採用されていることから、200~300Lの冷蔵庫より冷却効率が高くなっていることが理由です。
※1インバーター制御
従来は一定だったコンプレッサーやモーターなどの回転数を変化させ、効率良く運転する技術です。ドアの開閉や、庫内・周辺温度に適したモーターの回転数に制御することで、きめ細かい運転ができるため、大きな省エネ効果を発揮します。
※2高性能の断熱材
冷蔵庫本体には庫内の冷気を逃さぬよう、断熱材が使用されています。容量の大きな冷蔵庫には高性能な断熱材が使用されているため断熱効果が高くなり、その分電力を使用しないのです。
冷蔵庫の年間消費電力量の目安
冷蔵庫の消費電力量についても、容量に比例して多くなると考えてしまうのではないでしょうか。
ところが、こちらも上述同様に、容量が201L以下~350Lの冷蔵庫にかかる消費電力量に比べ、それより大きい401L~501L以上の冷蔵庫にかかる消費電力量の方が少なくなっています。
また、どの容量サイズの冷蔵庫を見ても、2016年時点の消費電力量と2022年時点の消費電力量を比較すると、その消費電力量は減少傾向にあることがわかります。つまり、それだけ冷蔵庫の性能が毎年上がっているということですね。
冷蔵庫の電気代の計算方法
次に、冷蔵庫の電気代は、冷蔵庫の説明書などに記載されている年間消費電力量から計算することができます。計算式は以下のようになります。
年間消費電力量(※1)×1kWhあたりの電力量料金単価(※2)=年間の電気代(目安)
※1冷蔵庫や冷蔵庫の説明書に記載されている年間消費電力量
※2ご契約されている電気料金プランの1kWhあたりの電力量料金単価
電気代は契約している電気料金プランによって異なるため、ここでは公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が制定している電気料金の目安単価「31円/kWh(税込)」で計算します。上図定格内容積401~450Lの2022年の年間消費電力量「287kWh」で試算してみましょう。
287kWh/年 × 31円/kWh = 8,897円/年間の電気代(目安)
このように簡単に電気代目安を算出することができます。ご家庭の冷蔵庫でも試してみて下さい。
冷蔵庫の電気代を節電する方法
それでは、冷蔵庫にかかる電気代の具体的な節電方法をいくつかご紹介します。簡単に実践できることが多いので、ぜひ取り入れてみてください!
室温に合わせて設定温度を調整する
外の気温が高い時は、庫内の温度も影響を受けやすいですが、省エネを考えるあまり、夏の時期に「弱」設定をすると食材が傷んでしまう可能性もあるため、注意が必要です。
また、冬は夏よりも外の気温が低くなるため、省エネを考え冷蔵庫の温度設定を「弱」にする場合もあると思います。しかし、冷蔵庫の周辺にコンロがある場合や室内の空調設定によっては、冬でも冷蔵庫の周りだけ熱が籠っている可能性があるため、注意が必要です。
壁から離して設置する
冷蔵庫は、左右、上部にできるだけすき間をあけて設置しましょう。周囲にすき間がないと、放熱の効率が悪くなり余分な電力を消費します。
設置の目安は、上部に5cm~30cm、左右に0.5cm~2cmとされています。こちら機種によって異なりますので、使用している冷蔵庫のメーカーカタログをご確認ください。
すき間を開けて設置することで、すき間を開けずに設置した場合より年間で約1220円の節約ができると言われています。
開け閉めする回数を減らす
冷蔵庫は開閉時に外気を取り入れるため、開閉の度に冷気が外に逃げ、庫内を冷やすために無駄な電気代がかかってしまいます。なるべく開閉回数を減らしましょう。
開けている時間を短くする
冷蔵庫を開けると冷却機能が止まり、庫内の温度が上昇します。開けっ放しに気づいてから扉を閉めると、再び庫内を冷やすために電力を多く使うので注意が必要です。
何がどこにあるかわかるように整理したり、あらかじめ必要な材料を決めておくなど工夫し、開けている時間はなるべく短くしましょう。
温かい料理は冷ましてから入れる
調理した料理を保存するときなど、早く冷蔵庫に保存したくなるかもしれませんが、それは避けましょう。
料理が温かいまま冷蔵庫の中に入れてしまうと、庫内の温度が上昇してしまい、冷却のために余分な電力を消費してしまいます。また温度の上昇によって、他の食品に影響を及ぼすため、温かい料理は冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしましょう。
冷蔵庫内にものを詰め込みすぎない
冷蔵庫内に食材を入れすぎると、冷気の循環が悪くなってしまい、庫内温度が上昇し、余分な冷却運転が必要になり消費電力が増えてしまいます。
そのため、冷えるまでに時間がかかり、余計な電気代がかかるので注意しましょう。
ドアパッキンを掃除する
冷蔵庫の扉は、磁石によって閉まる仕組みになっています。磁石の上をゴムパッキンが覆っているのですが、ゴムパッキンが汚れていると磁石の性能が落ちてしまい、上手く閉まらなくなることがあります。
そのため、ゴムパッキンはしっかり掃除して汚れを取り除き、もしゴムパッキンが壊れている場合は取り替えましょう。
省エネ性能の高い冷蔵庫に買い替える
経済産業省 資源エネルギー庁が運営する「省エネポータルサイト」によると、今どきの冷蔵庫は10年前と比べると約40~47%も省エネできる性能となっているため、古い冷蔵庫を使っている場合は、買い替えが省エネにつながります。
買い替えを検討する際に目安の1つとなるのが「統一省エネルギーラベル」です。省エネ性能が最大 5つの「星」の数で表示され、省エネ性能が優れているものほど「星」の数が多くなります。
5つ星の家電製品は高価なものが多いですが、その分省エネ性能が高いので、トータルで見たときにコスト減になる場合があります。
☞参考:Panasonic「省エネにもなる!冷蔵庫の適正温度と適切な食品の保存先」
☞参考:SHARP「冷蔵庫 上手な使いかた」
消費電力量を減らして節電しよう
実際に、ご家庭で一般的に使用される家電製品の1日あたりの消費電力量の割合は、下図の通りです。
最も多いのはエアコンですが、次点で冷蔵庫の消費電力量が多く、その割合は14.2%を占めています。つまり、上述のような冷蔵庫に対する節電対策をおこなうことは、電気代にもある程度の影響を与えるでしょう。
ぜひ実践して、どれくらいの影響があるかを確認してみてくださいね。
再エネ設備を導入するのも手!
今回は、冷蔵庫をピックアップして電気代や節約のコツをご紹介しました。
しかし、「もっと節電ができれば・・・」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
近年では、冷蔵庫の平均使用年数は約12年近くまで長期化されているとも言われています。
早めに省エネ性能の高い製品に買い替えると電気代を大幅に削減できるかもしれないですね。
家電製品の買い替えはタイミング的に難しい場合は、再生可能エネルギー設備を導入するという手もあります。
当社では、太陽光発電システムやテスラ社の家庭用蓄電池「パワーウォール」などの導入サービスを展開しており、ライフスタイルに合った設備導入のご提案をさせていだいております。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
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