[電気代はいつから?どのくらい上がる?]電力会社各社の値上げ申請状況まとめ

最終更新:2023年3月22日
毎月、電気料金明細を確認しては「電気代高すぎる…」とため息の出る現状が続いていますね。
そんな中、追い打ちをかけるように東京電力エナジーパートナー株式会社(東電EP)などの一般的に大手電力会社と呼ばれる小売電気事業者が、相次いで電気料金の値上げ申請を経済産業省に申請しています。
そこで今回は、現時点での各大手電力会社の値上げ申請状況と、申請している値上げ率、認可された場合の値上げ実施予定日などについて簡単にまとめてみました。
大手電力会社の家庭向け電気料金値上げ申請状況
以下の大手電力会社は現在、経済産業省に値上げ申請を提出しており、その認可申請を受理されている段階です。これはあくまで“申請を受け取りました”という意味で、まだ認可はされていません。
また、国に認可されるまでは、各社が電気料金の値上げを実施することはありません。最新情報は経済産業省のニュースリリースより確認することができます。
今回、各社の値上げ対象は基本「規制料金」部門となります。これは、電力自由化前からある従来の「従量電灯」などの電気料金プランが対象です。具体的な対象プランなどの詳細は、各社の申請概要資料をご覧ください。
2023年4月以降値上げが見込まれる大手電力会社
申請会社 | 規制料金部門の 平均引き上げ率 |
実施予定日 | 詳細リンク |
東北電力株式会社 | 32.94% | 2023/4/1 | P41「電気料金の設定について」 |
中国電力株式会社 | 31.33% | 2023/4/1 | P11「申請原価の概要(規制料金)」 |
四国電力株式会社 | 28.08% | 2023/4/1 | P6,19「電気料金の値上げ申請の概要」 |
沖縄電力株式会社 | 43.81% ※自由化部門も37.91% |
2023/4/1 | P6「電気料金の値上げ申請の概要」 |
北陸電力株式会社 | 45.84% | 2023/4/1 | P9「申請原価の概要(規制料金原価・改定幅)」 |
東京電力エナジーパートナー株式会社 | 29.31% ※自由化部門も5.28% |
2023/6/1 | P8「電気料金値上げの概要」 |
北海道電力株式会社 | 32.17% ※自由化部門も (詳細未定) |
2023/6/1 | P12「規制料金の値上げ幅」 |
上記の通り、2022年11月~2023年1月の間に大手電力会社10社中7社が、このような内容で国に値上げ申請を出しています。一部電力会社は、規制料金部門だけでなく自由化部門も値上げを実施する予定のようです。
また、残りの3社(関西電力株式会社/中部電力株式会社/九州電力株式会社)からは、2023年2月6日時点で値上げに関する申請は提出・受理されていないようです。原子力発電所の再稼働などもあり、電源にまだ余裕があることが理由の1つと考えられています。
(参考:日本経済新聞「東京電力、家庭料金3割輪上げ申請 燃料高で大手6社目」)
託送料金はすでに値上げ申請認可も
もう一点、電気料金の値上げにつながると懸念されている要素が、一般送配電事業者からの「託送料金」の値上げ申請です。
一般送配電事業者?託送料金とは?
「一般送配電事業者」とは、上記で挙げた大手電力会社10社の送配電網を管理している部門(または分社)のことを指します。各事業者の名称は以下の通りです。
<一般送配電事業者(10社)>
・北海道電力ネットワーク株式会社
・東北電力ネットワーク株式会社
・東京電力パワーグリッド株式会社
・中部電力パワーグリッド株式会社
・北陸電力送配電株式会社
・関西電力送配電株式会社
・中国電力ネットワーク株式会社
・四国電力送配電株式会社
・九州電力送配電株式会社
・沖縄電力株式会社
「託送料金」とは、電気を送る際に小売電気事業者(例:楽天でんきや東京ガスなど)が利用する送配電網の利用料金として一般送配電事業者が設定している料金のことを指します。
これは、上記例などの新規で参入した小売電気事業者だけでなく、既存の大手電力会社の小売部門(例:東京電力エナジーパートナーなど)が送配電網を利用する際にも、各社が販売した電気の量に応じて託送料金を支払います。
(参考:経済産業省資源エネルギー庁「料金設定の仕組みとは?」)
託送料金の値上げで電気代はいくらぐらい上がる?
つまり、この「託送料金」が値上がりすることは、基本的に全ての小売電気事業者の負担が増えることにつながります。なぜなら、電気を販売する上で送電線/配電線の利用は必須だからです。
通常、託送料金は電気料金明細に項目として記載はされていませんが、「基本料金」や「従量料金」に含まれています。今回の値上げ申請が認可されたことで価格が上がってしまう託送料金を、電力会社がどこまで自社で負担し、どこまで需要家に請求するかは各社によって異なってくるでしょう。
<参考例>
2023年1月31日:
NHK NEWS WEBが掲載した記事「沖縄電力の託送料金 値上げ認可 月額430円余り上乗せへ」では、沖縄電力が以下のようになるとまとめられていました。
2023年4月1日から一般的な家庭の電気料金に含まれる「託送料金」は、今よりも基本料金が67円、電力量料金が1キロワットアワーあたり1.4円値上げ。そのため、4月からは一般的な家庭の場合、電気料金は月額430円余り上乗せされることになる。
2023年2月14日:
関西電力では、規制料金プランなどが以下のように値上げすることが発表されました。
「託送料金」の値上げ認可により、2023年4月1日から関西エリアの規制料金部門/自由化部門の電気料金を値上げ。標準的な一般家庭向けのプラン(従量電灯A)の場合、月に93円増額し、約1.6%の値上げになる。また、一部の低圧自由料金メニューでは、2023年5月分から燃料費調整の上限撤廃も実施される。
電力会社によっては、プラスで電気料金の値上げも認可されると、さらなる負担となります。
国からの負担軽減策(電気・ガス価格激変緩和対策事業)もあるので、最終的に需要家へどの程度の負担増が起こるかはまだ明確には言えませんが、いずれにしても確実に電気料金はまた値上がりするでしょう。
2023年6月~7月は特に、ニュースや契約している電力会社からのプレスリリース・お知らせに注目して情報を追っていきましょう。
電気代を節約するには?方法と対策
どうしても高くなる電気代にどう対応していくか。最後に、簡単にできるものから他の付加価値があるものまで、いくつかご紹介します。
簡単にできる電気代節約方法
①エアコンのフィルターを月に1~2回清掃する
→2.2kWのエアコンの場合、清掃後は年間約31.95kWhの省エネ(約990円の節約)
②冷蔵庫を壁から適切な間隔で設置する
→上と左右が壁に接している場合と片側が壁に接している場合、後者なら年間約48.08kWhの省エネ(約1,400円の節約)
③加熱をガスコンロから電子レンジに変更する
→例えば、ブロッコリーやカボチャの下拵えに電子レンジを利用した場合、年間約1,000円の節約
(参考:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」)
②については、冷蔵庫がきちんと放熱できる離隔が必要ということですね。必要な離隔はメーカーによって異なりますが、少し余裕のある離隔が取れると小まめに掃除もしやすくていいかもしれません。
その他、冬の時期にご家庭で簡単にできる省エネ・節電方法に関しては、経済産業省よりわかりやすくまとめられたPDFデータなどもあります。こちらも参考にしてみてください。
☞経済産業省「冬季の省エネ・節電メニュー」
災害にも強いスマートハウス化
日々の節電だけでなく、長い目で見たときの電気代削減効果や、いざというときにも備えておきたいという方には「太陽光発電設備+家庭用蓄電池」の導入をおすすめします。
太陽光発電、蓄電池それぞれ単体だけでもある程度の効果や能力を発揮しますが、2つがセットになることでその安心度合いはグッと上がります。
例えば、万が一停電が長く続くような状況になった際も、太陽が出ていれば発電でき、発電した電気を蓄電池にためておけるので、半永久的に電気を利用することが可能となります。
詳しくは、各機器の魅力と相乗効果をまとめた下記記事などを参考にご覧ください。
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いかがでしたでしょうか?
なぜ電気代の値上がりが続くのか?電気料金の何が高騰しているのか?などについては、以下のような記事も参考にご覧になってみてくださいね。
目まぐるしく状況が変化し続ける電力業界ですが、私たちの日々の暮らしに密接に関係しているライフラインの1つでもあるので、今後もぜひ情報を追ってみてください。
また、当社横浜環境デザインでは太陽光発電設備をはじめ、家庭用蓄電池やV2Hなどの取り扱いもございますので、何かご不明点や不安事項などございましたらぜひ一度お問い合わせください。
☞エネルギーも含む物価上昇はいつまで続く?
☞太陽光発電+蓄電池のある生活レビュー!