ホッキョクグマの生活も激変!脱炭素が急がれる理由と生態系のリアル
2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)。
そこで成立した、国際的な温暖化対策である「パリ協定」。
このパリ協定で言及された“気温上昇抑制目標”を超えると、さまざまな生態系に大きな悪影響を与えるといわれているため、現在、脱炭素化が急がれています。
今回はパリ協定の内容をおさらいし、地球温暖化によって生活が激変しているホッキョクグマや絶滅危惧種に認定される恐れのある野生動物の実態を取り上げて、脱炭素化の重要性を再確認していきましょう。
【おさらい!】パリ協定の2℃目標と1.5℃目標
脱炭素化と深く関わるのが、冒頭でも触れたパリ協定です。
先進国や発展途上国を含む世界の約200カ国が、以下の目標について合意しました。
・産業革命前(1750年頃)と比較し、世界の平均気温上昇を2℃より十分低くし、1.5℃に抑える努力をする
・二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに10年比で45%に減らし、2050年には二酸化炭素の森林などによる吸収量や技術で回収する量を差し引いて「実質ゼロ」にする
上記の目標が設定されたのは、
・産業革命以降の1880年~2012年まで間に世界の地上気温が0.85℃上昇している
・地上気温が5℃、2℃と上昇すると生態系に悪影響を与える恐れがある
といった背景があったからでした。
世界の地上気温が1.5℃、2℃と上昇していくと受ける具体的な影響の一例をご紹介します。
世界のさまざまな影響 | 上昇気温 | |
1.5℃上がった場合 | 2℃上がった場合 | |
北極の海氷が 夏に消失する頻度 |
100年に1回程度 | 少なくとも10年に1回 |
海洋の年間漁獲高 | 150万トン減少 | 300万トン以上減少 |
少なくとも5年に1度 熱波の被害にあう人口 |
約14% | 約37%(約17億人増加) |
IPCCの最新データ:世界の深刻な現状
また、8月9日に公表された最新のIPCCの報告書(第6次評価報告書)では、産業革命前の平均地上気温に比べ、直近の2011~2020年(10年平均)で1.09℃上昇したことが判明しました。
最新の分析では、CO2排出量が多い場合から少ない場合まで5つのパターンのシナリオを立てたところ、いずれも2040年までの間に1.5℃上昇するという結果になったそうです。
熱波に関していえば、世界の地上気温が1.5℃を超えると、50年に一度レベルの熱波が5~6年に一度の間隔で発生するようになるといわれています。
実際に、昨年から今年にかけてカナダやアメリカ西部で猛威を振るった異常な熱波では、カナダ史上最高気温となる摂氏49.6度を記録し、多くの死者も出ました。
生態系を激変させる1.5℃までに上昇させないようにするには、CO2排出量をパリ協定で決められた量まで減らすことに、今まで以上に各国、そして一人ひとりが取り組んでいかなければなりません。
生態系の危機:迫る絶滅へのカウントダウン…?
世界の気温上昇は、人間だけでなくさまざまな生物へも大きな影響を与えます。
いくつか具体例を取り上げてみましょう。
ホッキョクグマの生きる世界もこんなに激変
地球温暖化の影響を、直に受けている生態系のひとつ——それがホッキョクグマです。
この数十年で、北極の海氷面積は減少しているといわれています。
北極の海氷は春になると溶けて秋になると固まっていきますが、地球温暖化によって海氷の解凍が早くなり、固まるのが遅くなっているのです。
これは、ホッキョクグマが海氷上で獲物を捕らえる時期が短くなったり、住む場所が減ったりしていることを意味しています。
地球温暖化が進むと北極の海氷面積の減少がますます進み、ホッキョクグマは長い間海を泳がなければなりません。結果として体が弱ってしまい、絶滅してしまうことが懸念されています。
ホッキョクグマだけじゃない、ウミガメの世界もこんなに激変
私たちに身近なあのウミガメも今、地球温暖化によって生態系が変わりつつあります。
公益財団法人・世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)によると、オーストラリアのグレートバリアリーフでWWFオーストラリアにより調査されたアオウミガメ411頭のうち、約90%がメスだったそうです。
アオウミガメの性別は、卵が産み落とされた砂の温度で決まります。温度が高いとメス、低いとオスとなり、両性のバランスが保たれることで繁殖していきます。
しかし、温暖化が進んで砂の温度がますます高くなるとメスばかりが増えてしまうため、繁殖が進まなくなります。
そうなると、ウミガメは絶滅してしまうかもしれません。
生態系の変化から見る地球温暖化と脱炭素の必要性
いかがでしたでしょうか?
地球温暖化によってさまざまな生態系が危機にさらされています。長い歴史の中で生み出された価値のある生態系は、絶滅させないよう守っていくべきものです。
こうした側面もあり、今「脱炭素化」は急がれています。
政府や企業規模でも進められている脱炭素ですが、実は私たち一人ひとりにも取り組めることがたくさんあります!
例えば、資源の再利用として
・マイバッグやマイボトルを使うこと
・古着などをリメイクすること
エネルギー消費をおさえる方法として
・家庭で省エネをすること
・太陽光発電設備を導入して創エネすること
・家庭用蓄電池を導入して蓄エネすること
私たちそれぞれが意識して、できることから実践していくことが重要になります。
当社では、家庭用/産業用の太陽光発電システム・蓄電池の設計や施工、販売を行っています。
ご家庭で脱炭素に向けた取組みにご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
☞「脱炭素」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ