深刻化する砂漠化:世界の現状と原因をわかりやすく[対策例も]

環境

砂漠化

6月17日は「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」。

先月の5月9日~20日までの間、コートジボワールのアビジャンでは国連砂漠化対処条約(UNCCD)の第15回締約国会議(COP15)が開催されていました。その場では、コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領が次のことを述べました。

「砂漠化の進行と干ばつにより、世界中で毎年1,200万ヘクタール、毎分23ヘクタールの土地が消滅している。土地の荒廃は貧困層の74%に直接的に影響を及ぼしている」
(参照:JETRO ビジネス短信「コートジボワールで砂漠化対処条約第15回締約国会議が開催」)

砂漠化と干ばつの問題には、その原因に「温室効果ガス」も含まれるため、地球温暖化対策に対する意識が高まりつつある私たちにも大いに関係のある問題です。

今回は砂漠化および干ばつと闘う世界デーに触れながら、地球で起こっている砂漠化と干ばつ問題について紹介します。

最新状況例:イラクで起きた大規模砂嵐の被害と原因

砂漠化_砂嵐イメージ

日本ではあまり馴染みのない砂漠化と干ばつですが、世界にはこれらが原因で大きな被害を受けている地域があることをご存じでしょうか。

たとえば、中東のイラクでは今年2022年5月16日に大規模な砂嵐が発生し、次のような大きな被害がもたらされました。

・約4,000人が呼吸困難に陥る
・首都バグダッドなどの空港において飛行機の離着陸が取りやめられる
・学校や店舗などの施設が閉鎖される

イラクではここ数年、気候変動による高温や雨不足による干ばつが深刻化していました。5月に起きた大規模な砂嵐は、これらの環境問題が原因と指摘されています。

今イラクで起きている環境問題は、さらに砂漠化を進めることになります。環境省によると、砂漠化は以下のように定義されているからです。

乾燥地域、半乾燥地域及び乾燥半湿潤地域における種々の要因(気候の変動及び人間活動を含む。)による土地の劣化
(参照:環境省_自然環境局【砂漠化対策】-砂漠化する地球

環境省自然環境局は、砂漠化につながる干ばつのような乾燥地域は、今地球では陸地の40%以上あると多くの研究で発表されていることを公表しています。今世紀末には、乾燥地域はさらに7%増えるとも予測されているようです。

6/17「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」とは?

砂漠化_現状と原因

乾燥地域を減らし、砂漠化を防止するための取組みとして制定されたのが、6月17日の「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」です。

砂漠化を防いで干ばつから人々を救うことを目的に、1995年1月10日に国連によって定められました。そのため、国連は毎年6月17日になると、砂漠化や干ばつに対する取組みとその現状を報告しています。

しかし、「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」が制定されたことで砂漠化や干ばつに対する意識は高まっているものの、地球の砂漠化は収まるどころか依然として進んでいます。

砂漠化が進むとどうなるのか?

砂漠化が進むと、水と食料不足に陥ります。
砂漠化した土地には水を蓄えられず、農業ができなくなるからです。

そうなると、私たちは十分な栄養を摂ることができなくなります。
国際連合広報センター
によると、現に砂漠化した土地で暮らす10億人もの人々が十分な栄養を摂ることができていないそうです。

砂漠化が進む原因とは?

砂漠化の原因には、前述したような気候変動による高温と雨不足による干ばつ、さらには「温室効果ガス」の増加も含まれます。なぜなら、温室効果ガスは地表を暖める性質があるからです。

つまり、温室効果ガスの増加は地球温暖化に繋がり、その結果、気候変動が進行して気温上昇や干ばつを悪化させてしまいます。そして、その影響でさらに砂漠化は拡大し、地球温暖化に繋がってしまうという負の循環ができてしまっている状況にあります。

そのため、温室効果ガスの増加は砂漠化を進める大きな原因の1つと言えるでしょう。

砂漠化防止へ!世界でおこなわれているプロジェクト

地球の砂漠化を防止するために、日本を含め世界ではさまざまな取組みがおこなわれています。ここではその一部をご紹介しましょう。

世界でおこなわれている砂漠化対策と取組み

世界でおこなわれている砂漠化防止への主な取組みとしては、次の2つが挙げられます。

  1. 砂漠化対処条約

深刻な干ばつ、または砂漠化問題を抱えている国や地域に対しておこなわれる以下2つを規定する条約です。2019年12月時点で世界196の国と地域が締約しています。

①対処するための行動計画を作って実施すること
②条約に締約した先進国が支援すること

砂漠化対処条約が発効されて以来、締約国が集まる「締約国会議」が定期的に開催されています。この会議では、干ばつや砂漠化に対処するための効果的な取組みが話し合われたり、成果が報告されたりしています。

  1. 砂漠と砂漠化との闘いの10年間(2010-2020)

2010年8月16日に国連が発表した取組みです。

①地球の全陸地面積の4分の1(約36億ヘクタール)
②世界100カ国以上
③世界10億人以上

この3つが砂漠化による悪影響を受けているという現状から、人々の砂漠化問題に対する意識を向上させたり、砂漠化防止への対策を強化したりする目的で決定されました。

また、昨年2021年の砂漠化および干ばつと闘う世界デーでは、国連は以下の成果を公表しています。

・砂漠化、土地劣化、干ばつに対する意識が向上した
・砂漠化に対する科学と知識の基礎が飛躍的に拡大した
例えば、「土地劣化の中立性」を土地の被覆、土地の生産性、土壌中の炭素量という3つの指標から評価する手法を開発した
・土地劣化を防ぐ行動を誘導する政策が進展した
例えば、土地劣化を防ぐ技術を普及する際に小農や女性が土地保有権や資源へのアクセスを持っていないことが問題となるが、多くの国でその議論が始まった

(参照:317. 「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」と持続的土地管理 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

 

日本でおこなわれている砂漠化対策と取組み

日本でおこなわれている砂漠化防止への取組みとしては、主に次の2つが挙げられます。

  1. 日本政府による取組み

日本は、前述した砂漠化対処条約の締約国です。
そのため、先進締約国として砂漠化の影響を受ける国や地域を支援しています。

具体的には、以下のように拠出や技術提供といった形で支援を実施しています。

日本政府による取組み

(参考:環境省_自然環境局【砂漠化対策】-砂漠化する地球)

  1. 環境省による取組み

環境省では、科学的側面から砂漠化や干ばつに対処する国や地域の取組みを支援する事業をおこなっています。

【環境省の砂漠化対処支援事業の例】

環境省の砂漠化対処支援事業の例

(参考:人々の暮らしと砂漠化対処|環境省自然環境局自然環境計画課)

砂漠化に対する取組みはSDGsの環境目標達成にもつながる

砂漠化に対する取組みは、今話題となっているSDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながります。関連する目標は、17つのうち目標13と目標15です。

SDGs

目標13

目標13では、地球温暖化のような気候変動に対して実施すべき目標が定められています。
気候変動は砂漠化を進める要因に繋がっているため、目標13を達成することは、結果として砂漠化の防止や縮小になると考えられます。

目標15

目標15では、森林などの陸上の資源に対しておこなうべき目標が定められています。
陸上の資源は酸素や土を作って水を蓄えるため、生き物が暮らしていくために必要です。森林がなくなると水不足を招き、干ばつや砂漠化を進めます。
目標15を達成できれば砂漠化の原因となる水不足を防げるため、これ以上土地が乾燥して劣化していくことを阻止できるのです。

このように、砂漠化に対する取組みは、SDGsを達成して地球上で暮らす私たち人間全員を救うことにもなるのですね。

砂漠化防止のために私たちができることは?

砂漠化問題は、日本にとっても他人事ではありません。
日本では、毎年春になると東アジアの砂漠地域から黄砂が飛来してくるからです。

黄砂の発生地域や近隣地域では、呼吸器疾患の発症や農作物への被害などを受けています。もし、東アジアの砂漠化が深刻化すると、日本でもこうした被害を受けるリスクが高まるといえます。

砂漠化を防止するため、私たち一人ひとりにもできることは、砂漠化や干ばつ問題を理解することと、次のような温室効果ガスを減らす方法に取り組むことです。

温室効果ガスを減らす取り組み

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いかがでしたでしょうか?
今回は、砂漠化および干ばつと闘う世界デーに関連して、世界で起こっている砂漠化問題について紹介してきました。

私たち人間がこれからも地球で長く暮らしていくためにも、砂漠化の一因である温室効果ガスを減らす取組みに、できることから取り組んでいきたいですね。

当社横浜環境デザインでは、温室効果ガスを減らす取組みとして、太陽光発電システムや蓄電池のご提案と設置のサービスを展開しております。ご興味やご相談のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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