季節イベントの商品は食品ロスになりやすい?日本ならではの悩み
皆さま、2月のイベントは満喫しましたか?
節分では豆菓子に恵方巻き、バレンタインにはチョコレートなど、2月は意外と食べもの系の季節イベントが多いですよね。
ですが、SDGsや食品ロスに目を向けるようになった近ごろ、ふと思ったのは「こういう季節もの商品の売れ残りってどうなるんだろう?」ということ。
毎年楽しみにしている季節のイベント。その裏で発生している問題と解決策について、この機会に知っておきましょう!
四季折々!日本ならではの季節イベントと関連食べもの
クリスマスなどの世界的なイベントだけでなく、日本では四季に合わせてさまざまなイベント(行事)がありますね。中でも大きなピンポイントのイベントをいくつかピックアップしてみましょう。
<日本の食べもの関連のイベント>
・お正月:お雑煮、おしるこ(お餅)
・節分:大豆、恵方巻き
・バレンタイン:チョコレート
・土用丑の日:うなぎ
・ハロウィン:かぼちゃ
・クリスマス:チキン、ケーキ
ほかにも「この日にはこれを食べる!」という記念日はありますが、特にそれ一色になるイベントはこの辺りでしょうか。
日本ならではの伝統文化からきているイベントもありますが、日本で独自の変化を遂げたイベントとして有名なのは、“バレンタインデー”と“ハロウィン”ですね。
少し深掘り!日本でのバレンタインデー
元々はローマ帝国で発祥した記念日で、今では世界的にも恋愛や感謝に結びつけられているイベントです。ただし、多くの国では男性から女性にお花やカードなどを贈るのが一般的とされています。
ではなぜ、日本では女性から男性へチョコレートを贈る文化になったのか?
諸説ありますが、よく聞くのは昭和中頃、都内のデパートで開催されたバレンタインセールで、チョコレート業者が「バレンタインにはチョコを贈ろう」と広告を出したことから大きく広まったという説ですね。日本でのバレンタイン普及もその頃からなので、印象深かったのかもしれません。
少し深掘り!日本でのハロウィン
ハロウィンも元々の発祥は古代ケルト、つまり現在のアイルランドと言われています。本来は秋の収穫を祝う意味と、悪霊を追い祓う意味を持つお祭りだったようですが、現在は仮装した子どもがお菓子をもらえるイベントになっていますね。
日本では、ハロウィンと言えば「かぼちゃの料理やお菓子を食べる!」というイメージが強いですが、アメリカなどの海外では必ずしもそうではありません。
確かに、かぼちゃの中身をくり抜いてジャックオランタンを作ったりしますが、あれは食用のかぼちゃではないのです。なので、「特にこれを食べる」という食材は意外となかったりします。
季節商品と食品ロス:その実態とは?関係省庁のデータ
さて、それでは次に日本の食品ロス状況を知ってみましょう。
農林水産省によると、令和元年(2019年)の日本国内の食品ロス量は570万トン。これは、日本人1人当たりが、毎日お茶碗約一杯分のご飯を捨てているのと等しい廃棄量です。
この570万トンは大きく2つに分かれ、うち261万トンが“家庭系食品ロス”、309万トンが“事業系食品ロス”となります。“事業系食品ロス”をさらに細かく分類すると、多い順に次の通りです。
・食品製造業:128万トン(製造工程のロス・返品など)
・外食産業:103万トン(食べ残し・仕込みロスなど)
・食品小売業:64万トン(返品・納期切れ・売れ残り・破損品など)
・食品卸売業:14万トン(同上)
(環境省「食品ロスポータルサイト」より)
この中に先ほど挙げたような季節商品の食品ロスも含まれてくるのですが、「季節商品の食品ロス」が大きく注目されるようになったひとつのきっかけは、2017年にSNSで取り上げられた“節分後の恵方巻き大量廃棄”問題でした。
季節商品の食品ロス:問題のひとつとしてピックアップされた「恵方巻き」
当時、節分後の恵方巻きの廃棄は社会的にも話題となり、ニュースなどでも取り上げられました。
そうした背景を受け、2019年より農林水産省から食品小売業の団体へ、恵方巻きの食品ロスを削減するための対応を呼びかける発出を出すなどの取組みがおこなわれています。
その結果、取組み1年目の2019年でも前年度(2018年)と比較し、「節分時の廃棄率が減少した」と回答した割合は、なんと87%!その削減割合は「6割以上」との回答が31%と最も多くなりました。
では、食品小売業の団体は発出を受けて、実際にどんな取組みをおこなったのでしょうか?
その方法についても、いくつか見てみましょう。
季節イベントの食品ロスを減らす!さまざまな取組み方法
さまざまな企業の取組み例
農林水産省によると、今年(2022年)の恵方巻きの食品ロス削減に向けた取組み事例では、次のようなことがおこなわれました。
①予約販売の強化
→限定商品や予約特典で、予約での購入を促した
②製造・販売計画の工夫
→前年の実績や傾向を基に無理のない計画にした
③サイズ・メニュー構成の工夫
→ハーフサイズや細巻など食べきりやすさを重視した
④当日のオペレーションの工夫
→当日販売分は売り切りにし、廃棄をなくした
「恵方巻きの販売は予約のみ」とした販売方法も多かったようです。こうすると、必要な分を必要なだけ作ることができるので、とても効果的ですね!
その他にも、企業によって他種多様な工夫があり面白いので、気になった方はぜひご覧ください。
☞農林水産省『季節食品のロス削減』
個人でもできる!季節商品の食品ロスを減らす方法
最後に、個人でも気軽にできる季節商品の食品ロスを減らす方法、考え方をいくつかご紹介します。
①季節イベント商品はなるべく予約して購入する
恵方巻きに限らず、クリスマスケーキやバレンタインのチョコレートなど、最近はオンラインでの予約が特に充実しています。企業の取組み例でもあったように、予約特典があるものも多いですよね!
企業側が必要なだけの材料を用意できるように、私たち消費者側もなるべく予約の利用をしてみましょう。
②アフター◯◯!イベント日後に楽しむ
どうしてもイベント当日が過ぎると大きく落ち込む消費…そこに目をつけて、特に自分用に楽しみたい場合は、イベント日後のセール品に目を向けてみませんか?
例えばバレンタインだと、食品ロス削減に取り組んでいるKURADASHIでは今年、バレンタインが終わった2月15日からチョコレートを販売するお店をオープンしました。(※現在終了)
その他にも、ネットショップやフードシェア系のアプリでは、イベント日後がある意味ねらい目になります。ぜひ探してみてくださいね。
③特別な商品に目を向けてみる
食品ロスに注目が集まっている近年、イベント商品でも“ロスをなくす”ことを意識した商品も少しずつ増えてきています。高級ブランドのものも確かに魅力的ですが、原材料にこだわった特別な商品にも、ぜひ目を向けてみてください。
☞例えば:ロスゼロ「食べる理由があるチョコレート」
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いかがでしたか?
私も今年は、恵方巻きはほっともっと弁当のハーフサイズを予約して食べました!丁度いいサイズ感でとても美味しかったです。
コロナ禍もあり、ネットで予約して購入することに対するハードルは下がってきていると思います。これから来る「土用丑の日」などでも、ぜひ予約して美味しく楽しみましょう!