海洋プラごみ問題の原因は「使い捨て」?きちんと分別するだけでも対策に!

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【海洋プラごみの影響】クジラの赤ちゃん、死因はプラスチックごみ?

クジラ_子ども

2018年8月、鎌倉の由比ガ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんの死骸が打ち上げられました。
赤ちゃんとはいえ体長は10メートル超。日本の海岸に漂着した記録は過去にありません。

それだけでも大きなニュースですが、加えてショッキングだったのは、“クジラの体内からプラスチックごみが発見されたこと

今回、このプラスチックごみは死因に直接関係したわけではないようですが、本来母乳しか飲まない時期のクジラの赤ちゃんが誤飲するほど、今の海にはプラスチックごみが漂っていることの証明になる事件でした。

プラスチックごみによる海洋生物への悪影響は以前から警鐘が鳴らされていましたが、絶滅危惧種であるシロナガスクジラの赤ちゃんにまで影響を及ぼしていたことが判明し、プラスチックごみ削減がますます注目されるようになりました。

神奈川県は、この出来事を「クジラからのメッセージ」ととらえ、「かながわプラごみゼロ宣言」を2018年9月に発表しました。
☞詳しくはこちら

宣言の内容は、ワンウエイプラ(使い捨てプラスチック)の削減、プラゴミ再利用の推進、クリーン活動の拡大など。2021年3月の時点で、協賛する企業、団体、学校は2000を超えプラスチックごみ削減の機運が高まっています。

毎年約800万トン 海洋プラごみが増えている原因とは?

日本財団の「日本財団ジャーナル」によると、海洋プラスチックごみは海洋ごみの中でも最も多く、その量は毎年約800万トンに及ぶそうです。

しかし、海を漂うプラスチックごみは、すべてが直接海に投げ捨てられたわけではありません。

環境省「海洋ごみ問題について」

(出典:環境省「海洋ごみ問題について」)

上図の通り、陸地でポイ捨てされたごみが風に乗ったり排水溝を流れたりし、川を通って海に流れ出たものがほとんどです。海岸に打ち上げられているごみのうち、約70%が山、街、川原などから川を通じて海に流れ出たものという調査結果もあります。
☞横浜市資源循環局の動画「ポイ捨てごみはどこへ行く?~海を漂うプラスチック~」

使い捨てや過剰梱包=海洋プラごみの原因の1つに

WWFの「海洋プラスチック問題について」によると、プラスチックごみが増える原因の1つは、プラスチック製品の使い捨てや過剰包装です。

スーパーに一度買い物に行っただけで食品トレイやお菓子のパッケージなど、プラスチックごみが大量に出ると感じる方も多いのではないでしょうか?
さらに2020年以降、コロナ禍によりテイクアウト需要が急増。また、感染リスクを考慮した結果、使い捨ての容器が主流となりました。そのため、食後に必ずプラスチックごみが発生してしまうのです。

もちろん、焼却やリサイクルなど、環境に優しくプラスチックを処理する方法はあります。ところがポイ捨てされたものなどは、先ほど述べたように風や川に乗って海に到達してしまいます。

もう1つの大きな問題:マイクロプラスチック

ここで懸念されているのが、マイクロプラスチックです。
マイクロプラスチックとは、5ミリ以下の小さなプラスチック片のこと。目には見えないほどのサイズですが、ダイオキシンなどの海の有害化学物質を取り込みやすいことが研究でわかってきました。

つまり、マイクロプラスチックが漂うことで、海に有害化学物質が広がる恐れがあります。
それだけでなく、海洋生物がマイクロプラスチックをエサと間違えて食べてしまうと体内に有害化学物質が蓄積。それを食べる人間にも、悪影響があると懸念されています。

このマイクロプラスチック問題は、このままいけば2050年には海を漂うプラスチックごみの総重量が、海洋生物の総重量を上回るとも。そんな危機的状況を受けて今、世界ではプラスチックごみを減らす活動がおこなわれています。

ごみを正しく分別することが海を守る第一歩に

社会全体でプラスチックの使用量を一気に減らすことができれば一番ですが、これはすぐに実現できるものではありません。そんな中でも、私たちが今できることは、プラスチックごみを正しく分別し、最適なリサイクルや処分ができるようにすることです。

<プラスチックごみの分別:横浜市の場合>

横浜市は、ペットボトルの分別率は90%以上と高い水準ですが、プラスチックごみは60%台です
これはつまり、リサイクルできるプラスチックごみの約40%が焼却処分されており、その分二酸化炭素も排出してしまっているということになります。そこで、改めてごみの分別を見直してみましょう!

プラスチックごみとして収集に出せるのは、プラスチック製容器包装です。
プラスチック製容器包装とは、商品を入れたもの(容器)や包んだもの(包装)で、中身を取り出したり使用したりした後に不要となるもののことを指します。

この「プラスチック製容器包装」として分別されるごみは、プラスチック製品としての再商品化や、ガスなどの燃料化としてリサイクルされます。なので、しっかりと分別していきましょう。
具体的には、下表のような洗剤などのボトル、スナック菓子の袋、ペットボトルのラベル、発泡スチロールの緩衝材などがこの区分に該当します。

(出典:横浜市HP「プラスチック容器包装」ページより抜粋)

(出典:横浜市HP「プラスチック容器包装」ページより抜粋)

あるいは、下画像のような「プラマーク」が目印となります。
ただし、必ずしもこのマークがあるというわけではありません。その場合でも、商品を包装しているプラスチック製のものについては「プラスチック製容器包装」として処理して大丈夫です。

詳しくは、ご自身が住まわれている市区町村のHPなどから確認してみてくださいね。
☞横浜市の場合はこちら

一方、「プラスチック製の製品」は燃やすごみとなります。
例えば、洗面器やプラスチック製のおもちゃなどは、プラスチックごみには出せません。間違えやすいので注意しましょう。

【海洋プラスチック】ごみ削減のための国内外のプロジェクト

プラスチックごみの対策は、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のひとつ、海の豊かさを守ろうに直結します。そのため、世界各地でさまざまな取組みがおこなわれています。

2020年7月から日本でも導入された「レジ袋有料化」もその一環です。

海外の面白いプロジェクト

世界に目を向けると、個人発の巨大プロジェクトもあります。

例えば、Boyan Slatさんというオランダ人男性は、太陽光や風、潮の流れといった自然の力を使用してプラスチックごみを集める「The Ocean Cleanup(オーシャン・クリーンアップ)」というシステムを開発しました。船と網を使う従来の方法に比べ、33分の1のコスト、7900倍の速さでプラスチックごみを回収できるというから驚きです。

このシステムの開発資金はクラウドファンディングで集められ、その額は約200万ドル(約2億1800万円)にも上りました。こうした取組みに協力すれば、個人でも地球規模のプロジェクトに参画することができます。
☞「The Ocean Cleanup」HPはこちら

日本の面白いプロジェクト

また、日本でも面白いWEBサイトがあります。
環境省が運営している「Plastics Smart(プラスチックスマート)」というサイトです。

こちらでは、日本のさまざまな企業や個人の方が取り組んでいるプラスチックごみに対するアクションが報告・紹介されています。2021年4月現在の登録アクション数は、1,883件も。

カテゴリーも細かく分かれているので、例えば「横浜市」で「拾う」アクションを検索したら参加できるイベントが出てきたり、「横浜市」で「リユース・リサイクル」アクションを検索したらそういった商品の紹介が出てきます。中には変わったアクションも色々あるので、興味のある方はぜひ見てみてください。
☞「Plastics Smart(プラスチックスマート)」はこちら

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いかがでしたか?

実は日本のプラスチックごみ排出量は、アメリカに続いて世界2位。
プラスチック使用大国であることを自覚し、できることから少しずつやっていきたいですね。

当社では太陽光発電システムや、近年は家庭用蓄電池の販売・施工も取り扱っております。ご自宅で再生可能エネルギー由来の地球にやさしい生活をかたちにしたい方、ご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。

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