【8月3日はビーチサンダルの日】海洋ごみのビーサンがアートに変身⁉世界の面白い取組み

ビーチサンダル

ご存じですか?8月3日は「ビーチサンダルの日」です。

ビーチサンダルといえば、海のレジャーや夏のファッションに活躍するアイテムですが、実は海に捨てられる「海洋ごみ」の1つにも挙げられています。こうした、ビーチサンダルを始めとした海洋ごみは海や陸の環境に悪影響を与えるため、減らしていかなければなりません。

そんな海洋ごみとなってしまった廃ビーチサンダルが今、アート作品になるなど環境問題解決につながる取組みに活用されています。

今回は、ビーチサンダルの日の由来から、ビーチサンダルにまつわる環境問題とその問題に対する世界の画期的な取組みをご紹介します。

「ビーチサンダルの日」の由来とビーチサンダルにまつわる環境問題

そもそも、なぜ8月3日が「ビーチサンダルの日」なのでしょうか?

ここでは、8月3日がビーチサンダルの日になった理由と、ビーチサンダルにまつわる環境問題について紹介していきましょう。

「ビーチサンダルの日」とは?

記念日を認定登録している一般社団法人・日本記念日協会認定記念日に、8月3日が「ビーチサンダルの日」として認められたのは、2017年のことです。

実は、ビーチサンダルは日本生まれのアイテムで、神戸市の長田区が発祥地といわれています。

神戸市に所在するビーチサンダルの製造企業・株式会社TSUKUMO(九十九)が、たくさんの人に夏にビーチサンダルを楽しんでもらいたいという思いから制定しました。8月3日をビーチサンダルの日としたのは、「8」が「Beach(ビーチ)」のB、「3」が「サンダル」の「サン」に捉えられるためです。

神戸市長田区はビーチサンダルに関するさまざまな企画を実施し、ビーチサンダルの日を盛り上げています。

【過去に長田区が実施した企画】
ビーチサンダルデザインコンテスト
・長田区オリジナルビーチサンダルのクラウドファンディング
・#長田区長にビーサンおねだりチャレンジ
☞詳しくは:神戸市長田区「ビーチサンダル発祥の地」|神戸市ホームページ

実はビーチサンダルの寿命は1年程度!ごみになりやすい問題も

海のレジャーや夏のファッションアイテムとして活躍するビーチサンダルですが、その寿命は意外と短く、ごみになりやすいという問題があります。

人によって履き方や履く回数が異なるため絶対ではありませんが、ビーチサンダルの寿命は1年程度といわれています。

ビーチサンダルはゴム素材で作られているため、メーカーによってはあまり強度が高くなかったり、素足で履くため汚れやすかったりすることが短寿命である理由として挙げられます。

しかし、ビーチサンダルがごみになりやすい理由は、これだけではありません。

冒頭でも説明した通り、ビーチサンダルは海洋ごみとして捨てられてしまうことも多いです。海辺に捨てられるのはもちろん、陸上で捨てられたビーチサンダルが水路や川を伝って、海辺に流れて海洋ごみとなることもあります。

ビーチサンダルを始めとした海洋ごみは毎年約800万トン発生

ビーチサンダルを始めとした海洋ごみは、毎年大量に出ています。

海洋ごみは、中でもプラスチックごみが最も多く、その量は毎年約800万トンに及ぶことを日本財団が「日本財団ジャーナル」で述べています。そのプラスチックごみの70%~80%は陸で捨てられ、水路や川を伝って海まで流出したものになります。

このような海洋ごみ問題は深刻化しており、2050年には海洋ごみの量が魚より多くなるともいわれています。

海洋ごみが増えると海の環境が汚染され、海に住む生物が命の危機にさらされます。また、海洋ごみを回収できたとしても、処分するために燃やすと二酸化炭素や有害物質など陸の環境に悪影響を与える物質が発生します。

私たち人間と生き物がこの先気持ちよく地球に住み続けるためにも、ビーチサンダルを始めとした海洋ごみは減らしていく必要があるということですね。

捨てられた廃ビーチサンダルがアートに!驚きのアップサイクル

海洋ごみとして捨てられた廃ビーチサンダルは、前述した通りゴム製が多く、処分するとなると燃やす必要があります。しかし、それでは燃焼により二酸化炭素を排出してしまうのであまり望ましくありません。

そんな問題に対し、新しい切り口で取り組んでいるのが、ケニアの企業「OCEAN SOLE(オーシャン・ソール)」です。廃ビーチサンダルをリサイクルして、資源として再活用する取組みをおこなっている社会的企業になります。

OCEAN SOLEは、年間100万足の廃ビーチサンダルをリサイクルすることを目標に掲げ、ケニアの海に捨てられた大量の廃ビーチサンダルをリサイクルしてアート作品を作ったり、その作品を販売したりしています。

【OCEAN SOLEによる捨てられたビーチサンダルのアート作品作り

リサイクルしたビーチサンダルを使ったアート作品やおもちゃなどの商品作りは、ケニアの首都ナイロビや郊外の地域、スラム街に住む人に担ってもらっているのだとか。

また、販売したアート作品やおもちゃなどの商品の売上の一部は、環境保護や職業訓練などのために寄付されています。

OCEAN SOLEの取組みは、地球全体の環境問題の改善はもちろん、雇用問題も改善させていることがわかります。地球に生きる人間と生物が持続的に暮らしていくための有効な取組みといえますね。

ビーチサンダルにまつわる環境問題への取組みは他にも!

ビーチサンダルにまつわる環境問題への取組みは、他にもあります。

その取組みとしておこなわれている1つが、不要となったものやごみを活用したビーチサンダルの製造です。最後にその事例を2つご紹介しましょう。

1. 廃タイヤから生み出されるビーチサンダル

1つ目の事例は、廃タイヤをアップサイクルしたビーチサンダルです。
廃タイヤは、埋め立てられたり、海底に沈められたりすることで処分されます。そのため、廃タイヤは環境を汚染する一因として問題となっています。

そんな廃タイヤをビーチサンダルの素材として活用し、販売をおこなうサステナブルファッションブランドが、ヨーロッパ発の「ECOALF(エコアルフ)」です。

ECOALFは、リサイクル素材や環境負荷のかからない天然素材でファッションアイテムを製造・販売しています。

廃タイヤは素材の性質上リサイクルが難しいといわれていましたが、ECOALFはビーチサンダルの素材として活用するため、2年の歳月をかけて研究開発をおこないました。そして、廃タイヤをビーチサンダルの素材として活用できる粉末状にすることに成功したのです。

【廃棄タイヤからビーチサンダルができあがるまで】

廃タイヤで作られたビーチサンダルは耐久性と適度な重みがあり、歩きやすいのが特徴です。

ECOALFが製造した廃タイヤのビーチサンダルは、ECOALFの店舗やECサイトで販売されています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

ECOALFの公式サイトはこちら☞

2. 海洋プラスチックごみから作られるビーチサンダル

2つ目の事例は、海洋プラスチックごみを活用したビーチサンダルです。

海洋プラスチックごみは海と陸の環境の汚染につながります。そんな海洋プラスチックをビーチサンダルの素材として活用し、販売をしているのが、ニュージーランド発のサンダルブランド「subs(サブス)」です。

subsは、海に捨てられたプラスチックごみを回収し、粉末状にしてビーチサンダルを製造しています。さらに、寿命となったビーチサンダルを裁断してプラスチック粒にして、その粒から再びビーチサンダルを製造する取組みもおこなっています。

【subsの取組みについての紹介】

 

subsは、ビーチサンダルを入れる箱や紙タグもリサイクルペーパーで製造しています。つまり、私たちが手にするもの全てをリサイクル素材で作っているのです。

サステナブルな取組みをおこなうsubsのビーチサンダルは、提携店舗やECサイトで購入できます。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

subs JAPANの公式サイトはこちら☞

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今回は、8月3日のビーチサンダルの日の由来、ビーチサンダルにまつわる環境問題とその取組みについてご紹介しました。

廃ビーチサンダルを始めとする海洋ごみは、増加すると地球環境と地球に住む生き物の生活に悪影響を及ぼすものであることは忘れてはなりません。

使い捨てなくてすむように、一つを長く愛用したり、リサイクルやアップサイクルできるかどうかなども、もっと自然な発想として生まれるようになるといいですよね。

ビーチサンダルの日を機に、海洋ごみとそのごみがもたらす環境問題について調べてみたり、今から私たちができそうなことを考えてみたりしてはいかがでしょうか?

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