9月は海洋ごみゼロ月間!9/17世界中で一斉清掃⁉

環境

海洋ごみゼロ月間_ワールドクリーンアップデー

猛暑日が続いた今年の夏、海のレジャーを楽しんだ方も多いのではないでしょうか?

そんな海のレジャーで毎年のように問題になっているのが「海洋ごみ」。海洋ごみは近年増え続けており、さまざまな世界的ごみ問題の中でも特に注目を集めています。

実は9月には、この海洋ごみを始めとしたごみ問題を啓蒙する記念日が2つあります。
17日の「ワールドクリーンアップデー」
22日の「国際ビーチクリーンアップデー」です!

今回は、この2つのクリーンアップデーと近年の海洋ごみ問題についてご紹介します。

9/17 世界中で一斉にごみが拾われる?

9月17日の「ワールドクリーンアップデー」は、地球で起きているごみ問題への対策を世界規模で一斉に実施する日です。
さまざまな国に住む人が同じ日に同じ志しで行動し、その日、世界中からごみが減るのだと思うと、そんなすごいことが一日にして起こっている事実に感動しますよね。

2008年、北欧のエストニアに住む9人の若者が、不法投棄されたごみの掃除の呼びかけを世界各国におこなったことから始まりました。このごみ掃除の呼びかけは、ヨーロッパとアフリカ、そしてアジアへと広まり、2020年の時点では世界180カ国にまで認知されています。

その認知度の広さは、2021年のワールドクリーンアップデーに世界中でおこなわれたごみ掃除の実績を見るとよくわかります。

日本での活動
・実施内容:ごみ拾い
・参加団体数:209団体
・参加人数:5,949人
・活動地域:269会場
・ごみの量:可燃ごみ3,261袋/不燃ごみ1,009袋
世界での活動
・実施内容:ごみ拾い
・参加国数:191カ国
・参加人数:1,350万人
・ごみの量:33,000トン

(参考:WORLD CLEANUP DAY JAPAN

やってみたい!参加方法は?

ワールドクリーンアップデーのごみ掃除は、参加意思があればだれでも参加することができます。例えば、日本では次の5つの方法でワールドクリーンアップデーのごみ掃除に参加が可能です。

参加方法 概要
1. 「BLUE SHIP(ブルーシップ)」で参加 海ごみ拾いや環境活動を開催している人と参加したい人をつなぐポータルサイト「BLUE SHIP(※)」に登録し、ワールドクリーンアップデー関連のイベントに参加する
※日本財団が推進する「海と日本PROJECT」の一貫として運営されている
2. 「Pirika(ピリカ)」で参加 ごみ拾いSNS「Pirika」に新規登録し、ごみ拾いをしたらアプリを使って写真で報告する
3. 「WCD JAPAN」で参加 日本におけるワールドクリーンアップデーのごみ拾いを主宰する「WCD JAPAN」のイベントに直接参加する
4. 専用フォームから参加 日本におけるワールドクリーンアップデーに参加するための専用フォームで申込み、ごみ拾い実施後に活動報告おこなう
5. SNS投稿で参加 ごみ拾いをしたら、以下のハッシュタグを付けてSNS(twitterやfacebook、instagram)に投稿して参加する
#wcdjapan2022/#worldcleanupday

2021年の日本の参加者数は5,949名。参加してレポートを共有した団体・個人の方には、WCDより感謝状が贈られるそうです。「あなたは世界のヒーロー」と英語で書かれた感謝状はデザインもカッコ良いいので、部屋に飾ったら気分が上がりそうですね。

簡単!「BLUE SHIP」で海洋ごみボランティアに参加

ワールドクリーンアップデーのごみ掃除に興味があるけれど、
「一人では実践しづらい…」
「ごみ拾いのボランティアが初めてで不安…」

という方は、「BLUE SHIP」を利用して参加するのがおすすめです。

BLUE SHIPとは?

BLUE SHIPは、海洋ごみ拾いや環境活動の情報を発信するポータルサイトです。

BLUE SHIPに掲載されている海洋ごみ拾いや環境活動の場は、海だけでなく陸上も該当します。なぜなら、海洋ごみには海に捨てられたごみのほかに、陸上での不法投棄などによって海に入ってきたごみも含まれるためです。

BLUE SHIPでは、近くで実施されている海洋ごみ拾いイベントを簡単に探すことができます。興味のあるイベントがあればその場で申し込みができたり、イベントによっては事前申し込みが不要だったりするので、気軽にごみ拾いへ参加できます。

また、イベント当日は同じ思いを持った人たちが集まり、一緒にごみ拾いができるため、スタートが一人でも安心して参加することができると思います。ぜひ一度調べてみてください!

【BLUE SHIPでできることの紹介動画】

ワールドクリーンアップデー×「秋の海ごみゼロウィーク」

ワールドクリーンアップデーのごみ掃除に興味があれば、BLUE SHIPが掲載しているイベントの中でも「秋の海ごみゼロウィーク WORLD CLEANUP DAY 」に参加するのがおすすめです。

このイベントは、BLUE SHIPを運営する「海と日本PROJECT」とワールドクリーンアップデーを掛け合わせたものです。日本財団と環境省による海洋ごみ対策強化期間(9月17日~9月25日)「秋の海ごみゼロウィーク」を含む9月1日~9月30日の間に、一斉にごみ拾いをします。

このイベントに賛同する団体が主宰する海洋ごみ拾いに参加することで、ワールドクリーンアップデーのごみ掃除活動にも貢献することができます。

WORLD CLEANUP DAY 2023

☞詳しくは画像をクリック!

ちなみに、「秋の海ごみゼロウィーク WORLD CLEANUP DAY」は、過去にも実施されています。以下は、その実績の一例です。

実施年 実施団体 実施場所 参加人数 成果
(ごみ袋の枚数)
2021年 かつうら渚の会 和歌山県那智勝浦町 那智ビーチ 45人 可燃120枚
不燃15枚
2020年 千葉愛の教会 千葉県千葉市 千葉ポートパーク周辺 120人 可燃50枚
不燃50枚
2019年 湘南海岸をきれいにする会 神奈川県大磯町 大磯海岸(大磯町役場下海岸) 37人 可燃38枚
不燃3枚

(参考:活動報告の一覧|海ごみゼロウィーク

「秋の海ごみゼロウィーク WORLD CLEANUP DAY」へは、BLUE SHIPの「秋の海ごみゼロウィーク-WORLD CLEANUP DAY 開催マップ」で掲載されている海洋ごみ拾いイベントに参加することで貢献できます。
興味のある方は、ぜひこのマップからお住まいの地域の海洋ごみ拾いイベントを探してみてください。

「海洋ごみ」に注目が集まるワケ

9月に日本財団と環境省が海洋ごみ対策強化期間を設けたり、BLUE SHIPが「秋の海ごみゼロウィーク WORLD CLEANUP DAY」を開催したりと、さまざまなごみ問題がある中で海洋ごみに注目が集まるのは、9月22日の「国際ビーチクリーンアップデー」が関係しています。

国際ビーチクリーンアップデーは、アメリカ・サンフランシスコにある「海洋自然保護センター」によって1985年に制定されました。海のレジャーなどによって発生した多くの海洋ごみに対する取り組みを世界的に取り組んで解決しようというのが、国際ビーチクリーンアップデーです。

また、「日本財団ジャーナル」によると、近年は海洋ごみの中でも特にプラスチックごみが多くなっており、毎年800万トンほどの量が発生しています。これは、海洋ごみ全体の約65%を占める量です。

環境省「海洋ごみをめぐる最近の動向」(平成30年9月)

(出典:環境省「海洋ごみをめぐる最近の動向」(平成30年9月))

このような海洋プラスチックごみは、そのまま放っておくと環境を破壊し、人間と生き物が長く地球に住めなくなる環境を生み出す一因となります。

なぜなら、WWFによると、海洋プラスチックごみは段々小さくなり、5mm以下の「マイクロプラスチック」と呼ばれる粒子になりますが、ここまで細かくなっても自然分解することはなく、数百年間以上もの間、自然界に残り続けると考えられているからです。
その間に、魚などの海洋生物が飲み込んでしまった場合、マイクロプラスチックは巡り巡って私たちの体内に蓄積され、健康被害を及ぼすことも危惧されています。

しかし海洋ごみは、前述したように年々増え続け、問題は深刻化しています。私たちが地球で気持ち良く暮らし続けるためにも、こうしたごみは少しでも多く減らしていかなければなりません。9月に海洋ごみ問題を啓蒙し、対策を強化する動きが多くなるのはこのためです。

ワールドクリーンアップデーもSDGsへの取り組みに

SDGs

ここで紹介してきたワールドクリーンアップデーの取り組みは、「SDGs」の目標にも該当します。

なぜなら、SDGsには「人間や生き物が地球で長く暮らし続けるために実現すべき目標」が定められているからです。「人間や生き物が暮らやすい環境を作るため」にごみ掃除をするワールドクリーンアップデーと同じ目的といえます。

ワールドクリーンアップデーの取り組みが該当するSDGs目標は、次の9つです。

SDGsの目標 概要
3 すべての人に健康と福祉を 誰もが健康で幸せな生活ができるようにする
6 安全な水とトイレを世界中に 誰もが安全な水とトイレを使えるようにし、自分たちで管理できるようにする
11 住み続けられるまちづくりを 誰もが安全に暮らし、災害に強い街を作る
12 つくる責任つかう責任 地球環境と人間の健康を守るために、生産者も消費者も責任ある行動をとる
13 気候変動に具体的な対策を 気候変動から地球を守るために行動を起こす
14 海の豊かさを守ろう 海の資源を守って大切に使う
15 陸の豊かさも守ろう 陸の豊かさを守り、砂漠化を防いで、多様な生物が生きられるように大切に使う
16 平和と公正をすべての人に 平和で誰もが受け入れられ、すべての人が法や制度で守られる社会を作る
17 パートナーシップで目標を達成しよう 世界のすべての人が協力し合い、目標を達成していく

SDGsに興味があるけれど、どのように実施していけば良いのかわからなかった方は、ワールドクリーンアップデーのごみ拾い活動から始めてみることをおすすめします。

――――🌊――――🌊――――🌊――――

ここまでいかがでしたでしょうか?

今回は海洋ごみ問題について、「ワールドクリーンアップデー」と「国際ビーチクリーンアップデー」の2つの記念日を通して紹介してきました。私たちが地球で気持ち良く暮らしていくためにも、海洋ごみが少しでも減るような行動を起こしていきたいですね。

これを機に海洋ごみ問題について調べてみたり、近くのごみ拾いイベントへ参加してみたりして、地球環境について考えてみるのはいかがでしょうか?

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