【解説第3弾】FIP制度のリスクとメリット[発電事業者の義務3点]

FIP解説記事第3弾_FIP制度のリスクとメリット

FIP制度を徹底解説 第3弾

こんにちは、すずきです。

前回、私が書いたFIP解説記事はご覧いただけましたでしょうか?
まだの方は先に下記記事をご覧いただくと、今回の内容がよりわかりやすくなるかと思います。

第1弾:「【要点を簡単解説】FIP制度とは?2022年度から始まる[再エネ電源主力化]
第2弾:「徹底比較|FIP制度とFIT制度[目的の違いとは?]」

今回は、「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の細かいリスクについて解説したいと思います。
それでは、FIPの解説第3弾です。よろしくお願いします。

売電価格に影響してくるFIP制度の発電事業リスクとメリット

リスクという書き方が正しいのかわかりませんが、FIPに変わることによって発電事業者が背負うリスクや責任について、わかりやすく解説します。

まずは、前回掲載した表を再度掲載します。

FIT FIP
①買取単価 国が定めた固定価格 市場に連動する
②売り先 電気事業者 自分で見つける
③発電計画提出義務 なし あり
④インバランス負担 なし あり
⑤環境価値 国民のもの FIP発電事業者のもの

FITにおいては、発電された分の電気をそのまま売電することができていたので、電力システムへの義務がほとんどなく、発電事業者は「フリーライダー」と見られることもありました。
しかし、FIPになると電力システムへの義務を追うことになります。その分、新たに発生するリスクも考えられます。下記に大きく3つ上げてみました。

① 売電価格変動リスク
② インバランス管理リスク
③ オフテイカーリスク

では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①売電価格変動リスク

FITと違い、売電価格が固定の金額とならず、電力市場に連動して決定する形になります。特に、JEPX(市場)に売電する場合は、30分ごとに売値が大きく変わる可能性があります。
こうなると発電事業の見通しが立て難く、売電金額も一定ではなくなるため、想定の収益より少なくなったり、逆に上振れすることもあると考えられます。

このリスクに対しては、例えば蓄電池を導入して、単価が安い時間には充電させて高い時間には放電して売電させるなどのような工夫が求められることになります。
また、市場価格が高くなるのは夕方が傾向として多いので、夕方に多く発電できるように太陽光パネルの向きを南ではなく西側に向けるという発電所も出てくるかもしれません。

FIPのプレミアム価格の決定については、FIT価格の決定方法と同じように、このくらいの単価であれば設備費の改修が見込めるであろうという価格(基準価格)をもとに算出されます。

FIP解説③_売電価格変動リスク図

(出典:資源エネルギー庁:FIP制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスの更なる活性化④)
→電力は夕方に需要が増え、太陽光の発電も少なくなるので価格も上昇傾向。

②オフテイカーリスク

「オフテイクリスク」とも言われます。これは、再エネ発電事業者が自ら電気の売り先を見つけて、売電契約を結ぶ必要があるところから発生するものです。
電気の売り先としては、「JEPX」か「小売電気事業者」、「アグリゲーター」などが考えられますが、「JEPX」に売るには試算要件や入会金などハードルがいくつかあります。

例えば、電気の売り先として「小売電気事業者」を選択した場合、小売電気事業者はひとつの会社ですので、倒産してしまう可能性は少なからずあります。倒産などによって、電気の売り先がなくなってしまうことがひとつのリスク、「オフテイカーリスク」です。

ただし、FIP制度ではセーフティネットが設けられています。条件はありますが、JEPXに入会できない場合でも、一時的に基準価格の80%でJEPXに電気を売ることができるという制度(一時調達契約)があります。

FIP解説③_オフテイカーリスク図

(出典:資源エネルギー庁:FIP制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスの更なる活性化④)

③インバランスリスク

FIPの発電事業者は、FITの時には免除されていた発電予測・計画提出の義務を果たす必要があります。これは、前回の記事にて説明した「同時同量の原則」を達成しなければならないためです。

発電事業者は、実際に発電する1日前に「翌日の発電所の発電量」を30分ごとに予測し、計画を提出します。そして、その計画に対し、当日の実発電を100%一致させる必要があります。この予測と実績がずれてしまうと、インバランスというペナルティが課されます。

わかりやすく言うと、予測に対して実績が20%オーバーしてしまった場合、100%分は市場にて10円で売ることができますが、残り20%分はインバランスでの精算となり、8円で売ることになってしまうというイメージです。この場合、今回得られなかった収入の2円分がペナルティとなります。

翌日の発電量を100%一致させるということは、気象予報士をもってしても非常に困難なことですので、ある程度はリスクを見込んだ事業をおこなうことになります。また、その発電予測体制を構築するための費用もかかります。

FIP解説③_インバランスリスク図

FIT制度の責任義務リスクとメリット

いかがでしたでしょうか?

FIPの発電所を運営するということは、発電事業をただしく理解し、発電所としての責務を果たすことが求められます。

一方で、リスクヘッジの手段として発電所に蓄電池を導入することで、太陽光という不安定な電源をある程度安定化させたり、小規模な発電所を取りまとめて管理する「アグリゲーター」の拡大などといったビジネスチャンスも多くある制度とも言えます。

さて今回はここまでになります。
次回は、FIPの具体的な価格の決定方法を解説していきます。ぜひご覧くださいね。

当社、横浜環境デザインでは自家消費型や住宅用の太陽光発電システムから、大型太陽光発電所の計画~建設までを手がけており、現在は電力小売事業もおこなっています。
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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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