【解説】卒FITとは?卒FIT後、余った電気はどうなるの?
「卒FIT」って一体なに?順を追って詳しく解説!
ご自宅に太陽光発電設備がある方は「卒FIT」を迎える方も多いのではないでしょうか?
これから「卒FIT」を迎える方や、すでに「卒FIT」を迎えている方なども、その対応方法については不明点もあるかと思います。
そこで今回は、「卒FIT」の説明から、その対策方法について簡単に解説していきます。
卒FITの「FIT」とはなにか?
「FIT(フィット:Feed-in Tariffの略称)」とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことで、太陽光などの再生可能エネルギー設備の普及を目的に制定されました。
では、どうして日本で再生可能エネルギー設備を普及させる必要があるのかと言うと、次のような課題を改善するためです。
・日本のエネルギー自給率の向上
・再エネは発電時にCO₂をほとんど排出しないので、地球温暖化対策に貢献できる
→カーボンニュートラル実現にも繋がる
経済産業省によると、日本のエネルギー自給率は、2010年度時点で20.2%ありましたが、2014年度には6.3%まで下がりました。上図の通り、2021年度確定値では11.3%まで回復しましたが、他国に比べると日本のエネルギー自給率は、まだまだ低い水準と言えます。
こうした国内のエネルギー自給率を向上させ、海外からのエネルギー輸入に頼らないインフラづくりをするためにも、再生可能エネルギー設備の導入量を増やしていくことは大きな目標として掲げられています。
FIT制度の概要
「FIT制度」が具体的にどういった制度かというと、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を、地域の電力会社(例:東京電力など)が一定期間、一定価格で買い取ることを国が保証する制度です。
「一定価格」は年度によって異なりますが、年々下がっており、FIT制度が始まった当初の48円/kwhと比べると現在はだいぶ安くなっています。2024年度の住宅用(10㎾未満)の売電単価は、16円/kwhとなりました。2023年度単価は据え置かれる形となりましたが、単価は低いままです。
また、2024年2月7日には調達価格等算定委員会より2025年度の売電単価(案)は、15円/kwhになると公表されました。
ちなみに電気を使用するすべての人が電力会社へ電気料金の一部として「再生可能エネルギー発電促進賦課金(通称:再エネ賦課金)」を支払っており、使った電気の量に乗じて請求がされます。
FITを卒業する=「卒FIT」
住宅用太陽光発電に対するFIT制度では、太陽光が発電して家庭で使いきれなかった余剰電力を10年間一定価格で電力会社(東京電力など)が買い取っています。
この制度は2009年11月よりスタートしたため、10年後の2019年11月から順次、買取期間満了を迎えているご家庭が出てきています。このことを、通称「卒FIT」と呼びます。
FIT開始当初であれば、1kWhあたり48円という高額な固定価格で買い取ってもらっていたご家庭もあると思いますが、FIT期間終了後は、売電価格や条件が変わってしまいます。例えば、現在大手電力会社各社が発表している「卒FIT」後の買取価格は下図の通りです。
電力会社 | 余剰電力買取価格 |
北海道電力 | 8円/kWh |
東北電力 | 9円/kWh |
東京電力 | 8.5円/kWh |
北陸電力 | 8円/kWh |
中部電力 | 8円/kWh |
関西電力 | 8円/kWh |
中国電力 | 7.15円/kWh |
四国電力 | 7円/kWh |
九州電力 | 7円/kWh |
沖縄電力 | 7.7円/kWh |
この点が「卒FIT」最大の問題点です!それでは、どうしたらいいのでしょうか?
次に、これから「卒FIT」を迎える方や、すでに「卒FIT」を迎えた方へ向けて、対策方法としてできることを解説していきます。
「卒FIT」対策にできる太陽光発電の活用方法!
最初に、いつ「卒FIT」を迎えるかを確認しましょう。
通常買取期間満了の約6~4カ月前になると、電力会社から個別に通知が届きます。通知が届く前に確認したい場合は、電力会社と締結した契約書や電気料金明細などに具体的な買取開始時期が書いてある場合があるので、そちらを確認してみましょう。
次に下記3つの中から、メリット・デメリットを確認して希望するものを選びましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
①蓄電池を購入する
FIT期間中は買取ってもらっていた余剰電力を、蓄電池に貯めて自家消費するという考え方です。自家消費することで購入する電力量が減り、電気料金の削減に繋がります。また、停電時の非常用電源にもなることも大きなメリットと言えますね。
昨今、電気代は値上がりし続ける一方です。昨年度は下がった「再エネ賦課金単価」も、2024年度は過去最高額となる「3.49円」となりました。1ヶ月の電力使用量が約400kWhの一般家庭の場合、前年度比で月836円ほどの増額になり、年間で約10,000円近い負担増加につながります。
蓄電池を購入する際に初期費用はかかりますが、安い単価で売電をするよりも、作った電気は蓄電して利用する方が光熱費削減に効果的でしょう。
☞電気代に含まれる「再エネ賦課金」とは?詳しくはコチラ
②売電先を選ぶ
「卒FIT」を迎えるともうFIT制度の適用外となってしまうので、引き続き売電をしたい場合は買取先を探す必要があります。しかし、売電単価は基本的に下がってしまうでしょう。例えば、東京電力だと上表の通り、1kWhあたり8.5円にまで下がってしまいます。
そこで、売電先を別の電力会社に変更するという方法があります。電力会社ごとに売電価格やサービスが異なるのでしっかりと比較し検討することが必要ですが、今よりも高額で買取をしてくれる新電力会社も見つかるでしょう。
電力会社によっては、購入電力契約の加入が必須の会社や、蓄電池の購入が条件で高額買取をおこなっている会社などもありますので、よく契約条項を確認した上、検討をおこないましょう。
③エコキュートの活用
エコキュートは、深夜電力が安い電力プランに加入し、その時間で沸き上げることが一般的です。しかし、当然ながら安価な深夜電力とはいえ使えば使っただけ電気代が加算されます。
そこで、太陽光の余剰電力で沸き上げるよう変更をおこない、安く売る分を減らし、買う電気を減らすことができる設定を利用することをおすすめします。ただし、機種により余剰電力で湧き上げるモードが有る商品、無い商品がありますのでご注意ください。
④何もしない
蓄電池の購入も、売電先の変更もおこなわない場合は、原則として現在ご契約されている電力会社との契約が自動更新されることになります。
余剰電力が安価、もしくは無償で買取される可能性があるので、確認するのが賢明です。
蓄電池を導入するなら「テスラPowerwall」
卒FIT後の対策方法としてご紹介した「①蓄電池を導入する」を検討されている方におすすめしたい蓄電池が、テスラ社の「Powerwall」です。
テスラ社が手掛ける家庭用蓄電池「Powerwall」は、電気代の削減と停電時の非常用電源としての活用という、2つの目的を満たすことができる性能を備えています。
テスラPowerwallの特徴
① 電池容量の大きさ
② 全負荷+200V対応
③ アプリで簡単に操作できる運用設定
当社は、日本に10数社しかいないテスラPowerwallの認定販売施工会社です。これまで、約350台以上のテスラPowerwallを販売・施工して参りました。
また、当社では本メディアサイトやYouTubeチャンネルを通してさまざまなお客さまの声をご紹介しております。テスラPowerwallの導入をご検討されている方は、ぜひ参考にご覧ください。
現地調査やご家庭に合ったご提案は、無料で対応しております。何かご相談したいことやご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
☞日本国内でもいよいよ義務化へ
☞実際に導入されたお客さまへインタビュー