ほぼ100%サステナブルなヴィーガンスニーカー「MoEa(モエア)」日本初上陸!
2022年4月6日~8日3日間開催されたサステナブルファッションエキスポで、ひときわメディアから注目を浴びたヴィーガンスニーカーブランド「MoEa」。
今回は、日本の代理店であるCHEYENNERICH LIFESTYLE(シャイアンリッチ ライフスタイル)代表の今泉 直英さまに、サステナブルなヴィーガンスニーカー「MoEa」についてお話を伺いました。
CHEYENNERICH LIFESTYLE(シャイアンリッチ ライフスタイル)
先日、サステナブルファッションエキスポに出展したところ、ヴィーガンスニーカーに対して日テレの「news every. news zero」や「スッキリ」、「ZIP!」などで取り上げていただきました。
私自身は、もともと海外ブランドのインポートをおこなう会社に勤めていたのですが、2020年1月からは個人で海外ブランドの輸入卸売業を始めました。
現在は、主に欧州を中心とした海外のファッション・靴・ライフスタイル雑貨などの日本未進出のブランドを発掘し、日本市場へ紹介しています。
ただ、自身が独立してすぐにコロナ禍になってしまったので、助成金などをもらったりしながら今日までやってきています。海外の渡航や郵便物も制限される中、最初はかなり大変な状況でした。
欧州ではファッションにもサステナブル・ヴィーガンの取り入れが進む
今や、海外の有名なアパレルメーカーなどでは、動物の皮や毛皮は使用をせずにヴィーガンレザー(フェイクレザー)を使うようになったり、CO2削減を意識した商品を扱わないと社会的に認められない状況まで来ています。
こうした流行の流れを目の当たりにし、日本でも販売できるサステナブルなスニーカーを探していました。
サステナブルやヴィーガン商品は、コロナ前からヨーロッパなどではすでに注目されていました。
例えば、ドイツのベルリンで開催される500以上のヨーロッパブランドや新しい商品が集まるイベントでは、エシカルなファッションショーや展示会があります。私自身も、毎年のように足を運んでいました。
このように、ヨーロッパでは10年以上前からCO2削減やヴィーガン素材のものが社会的に選ばれています。もちろん、こうした状況は知っていたので、私自身はその頃から日本のアパレル業界は遅れていると感じていました。
コロナ禍で海外のファッションショーに行けない中でも、SNSなどを通じて、もともと知り合いだった海外のバイヤーやファッション業界の人などとは連絡を取り合っていました。そんな方々からの情報で、今回のサステナブルブランド「MoEa(モエア)」にもたどり着きました。
ヴィーガンスニーカーブランド「MoEa(モエア)」とは
「MoEa」は、2021年7月にパリで設立されたばかりのほぼ100%サステナブルなスニーカーを製造する、日本初上陸ブランドです。
このスニーカーには、アップルやパイナップル、グレープ、サボテン、コーンの5種類の果物や植物の廃棄物と、植物由来であるバイオポリウレタンなどから作られる特殊なバイオ技術によって作られた素材を革の代わりに使用しています。
このような素材を使用しているMoEaのヴィーガンスニーカーは、一般的な革靴と比べ、平均で6.6kgCO2eq/m2ほどしかCO2を放出しません。これは、牛革より89%も少ないCO2排出量です。
また、ライフサイクルアセスメント(LCA)の分析結果から、MoEaのヴィーガンスニーカーは、1足あたり平均5kgのCO2のみ放出しますが、これは通常の製造工程に比べて53%もCO2排出量を削減しています。
加えて、MoEaのスニーカーはすべてPETAのヴィーガン承認を受けています。
「PETA」とは?
アメリカで生まれたアニマルライツ(動物愛護・動物擁護)の世界最大規模の団体であり、650万人以上のメンバーとサポーター世界各国に支部があります。
私自身はヴィーガンではなく、肉や魚も食べますが、スニーカー製造に動物を使う必要はないと考えおり、環境にも配慮した製品がよいと思っています。
その点MoEaは、フランスのWWFのスタートアップクラブの一員に選ばれています。また、売り上げの1%を地球に還元する財政的支援もおこなっているブランドです。
おしゃれでかわいい!ヴィーガンレザーのスニーカー
数年前よりサステナブルな商品を扱ってきた私にとって、今回サステナブルファッションエキスポに出展したことで、多くのTVで取り上げられ、今までにないほど注目されたのには正直驚きました。
しかし、日本でもやっと“サステナブル”や“ヴィーガン”に目が向き始めたのだと感じる機会になりました。オフィスではずっとラジオを流しているのですが、ここ最近サステナブルを含むSDGs活動が注目されていて、ラジオでもSDGsについて聞かない日はなくなりました。
特に今回、MoEaが注目されたのは、5種類のフルーツや食材からできた素材を、それぞれポップな色とかわいい見た目で展示したのが好印象だったようです。
MoEaのスニーカーに使用されている5つのヴィーガンレザー素材は、それぞれ製造メーカーが異なります。MoEaは各メーカーから素材を買い付けてきて、5種類のスニーカーに仕上げています。
そのほかの素材もいろいろ試しているようですが、靴は特に頑丈さが必要になるアイテムなので、靴底や縫い目などは一層頑丈な造りにする必要があります。
施行錯誤したうち、今回は5種類のスニーカーがリリースされましたが、今後も新しい素材や形がリリースされていく予定だそうです。
やはりファッション業界ですので、見た目のカッコ良さやリーズナブルな価格などにもこだわって作られています。
ヴィーガンスニーカー「パイナップル」
パイナップルの廃棄物からできているヴィーガンレザー素材は、AnanasAnamという会社によって、廃棄されたパイナップルの葉の繊維の廃棄物などから作られた「Pinatex素材」を使用しています。
素の原料は、フィリピンのパイナップル農場から集められています。シーズン終わりに収穫されたパイナップルの葉が“パイナップルスキン”に生まれ変わります。
このパイナップルスキン80%と、トウモロコシベースのポリ乳酸20%を混合し、革の代わりに使用できる耐久性のある素材として使えるようになります。
ヴィーガンスニーカー「アップル」
アップルスニーカーはFrumatという会社が、イタリアのジュース業界や繊維メーカーのMABELと綿密に連携を取り、100%イタリア素材のアップルスキンを作っています。
アップルのヴィーガンレザーは、主にイタリアのジュース産業から発生したリンゴの廃棄物を使用しています。32%のリンゴ、34%のオーガニックコットンと34%のリサイクルペットで構成されています。
ヴィーガンスニーカー「サボテン」
「Adrian and Marte(エイドリアン アンド マルテ)」という会社によって、サボテンから作られた植物ベースのヴィーガン素材「Desserto」は製造されています。
メキシコのサカテカス州にある認定のオーガニックサボテン農場で栽培されているサボテンを使用しており、強力な分子結合のお陰で耐摩耗性、摩擦、引き裂き、引っ張りに強い耐久性があります。
そんなサボテンのヴィーガンレザーは、成熟した葉だけを収穫し、3日間太陽の下で乾燥してから有機素材が処理をおこない、安定剤と混合するという手間と時間をかけて作られています。
ヴィーガンスニーカー「コーン」
「Viridis」という会社により製造されているコーンスキンは、耐水性や耐久性もありながら、丈夫で柔らかいのが特徴です。
このコーン由来のヴィーガンレザーは、非食用のアメリカンコーンが原料として使用されています。これをイタリアに輸入し、バイオベース(皮と油)69%とバイオプラスティック31%が配合されて作られます。
ヴィーガンスニーカー「グレープ」
グレープスキンは比較的新しい素材で、まだ出できたてほやほやといった感じです。「VEGEA」という会社により、イタリアのブドウ園と連携して製造されており、100%イタリア素材でできています。
このヴィーガンレザー素材は、ワイン製造時に発生するブドウの残り、植物油、天然繊維などをリサイクルし、バイオプラスティックやリサイクルされたポリエステル、安定剤と混合して作られます。
VEGEAは、この革新的な材料の開発により「Global Change Award」の最優秀賞を受賞しました。
すべてが詰まった「ALL INNスニーカー」も
「ALL IN」は、これまでに挙げた5つの果物・植物のすべてを兼ねそろえたレトロ調のモデルです。
グレープスキンの白色ボディに、パイナップル、アップル、サボテン、コーンのそれぞれの素材と色を組み合わせて作られました。シンプルな中に個性が散りばめられていて素敵ですよね。
日本でもニーズが高まるサステナブル・ヴィーガンアイテム
MoEa(モエア)のスニーカーは、日本でもここ最近注目されてきた環境配慮やSDGs活動、リサイクル、アップサイクルといったニーズにマッチしていると思います。
菅元総理大臣が、「2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について、2013年度に比べて46%削減することを目指す」と表明し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくと声明を出したことはよかったと思います。政府がこうした内容を発表したことにより、日本全体が脱炭素やカーボンニュートラルに向かって歩き始めたからです。
今のところ、インスタグラムなどでしかMoEa(モエア)スニーカーを紹介していないのですが、最近ではリサイクル・サステナブル商品を扱う雑貨屋さんやセレクトショップさんからもお声がけをいただいています。
また、現在は百貨店のイベント(催事)でも取り扱いたいという話もあり、こうした情報もまた決まったらお知らせしたいと思います。
衣・食・住とある中で、食や住は比較的サステナブル(持続可能)な商品や活動が認知されていると思うのですが、衣にあたるアパレル業界では、サステナブルや環境意識を持った商品が少ないと感じています。特に日本は出遅れているように感じます。
もちろん経済活動ですので、売れなければ生産できません。なので、私の目標としては、サステナブルで売れるブランドやアイテムをもっと世に出していきたいと思っています。
「たまたま手に取ったスニーカーがかっこよくてサステナブルな商品だった!」という未来が、今の自分が目指しているところです。
【MoEa本国サイト】
MoEa – Bio-sneakers made from fruits and plants
【シャイアンリッチライフスタイルのインスタグラム のリンク】@cheyennerich_lifestyle
CHEYENNERICH LIFESTYLE (@cheyennerich_lifestyle) • Instagram photos and videos
あとがき
環境にいいけど、高すぎて買うのはためらってしまう。
CO2削減して作られたスニーカーだけど、デザインが…。
こうした時代は終わり、日本のアパレルにもサステナブルでかっこいいデザインのアイテムが増えてきていることを実感しました。
リーズナブルで良いもの+α、サステナブルな商品を選ぶ!という風潮が主流になる日も近いかもしれません。私自身も実行していきたいと思いました。
皆さまも、ぜひ一度素材や産地に目を向けてアイテムを選んでみてくださいね。すでにもう、手に取ったものが環境にやさしいヴィーガン素材でできているかも。
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