【15億着もの売れ残り】衣服ロス問題と解決策を知ろう

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衣服ロス

今、アパレル業界ではSDGsの取組みが広がってきています。

日本経済新聞によると、2023年12月、EU(欧州連合)は売れ残りの服・靴の廃棄を禁止とする法案を2025年に施行することで大筋合意しました。本法案では、250名程度の中小企業は2029年頃から対応を開始としており、また50名以下の零細事業者は適用対象外としていますが、大きな転換期となるでしょう。

フランスでは既に、2022年1月から衣類廃棄禁止令が施行されており、それを追う形となりました。このように、ファッション産業でも「サステナブルなものづくり」を意識した取組みを目にすることが多くなってきました。

そこで今回は、ファッション産業の大きな課題“大量生産・大量廃棄”の現状とその原因から、「サステナブルファッション」への取組み方法、そしてオススメしたいブランドをご紹介します。


<目次>
1.環境問題の原因となる大量生産・大量廃棄
2.衣類のリサイクル率の現状
3.衣類のリサイクルに取り組む企業
4.対策方法「サステナブルファッション」とは?
.長く着ることができるデザインを選ぼう:おすすめブランド
.取組み例:洋服の下取りサービスTHANKYOU BACK

【衣服ロスと環境問題】原因となる大量生産・大量廃棄

東洋経済オンラインによると、日本では1年間で供給される約29億着の衣服のうち約15億着もの衣服が売れ残り、そしてその多くが新品のまま廃棄されているといわれています。新品でも廃棄となってしまう主な理由は、ブランド価値を保つためです。

こうした衣服の大量生産・大量廃棄は、現在世界的にも大きな課題として認識されています。
というのも実は、ファッション産業は、製造にかかるエネルギー量や衣服のライフサイクルの短さなどから、環境負荷が非常に大きい産業と国際的に指摘されているためです。

環境省_サステナブルファッション_製造にかかるエネルギー

(出典:環境省「サステナブルファッション」サイトより)

上図のように、服1着ができあがるまでには、500mlペットボトル約255本分のCO2排出量が出てしまったり、バスタブ約11杯分の水が消費されています。また、原材料を調達する時点でもさまざまな環境負荷がかかっています。

にも関わらず、店頭にも並ぶことなく燃やされ、処分される服が約15億着もあると思うと、ひとりの消費者としてももったいなく感じます。

衣類のリサイクル率の現状

手放した後の服の大部分は、残念ながらまだ持続可能な方法で処理されていないのが現状です。

環境省特設サイト「サステナブルファッション」によると、リサイクルされるのは約15%、海外輸出を含むリユースは約19%、これらを合わせても循環される衣服量は全体の約24%に過ぎません。残りの約66%は、最終的に廃棄されたり、埋め立てられたりしています。

環境省_サステナブルファッション_服の行方

(出典:環境省「サステナブルファッション」サイトより)

リサイクルとリユースの比率が低い理由は、回収や分別のシステムが未発達であること、リサイクル可能な素材で作られた服が少ないこと、消費者の意識や行動など、多岐にわたります。

リサイクルされる服は、主に繊維再生業者によって新たな製品に生まれ変わりますが、服の素材や状態によってはリサイクルが難しい場合もあります。また、リユースの場合は、中古服として国内外の市場で販売されることが多いですが、需要と供給のバランスや、服の流通システムに課題があるのが現状です。

特に、ファッション業界における早いトレンドのサイクルが服の寿命を短くし、リユースへの流れを妨げています。

サステナブルなファッション産業を目指すためには、リサイクル技術の向上、リユース市場の活性化、廃棄物削減のための政策や制度の整備、そして消費者の意識改革など、多角的な取組みが求められます。

衣類のリサイクルに取り組む企業の事例

そんな中、一部のアパレル企業では先進的に衣類のリサイクルに取り組んでいます。
それぞれの企業の取り組みを見ていきましょう。

ユニクロ

ユニクロは、店舗内に回収ボックスを設置し、不要になった服を集めています。

回収された衣類の中でリユースが可能なものは、難民キャンプや被災地への緊急災害支援などで活用されます。リユースできない衣類は燃料や防音材に加工され、リサイクルされています。さらに、ユニクロでは服から服へのリサイクルに挑戦し、「リサイクルダウンジャケット」なども開発しています。

無印良品

無印良品では、店舗への持ち込みによる衣料品のリサイクルに取り組んでいます。

リサイクルされた衣類は、染め直しやプレスなどの加工が施され、「ReMUJI」というブランドで再販されています。これにより、資源の有効活用が図られ、消費者にもサステナブルなファッションが提供されています。

H&M

H&Mでも、店舗に設置されているリサイクルボックスへの持ち込みを通じて、衣類のリサイクルがおこなわれています。回収された衣類は、状態に応じて古着として再販売されたり、リサイクルやリメイクされています。

また、H&Mメンバーは古着回収サービスを利用することで、Consciousポイントや割引クーポンがもらえるなど、環境に配慮した消費を促進しています。

ZARA

ZARAでは、古着回収プログラムを展開しています。しかも驚くことに、ZARAで販売された商品だけでなく、他のブランドの商品も回収しています。

回収された衣類は、寄付やソーシャルプロジェクトへの資金提供、新しい繊維や自動車向け素材へのリサイクルなどに活用されています。

アダストリア

「GLOBAL WORK」や「LOWRYS FARM」などさまざまなブランドを展開するアダストリアでは、販売終了した商品を新規事業で活用したり、衣服のお直しサービスを提供するなど、リユースとリサイクルに積極的に取り組んでいます。

不要になった衣類を回収し、再利用やリサイクルによって衣類のライフサイクルを延長させることで、資源の有効活用を促進しています。

カラーループ

カラーループでは、素材分別が難しい廃棄繊維を色で分けてアップサイクルする独自の方法「Colour Recycle System(カラーリサイクルシステム)」を採用しています。これにより、従来リサイクルが困難とされていた混合素材の衣類も、新しい製品として生まれ変わることができます。

カラーループの取り組みは、廃棄される繊維を削減し、新しい価値を創出することで、環境に優しいファッションの実現を目指しています。

tennen

tennenは、「ゴミを出さない、生まない、服づくり」を目標に掲げ、生地からボタンやネーム、縫い糸などすべて天然素材の服を製造しています。

化学繊維を使用せず、自然に還ることができる素材だけを用いることで、環境への負担を最小限に抑えることを目指しています。

衣服ロスの対策方法「サステナブルファッション」とは?

環境省によると、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)なファッションのあり方を目指そう!という取組みや考え方を「サステナブルファッション」といいます。

大量生産・大量廃棄問題の現状課題を改善するために生まれたサステナブルファッション。
消費者の私たちには、例えば次のようなことができます。

個人が取り組めるサステナブルファッション例

① 衣服を長く大切に着る
今より1年長く着るだけで、日本全体で4万t以上の廃棄量の削減に!
② リユース(再利用)でファッションを楽しむ
別のかたちにすることでもっと長く愛用する“アップサイクル”の提案☞詳しく見る
③ 先のことを考えて買う
安い高いではなく、長く着ることができるかどうかで選ぶ
④ 作られ方をしっかり見る
素材や生産ルートにも目を向けてみる☞スニーカーにも“再生原料”が
⑤ 服を資源として再活用する
ただ燃えるゴミにするのではなく、古着屋に持ち込むなど処分の方法でもCO2削減に

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製造側が使う素材をサステナブルなものにすることも重要ですが、まず自分自身が買う側として上記のポイントを参考に、意識して取り組んでみてはいかがでしょうか?

「サステナブルを基準として商品を買う」
「古着を買う」
「着なくなった服を再利用する」

では、消費者でも取り組むことができる衣服ロス問題の解決策について、その一例をご紹介します。

【衣服ロス解決策例】長く着ることができるデザインを選ぼう

ファッション業界では、年に2回「春夏コレクション」と「秋冬コレクション」があり、流行のデザインや色、素材を取り入れたファッションが発表されています。
一方で流行とは違う、長く着られるデザインや素材感のブランドも数多くあります。

私自身、12~13年前に、「n100(エヌワンハンドレッド)」というブランドと出会い、流行とは違うシンプルなデザインで上質な着心地の洋服の魅力に取り憑かれました。
“100年経っても変わらず着ることのできるデザイン”…このコンセプトに衝撃を受けました。

残念ながら「n100」は2018年に終了しましたが、これらのブランドには同じ雰囲気を感じます。
・eleven 2nd(イレブンセカンド)
☞HPはこちら
・ANSPINNEN(スピネン)
☞HPはこちら

また、「Vlas Blomme(ヴラスブラム)」というベルギーのコルトレイク町で栽培されている良質なコルトレイクリネンを使用したブランドも、飽きのこないデザインです。
また、何度も洗っていくと、より雰囲気が出てくる素材感が特徴的です。
☞HPはこちら

そのほかにも、最近愛用している「10YC(テンワイシー)」も、“10年着続けたいと思える服”というコンセプトに共感して選んだブランドです。
☞HPはこちら

「10YC」はカットソーメインで商品展開は多くないですが、カラーリフォームをやっていたり、製造工場を知ることができたりと、他にはあまりない取組みをしています。実際に3年前に買ったTシャツは全くよれもなく、色褪せたらカラーリフォームしても着たいと思えるものです。

このように、“長く着る”という観点から洋服選びをすることも、ひとつの楽しみ方だと思います。

【衣服ロス解決策例】洋服の下取りサービスTHANKYOU BACK

また、先ほどご紹介した10YCでは、新たに「THANKYOU BACK(サンキューバック)」という取組みも始まりました。

これはどういう取組みかというと、着なくなった10YCブランドの洋服を10YCに戻すことで、下取り価格分のTHANKYOUコードをもらえるというサービスです。

もらったTHANKYOUコードは、10YCのネット通販サイトで洋服を買うときにクーポンとして利用できます。しかも、使用期限は“10YCがある限りどれだけ経っても使うことができる”ので、焦らず使うことができそうです。
☞「THANKYOU BACK」詳しくはこちら

そして、この取組みでお客さまから戻してもらった洋服たち(THANKYOU BACKされた商品)は、クリーニングやリメイクされ、10YCの二次流通サービス「ARATAME(アラタメ)」にて再販売されています。10YCの洋服は、今こうして10YCの中でリユースの循環が形になろうとしているわけですね。

染め替えやリペアなどのアフターサポートサービスも充実していましたが、この「THANKYOU BACK」は循環型経済(サーキュラーエコノミー)の取組みとして、とても素晴らしく、またこういった取組みがもっと日本で浸透することを私も願っています。

実際に私がもっている2つのTシャツはまだまだ着ることができそうなので、下取りサービスに出すのは当分先になりそうですが、いつかTHANKYOUBACK(サンキューバック)に出すことを楽しみにしています。

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いかがでしたか?こんな考え方や取組みをおこなっているブランドもあるのだと、皆さまの発見になっていれば嬉しいです。

今後ますます、サステナブルを意識したファッションやブランドは増えていくと考えられます。いち消費者でもある私たちも環境のことを考えた衣服選びをしていきたいですね。

今回ご紹介した衣服ロス問題への対策方法は、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」にも当てはまります。個人でもSDGsに取り組めるこれらの取組み、皆さんもぜひ実践してみてください。

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