【脱炭素向け自家消費型太陽光発電】設計時のポイント解説!

脱炭素経営の必需品!需要が高まる「自家消費」型のキホン

『【野立て太陽光発電の場合】設計時のポイント解説!』に引き続き、第2弾です。
今回は、自家消費型太陽光発電設備の設計方法について解説したいと思います。
ちなみに、第1弾をまだお読みでない方はこちらからどうぞ。

【野立て太陽光発電の場合】設計時のポイント解説!

自家消費型の場合における設計の話ですが、その前に……。
そもそも「自家消費」とは、どういうことかご存じでしょうか?

読んで字のごとくなのですが、太陽光発電システムで発電した電力を売らずに、自分の家や社内の電力として消費していく自家消費型太陽光発電のことを言います。

では、なぜ今、自家消費なのでしょうか。
これには主に、次の3つが挙げられます。

1)国の政策として、再エネの普及と地域分散型電源活用促進が進められているから

「再エネ」とは、「再生可能エネルギー」のことで、太陽光・風力・地熱・バイオマスなどの非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができるものを指しています。
そして、太陽光の制度には「FIT(固定価格買取制度)」というものがあるのですが、2020年度から新たなFIT認定要件が加えられました。この要件は「地域活用要件」と呼ばれています。

「地域活用要件」は、ちょっと難しい言葉ですが「災害時のレジリエンス強化やエネルギーの地産地消に資すること」が期待される制度のことです。今はまだ低圧(10~50kW未満)の太陽光発電のみの適用ですが、今後は他の電源にも広げるよう検討が進められています。
内容としては、「新たな発電電力の30%は自家消費すること」や、「パワーコンディショナー(以下、PCSと記す)が、自立運転機能を備えていること」が認定要件になっています。

2)省エネ、脱炭素経営、BCPとして企業の再エネへの関心が高まっているから

低炭素社会を実現に向けた国際的な取組みとしてRE100、SDGsが行われています。

RE100とは、「Renewable Energy 100%」の略称で、企業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブを指します。
SDGs とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」、2030年までに世界が達成すべき17つの目標のことです。
もっと詳しく知りたい方は、こちらにも面白い記事があります。
☞『今さら聞けない…最近よく見るSDGsって?』

今さら聞けない…最近よく見るSDGsって?

これらに加えて、企業には、災害対策としてのBCPが求められているようになっています。
BCPとは、「Business Continuity Plan」の略で、事業継続計画のことです。
これは、「災害時に重要業務が中断しない」または、「重要業務が中断したとしても目標時間内に再開する」ことで「取引の他社流出」、「シェアの低下」、「企業評価の低下」などに対する防止対策となるのです。

3)今後ますます電気の買取価格より電気料金の方が高くなっていくから

FITにおける買取価格は、年々下がっています。一方で、電力を購入する単価は、年々上がっています。今後、しばらくはこの流れが変わらない見通しです。
ですので、自家消費型の発電システムを利用し、自前で調達した電気を使用することで、高い単価の電力の購入を削減できれば、結果として使用する電力料金の削減につながります。

これら3つの背景により、今、自家消費が求められているのです。

自家消費型太陽光発電:設計の流れ

それでは、いよいよ自家消費型太陽光発電システムの設計方法についてご紹介します。

【自家消費型】発電容量の算出

まず、どれくらいの規模の発電システムが適切なのかを決める必要があります。

特に、売電を全く行わない完全自家消費型の場合は、発電した電気を電力系統側に逆潮流させるわけにはいかないので、施設や建物の設備において使用する電力量(設備負荷)と、発電して自家消費する電力量のバランスを取る必要があります。

どういうことかというと、設備負荷発電量上回ってしまうと、余った電力を売ることはできないので、発電した電気の行き場がなくなってしまうのです。
もし、「設備負荷<発電量」になってしまった場合でも、安全装置が働いてPCSを止める信号が送られるようになってはいますが、頻繁に停止ばかりしては、そもそも発電もままならなくなってしまうので、自家消費ではここのバランスが非常に大事です。

このバランスは主に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によって提供されている日射量のデータから計算される発電量予測と、設置予定の設備負荷における電力使用量を比較して算出を行います。

また、前回の野立て太陽光発電とは違い、自家消費型の場合は、電力を消費する施設や建物の屋上、屋根に設置することが多いので、計算上、設置できる太陽光システムの容量が多くても、実際に屋上や屋根の設置可能な面積が少ないと、容量の検討が必要になります。

もう一点ポイントとしては、先ほど「設備負荷<発電量」になってはならないと書きましたが、実は必ずしもそうとは限りません。
基本はそうなのですが、余った電力の行き場がないのであれば、行き場を作ってあげる方法があります。そこで登場するのが蓄電システムです。
日中の発電量が、設備負荷を大きく上回るのであれば、昼間のうちに蓄電池にたくさん電力をためておき、日が沈んで発電しなくなった夜間に蓄えた電力を使用するという方法も選べます。

自家消費型として、どのような形が一番メリットが出せるかはじっくり検討することをおすすめします。

【自家消費型】 図面作成の流れ

Google Mapから設置場所を確認して、障害物になる埋設物などがないか、影の影響になるものがないか…など、WEB上で確認できる情報を最大限読み取るのは、野立ての場合と変わりません。
しかしながら、屋上や屋根上の場合、その形状によっても設置方法が大きく異なります。

例えば、陸屋根なら縁石工法やアンカーレス架台の使用などになりますし、折半屋根ならつかみ金具という専用金具を使用した設計になります。
また、いずれもただ並べるだけではなく、電気的な配線の区切りやメンテナンス用の通路の確保など、安全や設置後の有用性を考えた設計である必要があります。

そのため、一度図面を作成したら、それを基に現地調査を行います。
航空写真では見えない細かい部分や、建物や障害物などの高さを把握し、より詳細に計画を詰めていきます。
太陽光発電は、とにかく影が苦手なので、建物の高さはもちろん、影をつくる可能性のある物の高さを把握するのが非常に大事なのです。

今は便利なもので、それらの情報をCADソフトに取り込み日影図というものを作成すると、対象の影が屋上や屋根のどこに落ちるかを図示することができます。
こうして、影の影響を受ける箇所には、太陽光パネルを配置しないようにしながら、割り付けを完成させていきます。
加えて、建物に設置することになるので、避雷設備消火活動用の通路の確保、BCPなどの非常時のために耐震設計も考慮していくことになります。

発電量を上げる3つのポイント

野立て発電所のときに、「発電量を上げる3つのポイント」があったのを覚えていらっしゃいますでしょうか?
これは、屋上や屋根上に設置する場合も変わりません。先の項目でも触れましたが、とにかく影を回避する必要があるので、上記3つのポイントは必須になります。
ただし、野立ての場合と意味合いが異なる部分がありますので、そこだけ説明したいと思います。

1.周囲の障害物の確認

野立ての場合は、広大な敷地面積が必要なため、街を外れた山林などを切り拓くことが多く、影の要因は専ら周りに生えている背の高い樹になりますが、屋根上の場合は、ほとんどが隣接する建物や建築物になります。

樹は、状況に応じて切ることが選択肢のひとつになり得ますが、自家消費型の屋根上などの場合、周りの建物を切ることはできないので、どのように対策するか注意が必要です。

2.太陽光用架台の設置離隔

屋根上の場合、野立て発電所の架台ほど高くなることは少ないですが、それでも離隔における影の考慮は必要です。

また、屋根上はメンテナンス用の通路や、先に述べた消火活動用の通路の確保も考慮する必要があるので、そこを含めて設計する必要があります。

3.パネルをつなぐ配線

太陽光の配線は、同じストリングを構成しているパネルのどれかたった1枚に影がかかるだけで、その同じストリングで構成されているパネルは全て発電されなくなってしまいます。

ですので、ある程度は影がかかっても仕方がないとするストリングと、影の影響を受けずにしっかり発電してもらうストリングに分けて配線することが、発電量の上昇につながるのは、野立ても屋根上も同じです。

野立ての場合、ストリングの配線をコの字と直線に分けたりしましたが、屋根上の場合は、ストリングを組む山同士を影響のあるなしで分けます。

以上、自家消費型太陽光発電システムの設計の流れとポイントでした。いかがでしたか?
皆さまの想像よりも、考慮すべき点が多いかもしれませんね。

横浜環境デザインの発電所では、設置場所の条件に合わせて「発電量を考慮した 無理のない・ロスの少ない 設計」がされています。
今回ご紹介をした屋根上発電所での自家消費・蓄電池を含むご提案のほかに、野立て発電所の設計・売買なども行っております。

中小企業経営強化税制も利用して自家消費太陽光発電を設置するのもお勧めです。

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太陽光発電の設計・施工で20年以上の実績。最近では再エネ率の高い電気と蓄電池を併せた提案も好評です。環境にいいこと・持続可能な地球・100年後の子供たちのために様々なソリューションで再エネ普及をしています。

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