電気代値上げの理由とは?燃料費調整額の高騰状況とその原因
近年よく耳にする“電気代値上げ問題”や、電力ひっ迫の原因のひとつとなった“原料高騰問題”。
電気料金の明細を見てみると、特に2022年の請求金額と2023年の請求金額では、電気使用量はあまり変わらなくても、請求金額が倍近く増えていたという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、電気代が高くなっている理由について紐解いてみましょう。知っておいて損なしです、ぜひご覧ください。
「電気代高すぎ!」値上げしている理由
その大きな理由は、簡単に言うと電気を発電するための原材料(原油やLNG)の価格が上がっていることにあります。
電気料金プランの料金単価(基本料金や従量料金)自体は値上がりしていなくても、下図の赤枠項目にある「燃料費調整額」という項目の単価が上がっているのです。
では、「燃料費調整額」とは何なのか?
電気代が値上がりする仕組みと、その原因について最新の状況を解説していきたいと思います。
電気代に含まれる「燃料費調整額(燃調)」とは?
前提にある日本の低いエネルギー自給率
そもそも、日本は火力発電への依存が大きい国です。
上図のエネルギー供給構成グラフの推移を見ると、少しずつ再エネ電源が増えていることがわかりますが、以前火力発電の割合は大きいです。2022年度時点でも、化石燃料への依存度は83.5%を占めています。ちなみにこの数値は、前年度比0.03%増です。
また、最新データとなる経済産業省資源エネルギー庁の令和4年度(2022年度)エネルギー需給実績速報では、一次エネルギーの国内供給は前年度比で2.3%減となりました。
化石燃料は少しずつ減り、再生可能エネルギーは10年連続で増加傾向にあります。しかし、依然として国内自給率は13.3%と低い水準です。
燃料費調整額の仕組みと推移
これらのデータからもわかるように、火力発電に使う石油やLNGなどはほぼ外国からの輸入に頼り切っているので、価格も常に一定ではありません。もし仮に、この価格が急激に上がり、すぐ電気料金に反映されてしまうと、電気を使用する皆さまにも大きな影響があります。
そこで、燃料価格を電気料金にゆるやかに反映させるために導入された制度が、「燃料費調整制度」を呼ばれる制度です。この制度は、過去3か月の天然ガスや石炭、石油の価格の平均に係数などで調整して、2か月後の電気料金に反映させる仕組みになっています。
そして、このところ電気代値上げと言われている理由の1つには、この燃料費調整額の高騰が関係しています。そこで、大手電力会社10社の燃料費調整額の推移(2022年5月から約2年間分)を図にまとめました。
ご覧の通り、2022年7月頃から2023年2月頃までは大幅に上昇していることがわかります。その後、徐々に下がってきていますが、2024年に入って再び少し上昇傾向となっています。
このように、国内自給率の低い日本はどうしても世界の市場に影響を受けてしまいます。そしてその負荷は、実は私たちの毎月の電気代に反映されているということですね。
それでは、なぜ原油価格やLNG価格は高騰しているのでしょうか?主な原因は2つあります。
日本の電気代値上がりと関係する原材料高騰
コロナ禍からの経済回復や中国の動向
ひとつめは、新型コロナウイルスの影響からの経済回復です。
2020年の春、新型コロナウイルスの影響により、世界各地で経済活動が止まりました。あわせて電力消費量も減ったため、原油価格は大幅に下落しました。
しかし、その後経済活動が再開されるにつれ、電力消費量も増え価格の上昇が続きました。さらに2022年頃、中東で石油施設の事故が相次いだことも原因と言えます。
また、お隣の中国では、石炭火力から二酸化炭素の排出が比較的少ないLNG火力への移行が急速に進められています。冬のオリンピックが北京で開催されたこともあって、対外的なPRとしての側面もあったようです。
日本にも影響が?ロシアとウクライナの問題
ふたつめは、ロシアとウクライナをめぐる問題です。
ロシアは、天然ガスが世界1位、石油が世界2位の輸出量を誇ります。欧州諸国はロシア産天然ガスの輸入に大きく依存し、欧州諸国における天然ガス消費量の30%強はロシア産と言われています。
そこにウクライナへの進行が始まったことも相まって、ロシアが欧米諸国に対して“ガス供給量を絞り込んでいるのではないか”という思惑が広がり、ヨーロッパにおいてLNGスポット価格が急騰しました。2022年には、世界各地の天然ガス市場で過去最高値を記録しました。
これらの影響から、アジアの市場でも価格高騰が起こっています。
電気代削減に“電力会社”の乗り換えや再エネ機器導入も
さて、近年電気代が値上がりし続けている理由についてはご理解いただけたかと思います。
実際に電気代が上がってきている中で、「少しでも支払い料金を抑えたい」という方も多いのではないでしょうか?
電力会社の乗り換えを検討している方は、乗り換え先の電力会社が、今回解説した「燃料費調整額」の上限をどう設定しているかにも注目してご検討くださいね。
再生可能エネルギーを導入して電気代削減も?
さまざまな物価の価格が高くなっている今、趣向品などは「少し我慢しよう」と控えることもできますが、生活する上で必要な電気の使用量を大きく減らすことは難しいですよね。
意識的に節電を心がけても、特に “夏・冬”はどうしてもエアコンなどの使用頻度が上がり、比例して使用電力量は多くなってしまいます。
しかし、自宅に再生可能エネルギーを導入することで負担を減らすことができるかもしれません。
<再エネを創ってためる>
・太陽光発電設備
・家庭用蓄電池
災害時の停電対策も考えたい方は、一緒に家庭用蓄電池も導入することをおすすめします。
例えば、「テスラパワーウォール」なら、停電があった際も家の中の電化製品をまるごとバックアップすることができるため、万が一のときも安心して生活し続けることが可能です。
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いかがでしたでしょうか?
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