【太陽光発電の費用対効果】工場や倉庫屋上に自家消費型を導入するメリット
【太陽光発電で脱炭素化】「自家消費型太陽光発電」とは?メリットと注意点
突然ですが、みなさんは「自家消費型太陽光発電」について、どのくらいご存じでしょうか?
自家消費型太陽光発電とは、その名の通り太陽光パネルで発電した電気を自社で消費するための設備を指す言葉です。
太陽光発電はFIT制度に伴い普及してきたので、「太陽光発電=電力会社への売電を行うもの」というイメージが強いかもしれませんが、ここ数年は自家消費型太陽光発電に対する注目が非常に高まってきています。
☞「FIT制度」についてはこちら
自家消費型太陽光発電への注目が高まる2つ理由
注目を浴びるようになったのは、以下の二つが大きな理由かと私は考えています。
一つ目は、世界的な脱炭素の流れを受けて、民間企業も脱炭素への取組みを行う必要が出てきた点です。以前の記事はご覧いただけましたでしょうか?
自家消費型太陽光発電の導入は、脱炭素への取組みの一歩目として手をつけやすく、各企業が検討を進めています。
二つ目は、太陽光発電を導入する費用が年々減少してきており、費用対効果の合う設備となってきた点です。
資源エネルギー庁が発表している「太陽光発電について」のデータを見ると一目瞭然です。
☞データ詳細はこちら(P30参照)
10年ほど前は、太陽光発電は非常に高価なものだったので、防災目的として公共施設へ導入するケースがほとんどでした。
ですが、FIT制度のおかげで太陽光発電が普及した結果、価格が昔に比べ格段に安くなり、設備投資に見合うだけの電気代削減ができるようになりました。
脱炭素ソリューション 自家消費型太陽光発電のメリット
そんな自家消費型太陽光発電設備ですが、メリットは大きく3つに分けられます。
目的によって機器構成が異なるため、導入の前にはきちんと目的を整理し検討する必要があります。
導入目的を工事業者に伝え、要望に合った機器構成を用意してもらえるようにしましょう。
メリット1.電気代の削減
太陽光で発電した電気が優先的に使用され、電力会社から購入する電力量が少なくなるため電気代の削減につながります。
メリット2.再エネ電力の入手(脱炭素の推進)
太陽光で発電した電気は、水力発電や風力発電と同じCO2フリーの電気です。
一般的に電力会社から購入する電気は、化石燃料由来のものが多いです。
CO2フリーの電気を自社で発電し使用することは、環境貢献に繋がります。
メリット3.災害時の対策
昨今、停電を伴う災害が増えております。まだ記憶に新しい、昨年の千葉県での台風による災害では2週間以上も停電が続いたと言われております。
太陽光発電は、停電時でも発電した電気の一部を使用できるため、非常時の電力確保に役立ちます。
昨年の千葉の停電でも「太陽光発電のおかげで電気が使えた」といったニュースを耳にしたことはありませんでしょうか?
太陽が出ている時間帯には、事務所の照明やパソコンやスマホの電源として使用していただくことが可能です。
そのほかにも、太陽光パネルを屋根置きすることでの断熱効果や、中小企業の場合は一括償却が可能な点もメリットの一つと言えるかと思います。
菅首相が2050年までに日本の温室効果ガスの排出量をゼロにする、と宣言したことからもわかるように、いま日本は国を挙げて再エネの導入に力を入れております。
再エネ設備の導入を促進するために、国や地方自治体からもいくつかの補助金が発表されております。
その中から今日は、東京都が発表している「地産地消型再エネ増強プロジェクト」について詳しくご紹介したいと思います。
【自家消費型太陽光発電】こうして補助金は得られる:申請~導入までの流れ
事業の概要
下記が、東京都が公募している「地産地消型再エネ増強プロジェクト」の事業概要です。
☞東京都地球温暖化防止活動推進センターHP内該当詳細ページはこちら
事業実施年度:令和2年度から令和5年度まで※公募は毎年実施
予算額:4億円(令和3年度)
申請受付期間:令和3年4月1日から令和4年3月31日まで
助成対象事業:再エネ設備を都内に設置し、設備から得られたエネルギーを都内の施設で消費する事業
助成対象設備:
(1)再エネ発電等設備(太陽光発電、発電設備と併せて導入する蓄電池等)
共通要件:次のすべての要件を満たすものとする。
①電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第3項の認定を受けない自家消費を主たる目的としたもの(固定価格買取制度において認定を受けないもの)であること。
② 再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、発電した電力の需要先の年間消費電力量の範囲内であること。
(2)再エネ熱利用設備(太陽熱利用、地中熱利用、バイオマス熱利用等)
共通要件:次の要件を満たすものとする。
再生可能エネルギー熱利用設備の年間発熱量が、当該熱を供給する施設の年間消費熱量の範囲内であること。
助成金額:
(1)中小企業等:助成対象経費の3分の2以内(助成上限額:1億円)
(2)その他:助成対象経費の2分の1以内(助成上限額:7,500万円)
助成金額の項目を見ていただきたいのですが、導入費用に対して中小企業の場合は2/3、その他企業の場合でも1/2の補助額が見込めるので、非常に魅力的な補助金ですね。
当社では、これまで東京都の補助金に関して計4件の申請をしており、100%採択をうけております。
基本は先着順となりますが、採択をうけるにはいくつか条件があるので注意しましょう。
① 予算額
令和3年度は4億円の予算となります。
予算が無くなり次第終了となるので、早めの検討をおすすめします。
② 省エネ診断の受診
地産地消型再エネ増強プロジェクトの補助金を受けるには「省エネルギー診断」を受診する必要があります。
無料で省エネに関してのアドバイスをしていただけるので、まずは省エネ診断だけでも受けてみるのもいいかもしれません。
③ FITはNG
これまでお話ししてきた通り、こちらの補助金は再エネの導入を推進するもののため、電力会社への売電を行うFIT制度の利用はNGとなります。
そのため、対象の施設で使用している電力を超えない範囲での設備を導入しましょう。
自家消費型太陽光発電の「補助金」申請までの流れ
補助金の利用を検討するときには、まずは工事業者からの見積を取得しましょう。
複数社からの見積を取得し、業者を選んだ後に交付申請書類の作成を進めるのが一般的です。
申請書類には、太陽光発電設備の詳細な計画や構成がわかる資料の提出が必要となるので、忘れずに業者に作成してもらいましょう。
また、その他にも各種書類の準備が必要になるので、3週間~1か月ほどの時間を見込んで余裕をもったスケジュールを組みましょう。
申請後から交付決定までには1~2か月ほどかかり、その後工事の発注をすることになります。
スケジュールについては、簡単なフロー図にまとめましたので下図を参考にして下さい。
工事発注後には材料の手配や工事を行うため、検討開始から設備稼働までは短くても半年以上の期間が必要です。
【費用対効果は?】「自家消費型太陽光発電」を検討したい方へ
導入を検討したいけど、まず何をすればよいかわからないといった場合には、下記の情報を用意しましょう。
① 建築図面
② 電気図面
③ 電気料金明細(直近一年分)
④ 30分デマンド値(直近一年分)
これらの情報があれば、電気の使用量や屋根の平米数から簡易的に試算を行うことが可能です。
「30分デマンド値」データは、自社で収集していない場合は管轄の電力会社に問い合わせればデータをもらうことができるので、心配いりません。
詳しくは、当社のような専門業者へ相談されると良いかと思います。
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以上、いかがでしたか?
補助金を活用して、自家消費型太陽光についてご検討の際にはぜひ、当社にご相談ください。
電気の需要と供給のバランスを見て最適な設計・工事のご提案をいたします。
☞補助金以外に税制優遇も!について詳しく知りたい方はコチラ