企業向けの産業用蓄電池とは?企業が抱えるさまざまな課題解決を実現
年々需要が高まっている蓄電池。企業にとっては、停電時などのBCP対策や電気代の削減だけでなく、太陽光発電システムと併せて導入することで環境に対する取組みとして企業価値を向上させることも可能な手段の1つとなります。
そこで今回は、次世代型発蓄電システムの開発や製造、販売などを手掛けるCONNEXX SYSTEMS株式会社さまに、企業向けの「産業用蓄電池」に関して詳しく解説いただくと共に、具体的な製品についてもご紹介いただきました。
この機会に、ぜひご覧ください。
産業用蓄電システムとは
産業用蓄電システムとは、一般住宅以外の工場や倉庫、大型商業施設、病院、社会福祉施設などの建物に設置する業務用の蓄電システムのことを指します。
太陽光発電システムで発電した電気を売電するFIT(固定価格買取制度)が主流だった頃は、電気をためる用途で使われる蓄電システムはあまり普及が進みませんでしたが、近年は下図の通り普及期に入ったと言えるでしょう。
日本経済新聞によると、世界的にも拡大が顕著な蓄電池市場では、2023年には前年度比87%増の30GWもの容量が新たに追加され、5年で約10倍に増えています。あわせて、リチウムイオン電池の価格も5年で約6割安くなっており、各国政府による補助金等の支援も相まって導入が加速していると考えられます。
日本でも、2019年11月以降のFIT買取期間が終了する住宅や、2024年4月から開始する介護事業者の感染症BCPおよび自然災害BCPの義務化などを受け、住宅用と業務用の蓄電池どちらの需要も高くなっています。
それでは、産業用蓄電システムを導入するメリットとは何か?
さまざまな課題に対し、解決策として実現できることをまとめました。
産業用蓄電システムで実現できること
BCP対策として活用
災害時の電力供給停止がもたらす影響はとても大きく、BCP策定においてはまず、長時間の停電に対応できる非常時の電源確保を考えなくてはなりせん。災害時に速やかに業務継続計画(BCP)を実行し、重要業務を継続するためにも、最低限のインフラを確保しておく必要があります。
☞「BCP」をもっと詳しく!解説記事はこちら
東日本大震災のような大規模災害の場合は、1週間以上の停電が続くことも想定され、災害直後は道路の寸断、流通の乱れによる物資不足などで孤立する可能性は十分にあります。
小型バッテリーやガソリン式発電機では、非常用電源として使い続けようとすると大量のバッテリーと燃料を備蓄しておかなければなりませんが、被災後では燃料を調達すること自体が困難な場合が考えられます。
しかし、自家消費型太陽光発電と産業用蓄電池を導入できれば、大規模停電時でも自家発電された電気と蓄電池を併用することで、長期の停電対策が可能になります。
業務継続計画策定の「要」として、太陽光発電のような自然エネルギー設備と産業用蓄電池の組み合わせは「災害対策」として非常に有効と言えます。
電力コストの削減手段に
電気料金値上げによる企業経営への影響
2021年から電気代の値上げ状態が続いています。年間電気代が多額であり、総コストに占める割合が高い製造業や小売業、規模別では大企業においては影響が大きく、更なる節電努力や省エネルギー施設・設備の導入を検討する企業が増えています。
世界情勢による燃料高騰化や値上がりし続ける再エネ賦課金など、さまざまな要因により今後も電気代は上昇し続けることが予想されます。早めに電気代高騰対策を図ることで、リスクを軽減することが重要です。
産業用蓄電池と自家消費型太陽光発電の連携で電力コスト削減
産業用蓄電池は太陽光発電などの自然エネルギー設備と連携させることで、再生可能エネルギーで「つくった電気」を自社で消費する「自家消費」が可能になります。
この組み合わせはピーク時の電力を抑える手段として適しており、ピークカットやピークシフトを活用することで消費電力の平準化を図ることができるため、電気量料金や基本料金の削減につなげていくことが可能となります。
例えば、負荷のピーク電力を削減し最大使用電力を蓄電システムでカットすることで、最大デマンドを下げ、高圧電力の契約料金を削減することができます。
環境負荷低減と企業価値の向上
地球温暖化が加速する今、CO2排出量を減らす対策はすでに常識的になりつつあります。
太陽光発電と蓄電池を導入し最適に運用することで、再生可能エネルギーを有効活用でき、CO2削減やカーボンニュートラルへの貢献に繋がります。
近年、オフィスや施設での省エネの強化が求められている中、産業用蓄電池の導入は企業の省エネ対策としても非常に効果的です。また、ESG投資が加速しているビジネスシーンの流れから、環境配慮活動の取り組みは企業の価値向上にもつながります。
税制措置
産業用蓄電池の導入時には、「中小企業経営強化税制」という税制措置を受けることができます。
これは、中小企業経営強化法に基づき「経営力向上計画の認定」を受けた中小企業者が、設備投資による企業力の強化や生産性の向上のため、一定の設備投資を行う際に税制措置を受けることのできる税制です。
例えば、CONNEXX SYSTEMS社製産業用蓄電システム”LUVIS“は、電池工業会が発行する「中小企業等経営強化法の経営力向上設備等及び生産性向上特別措置法の先端設備等に係る生産性向上要件証明書」に該当しているので、中小企業経営強化税制(即時償却等)の税制措置が受けられます。
産業用蓄電池の導入イメージ
導入場所
下図のように、マンションや工場・倉庫、事業所・オフィス、社会福祉施設・介護施設など、さまざまな建物や施設に導入することが可能です。その他、商業施設や避難所、学校、集合住宅などにも停電対策やBCP用途として広く適用します。
接続機器
一般的な家庭用蓄電池と異なり、BCP対策にとって重要な三相200V機器への給電が可能です。例えば、給水ポンプ・エアコン・エレベーター・冷蔵庫などの動力機器に使用できます。
単相100V機器へは、ダウントランスを介してテレビやパソコン、スマートフォンなどの情報通信機器、照明などにも接続ができます。
おすすめの企業向け産業用蓄電システム
産業用蓄電システム 「LUVIS™」
☞製品の詳細はこちら(https://www.connexxsys.com/products/ess-gs/)
家庭用単相出力の蓄電システムに比べ高価で、周辺設備も多く必要になることから、コスト的に断念されるケースも多くありました。
しかし、「LUVIS」は周辺設備を全て組み込むことで、産業用蓄電システムの導入コストを大幅に抑えることが可能となります。また、これまで解説してきた産業用蓄電システムのメリット(BCP対策/電力コストの削減/企業価値の向上)以外にも、次のようなメリットが挙げられます。
① 初期費用導入費用を大幅に削減可能
・本体価格を抑えたコンパクトな設計
・「停電時自動切換盤」を標準搭載しているため、別途切換盤の設置が不要
・ブラックスタート(停電時の立ち上げ)に必要な電力を自身の電池から取得が可能
(UPS(=停電等が起きた際に電気を一定時間供給し続けるための装置)が不要)
その他、産業用蓄電システムに必要な周辺機器を標準搭載したパッケージ価格でご提供が可能です。
② 三相電源機器のバックアップが可能
出力30kWで三相電源に電気を供給できるため、停電時でも三相電機機器である大型エアコン、業務用冷蔵庫、エレベーター、工作機械、大型モーター、ポンプなどを動かすことが可能です。
これらの機器の多くが災害時でも電気供給を求められる重要な機器であるため、停電時のバックアップ電源の確保が重要となります。
(※ダウントランスを使用することにより、単相機器への給電も可能)
③ RE100ソリューションへの貢献
産業用蓄電システムを活用し、再生エネルギー100%化を目指すことも可能です。CO₂排出削減の取り組みに貢献します。
いかがでしたでしょうか?産業用蓄電池のさまざまなメリットや、実際にCONNEXX SYSTEMS株式会社さまにて取り扱われている製品についても詳しくご紹介いただきました。
また、産業用蓄電池「LUVIS」は先ほど解説した通り、「中小企業等経営強化法の経営力向上設備等及び生産性向上特別措置法の先端設備等に係る生産性向上要件証明書」に該当しているので、中小企業経営強化税制(即時償却等)の税制措置が受けることが可能です。
現在、産業用蓄電システムや自家消費型太陽光発電システムの導入を検討されている方は、ぜひ一度当社お問い合わせフォームよりご相談ください。