【群馬県では2023年4月から】太陽光発電設置の義務化が開始中

太陽光発電

群馬県県庁

日本国内でも太陽光発電設備の設置を義務化する動きが続々と出てきています。

中でも注目されているは、2025年4月から東京都で施行される新築住宅等への太陽光発電設備の設置義務化ですが、一足先に2023年4月1日から義務化を開始しているのが群馬県です。

それでは、東京都などで始まる義務化と群馬県で始まっている義務化の違いとは何でしょうか?
ぜひ一度ご覧ください。

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2023年4月から群馬県でも太陽光義務化が開始

群馬県は、2023年4月1日に「ぐんま5つのゼロ宣言実現条例」を施行しました。この5つのゼロは次のような内容となります。

宣言1:自然災害による死者ゼロ
宣言2:温室効果ガス排出量ゼロ
宣言3:災害時の停電ゼロ
宣言4:プラスチックごみゼロ
宣言5:食品ロスゼロ
(参考:2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」実現条例について

2050年に向けた「ぐんま5つのゼロ宣言」の内容

それぞれの主な内容は、下記の通りとなります。

(宣言1)気候変動への適応、災害レジリエンスの強化
「レジリエンス」とは「回復力」という意味です。そこから、災害レジリエンスというと、災害時の対応力・回復力を意味する言葉になりました。
群馬県では、防災や減災への取組みの推進だけでなく、地域の防災力向上に努めることなどを規定しています。

(宣言2)温室効果ガスの排出量削減
こちらは、従前の「群馬県地球温暖化防止条例」の内容を引継ぐかたちで、事業活動に伴う温室効果ガスの排出量が一定以上の者や企業に対し、排出量削減計画の作成・提出を義務付けることを規定しています。
また、一定規模以上の建築物(=特定建築物)を新築・増改築しようとする者や企業に対しても、「特定建築物排出量削減計画」の作成・提出を義務付けることを規定しました。

(宣言3)地域と調和した再生可能エネルギーの導入促進
特定建築主に対し、特定建築物への再生可能エネルギー設備(以下、再エネ設備)の導入を義務付けることを規定しています。また、計画的な再エネ設備の導入を促すため、「特定建築物再生可能エネルギー設備等導入計画」の作成・提出も義務付けています。

(宣言4)プラスチックごみの排出抑制
深刻化するプラスチックごみ問題を受け、排出量を減らすための努力義務について規定しています。
具体的には、分別や再資源化に加え、プラスチックの生産から流通→消費→廃棄→再資源化までの資源循環を推進し、構築を図ります。

(宣言5)食品ロスの削減
こちらも年々深刻化していることを受け、地域の特性に応じた食品ロスの削減施策を実施することや、普及啓発を講ずることなどを規定しています。
具体的には、「MOTTAINAIの心」の醸成を図ることや、未利用食品等を提供するための活動を支援します。

東京都など他の義務化内容との違いは建物規模に

上述の「ぐんま5つのゼロ」をご覧いただくと、太陽光発電設備のような再エネ設備に関連するのは宣言2、3にあたることがわかります。そこで、“特定建築主による再生可能エネルギー設備の導入義務付け”について詳しく見てみましょう。

本制度の詳細が記載されている「群馬県地球温暖化対策指針(特定建築物編)」を確認すると、義務の対象は下記の通りとなっています。

特定建築物
(延床面積2,000㎡以上)
特定建築物以外
建築物にかかる温室効果ガスの排出量削減等 △努力義務(条例第27条が該当)
特定建築物排出量削減計画の作成等 〇義務
(条例第28条)
再生可能エネルギー設備の導入 〇義務
(条例第59条)
△努力義務
(条例第55条)
特定建築物再生可能エネルギー設備等導入計画の作成等 〇義務
(条例第60条)
設計者による特定建築主への説明 〇義務
(条例第63条)

このように、群馬県にてすでに施行されている義務化条例では、一般的な個人住宅のような戸建てでなく、企業が保有するような大規模な建物や施設などが対象となっています。
延床面積2,000㎡未満の中小規模の住宅を含む新築建物に義務付ける東京都の制度と大きく異なる点は、この対象規模の違いと言えます。そのほか、2024年4月現在で判明している各自治体の義務化対象建物規模については、下図の通りです。

日本国内_太陽光義務化状況(20240405)

導入義務の例外になるケースも

ただし、中には下記のように再エネ設備の導入義務が除外されるケースもあります。

・建築面積が150㎡未満の場合
・再エネ設備等が敷地内に安全に設置できない場合
・太陽光発電設備を導入するにあたり、年間を通じて日中に日陰となる場合
(特に9時~15時の間)
……など

そのほか、条例の詳しい詳細については、群馬苑HPに掲載されている下記書類よりご確認ください。
☞「群馬県地球温暖化対策指針(特定建築物編)」

再エネ設備義務化にあたり創設!群馬県の事業者向け支援制度

群馬県では、義務化するにあたり、再エネ設備等を導入しやすくなるようさまざまな事業者向けの支援制度も展開されています。今回は、2つの制度をご紹介します。

群馬県事業用再生可能エネルギー設備導入資金融資制度

本制度では、群馬県内に再生可能エネルギー設備等を導入する企業を対象に、長期・低利の融資が実施されています。

●対象者:次のすべてに該当する帆人もしくは個人
・県税等の滞納がない者
・群馬県暴力団排除条例等に定める排除対象者に該当しない者
・法に規定されている風俗営業等を営む者に該当しない者
●対象設備
・再生可能エネルギー設備(発電・熱利用等)
・効率的利用設備(蓄電池・エネルギーマネジメントシステム等)
●条件
・限度額:1億円
・期間:10年以内
・利率:年1.1%以内(信用保証協会の保証を付さない場合)
※保証を付した場合は、年0.7%以内(責任共有制度対象外)/年0.8%以内(責任共有制度対象)
☞詳しくはこちらのページへ

ぐんま事業用太陽光発電設備等初期費用0円事業

群馬県では、再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいるため、その一環として本事業が実施されています。
本事業は、工場・事業場等の所有者が事業者に対し、電気料金またはリース料金等を支払います。その代わり、工場・事業場等の所有者が通常負担する設備導入時の初期費用が0円になる仕組みです。

ご存じの方もいるかと思いますが、つまり「PPA」の仕組みということですね。契約期間終了後は、無償譲渡、撤去、再契約等が可能となります。

☞「PPA」について詳しく解説!

【法人・企業向け太陽光発電】基礎からおさらい!関連ワード解説集

PPAなどさまざまな太陽光導入方法

企業が太陽光発電設備などの再エネ設備を導入するとなると、その規模に比例して導入費用も大きくなります。
しかし長い目で見ると、太陽光発電設備を導入し自家消費することや、併せて産業用蓄電池を導入することでピークカットし契約電力を削減することは、企業にとってもメリットと言えるでしょう。

自家消費型太陽光発電設備の導入方法には主に次の3つがあります。

・自己資金や融資による購入
自己資金や銀行からの融資で、設備を一括購入する方法です。設備は自社所有となります。
・リースによる購入
設備導入にかかる費用をリース会社が負担し、リース料金としてリース会社に分割払いをしていく方法です。リース契約期間満了後、設備は自社所有となります。
・PPAによる購入
PPA事業者と電力販売契約を結ぶことで、設備の導入費用は全額PPA事業者が負担し、導入企業へ設備を設置する方法です。契約満了後には、屋根を貸す企業(需要家)へ無償譲渡されるケースがほとんどです。

☞詳しくはこちらの記事で解説!

自家消費型太陽光発電3つの導入方法(PPA/リース/自社投資)|メリットとデメリットを比較解説

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いかがでしょうか?
群馬県の太陽光発電設備設置義務化の概要・詳細から、導入方法についてご紹介しました。

義務化と聞くと、少しネガティブな印象を受ける方もいるかと思いますが、そのためにもさまざまな支援制度も用意されているので、逆に好機と捉えてもいいかもしれません。

この機会に検討を考えられている方は、実際にどのくらい太陽光発電設備を導入できるのか、発電シミュレーションはどうなのか、など気になる点をぜひ一度当社へご相談ください。

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☞東京都の義務化について詳しく!

東京都の新築住宅等に「太陽光パネル設置義務化(2025年4月~)」条例の概要解説

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