「地球温暖化」の影響と現状は?私たちにできることから実践しよう!

環境

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「地球温暖化」は人類の危機!

COP27_干ばつ

 記録的な温かさとなっている今年の冬。要因のひとつとして「スーパーエルニーニョ現象」が挙げられます。海面水温が上がると日本上空の偏西風の動きが変わり、日本列島に寒気が流れ込みにくい状態になるため、暖冬につながっているそうです。

また、気象庁は2023年の天候について、 日本の年平均気温および日本近海の平均海面水温は、いずれも統計開始以来、最も高い値になったと発表(※1)。また、WMO(世界気象機関)でも、2023年の世界の平均気温が観測史上最も高かったと発表(※2)し注目を集めました。

☞参考:気象庁「2023年の天候のまとめ(速報)」
☞参考;World Meteorological Organization (WMO)「2023 shatters climate records, with major impacts」

地球温暖化が進むとどうなるの?

地球温暖化が進むと、さまざまな異常気象や自然災害による被害が発生します。日本では、2023年6月に梅雨前線及び台風第2号による大雨で、平年の6月の月降水量の2倍を超えた地点がありました。

世界各地では、熱波や干ばつ、大規模な洪水、山火事などが多発した影響で農作物の不作が深刻化し、食料価格が高騰しました。

このように、地球温暖化が進んだ結果の気候変動は、私たちの生活に大きな影響を与えます。

地球温暖化の現状

2021年に国連が初めて地球温暖化の原因が人間活動の影響によるものだと断定し、世界に向けて気候変動への対策は急務であると発信しました。

例えば、すでにパキスタンやコンゴ民主共和国、サヘル地域での大規模洪水の影響、アフガニスタンやマダガスカル、アフリカのなどでの過酷な干ばつの影響により、2022年だけでも何百万人もの人々が強制移動を強いられました。

このまま対策を行わなければ、食料不足や感染症の増加など、環境の変化によって居住地を追われる「気候難民」がより急増し、既存の緊張関係を高めて紛争につながる可能性もあります。

☞参考:国連UNHCR協会「気候変動と強制移動」

世界企業や日本の地球温暖化対策の取り組みを知ろう!

二酸化炭素の排出量を抑えたビールの醸造法を開発(ベルギー)

地球温暖化_ビール

(イメージ画像)

みなさんはビールや発泡酒はお好きですか?毎日晩酌で飲む方も多いかもしれません。

しかし、このまま地球温暖化が進むと、ビールを作ること自体禁止される日が来るかもしれません。というのも、ビールを作るには多くの二酸化炭素が排出されているためです。

そんな中、ベルギーに本社がある世界最大のブルワリーAB InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)は、二酸化炭素量を抑える新しい醸造方法を生み出したそうです。

ビールの味に影響を与えず、排出される二酸化炭素も抑えられるため、もしこの醸造法が世界中の蒸留所で採用されると、二酸化炭素の排出量が従来の方法と比べて1年間で5%も削減できます。

また、AB InBev は2025年までに人気ビール「バドワイザー」を世界中の工場で製造する過程で発生する電力を再生可能エネルギー由来の電力で賄うことを誓約しています。そのほか、リサイクル可能なプラスチック樽も採用するなど、廃棄ロスの削減にも取り組んでいます。

このように、世界企業が取り組みを加速させることは、さまざまな企業に波及させることで地球温暖化の抑制につながると思います。

☞参考:日本貿易振興機構「ベルギー食品業界で循環型経済に向けて連携進む」
☞参考:AB InBev「バドワイザー初の鮮度維持を可能にする『 PureDraught™ (ピュアドラフト)』の導入で脱炭素化への貢献を目指す」

二酸化炭素を活用した炭酸水を開発(スイス)

2019年にスイスのスタートアップ企業である、クライムワークスとコカ・コーラの子会社が空気中の二酸化炭素を活用した炭酸水を共同開発しました。

空気中の二酸化炭素を吸着する特殊な装置を使っていて、この装置1機で1年間に数千本の樹木が吸収する二酸化炭素量と同等の量を回収できるそうです。また、回収した二酸化炭素は、炭酸水だけでなく作物の光合成を活性化させる肥料としても活用されています。

そんなクライムワークスは、2021年9月に空気中の二酸化炭素を分離・回収して永久に貯蔵する世界最大のプラント「オルカ(Orca)」を稼働させました。

アイスランドのヘリシェイディ地熱発電所近郊に建設され、年間最大4000トンのCO₂を抽出できると発表されました。その量は、欧州の約600人のCO₂排出量に相当します。

☞参考:朝日新聞GLOBE+「CO₂を吸い取れ 世界のスタートアップが続々参戦、温暖化対策のフェーズ2」(2019年3月7日)
☞参考:SWI「空気中のCO₂回収でスイスがまた一歩リード」

古都で取り組む「ごみゼロ大作戦」(日本 京都府)

地球温暖化_祇園祭

日本三大祭のひとつとして有名な祇園祭は、ユネスコ無形文化遺産に登録されており、2019年度には来場者数約33万人を記録しました。

この祇園祭で、過去に大きな問題となったのが廃棄物問題でした。行事期間中は、広範囲で多くの夜店や屋台が立ち並び、可燃ごみの量は増える一方だったそうです。そこで、夜店や屋台の協力のもと、2014年から世界初の取り組みとして始めたのが、約21万食分の使い捨て容器をリユース食器に切り替える活動でした。

そのほか、エコステーションの設置やごみの分別作業をおこない、活動開始前の2013年には60トンほど出た可燃ごみを34トンにまで減らすことができたそうです。

この活動は市民のボランティアや関係者が尽力したことで、来場者も一体となって成果がでていると感じます。千年の伝統を誇っている祇園祭がこうしたごみゼロ活動を始めたことは、世界に発信できる取り組みですね。

☞参考:祇園祭ごみゼロ大作戦HP

私たちもできる!身近な地球温暖化対策を実践しよう!

ここまで、世界や日本で取り組まれている地球温暖化対策について、興味深いものをいくつかご紹介してきました。ここからは、私たちが日常生活の中で実践できる地球温暖化対策をご紹介します。

電力会社値上げ_対策方法

▼家電の省エネを心がける
使用していない家電の電源をOFFにすることは、みなさんすでに実践しているかと思います。
そのほかにも、家電製品を大事に扱うこと=きちんと手入れをすることも省エネにつながります。
例えば、エアコンをきちんと細かくクリーニングすることで消費電力を抑えることができて、結果的に省エネにつながります。

▼買い替え時は省エネ製品を選ぶ
「省エネ家電を購入したいけど、費用面が…」と悩んでいる方には、補助金の活用を提案します。
補助金は、実は国・都道府県・自治体単位で実施しているので、お住まいの地域でも補助金が出ている可能性があります。活用できるかどうか、一度調べてみてはいかがでしょうか?
☞詳細はこちら:環境省「省エネ家電」関連の補助金等を実施している自治体一覧

▼節水を意識する
日々の小さな取組みですが、塵も積もれば…な取組みとも言えます。下記リンク先サイトも参考に、ぜひ取り組んでみましょう。
私が実践していることは(当たり前かもしれませんが…)、例えば次のようなことです。
・歯磨きやうがいをするときにはコップを使う
・食器を洗う前に汚れをヘラなどで落としてから洗う
・洗顔はお風呂ですると水を大量に使ってしまうので洗面所で洗ってからお風呂に入る など
☞詳細はこちら:独立行政法人水資源機構「家庭でできる節水の方法」

▼車よりバス・電車・自転車を使う
実は、車を使うとバスの約3倍、電車の約8倍の二酸化炭素が排出されるそうです。
そのため、できる限り公共交通機関を使うことで、地球温暖化の抑制につながります。
☞参考:公共財団法人交通エコロジー・モビリティ財団「地球温暖化の防止」

クリーンなエネルギーを使用した電気自動車への移行が大きなトレンドとなっている中で、EVの購入を検討されている方も多いのではないかと思います。
特にテスラ社のEVが気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

テスラ・モデル3の価格と令和5年度(2023年)の経済産業省・東京都のEV補助金

▼マイバッグを持参する
プラスチックごみは、燃焼する際に二酸化炭素を排出するため地球温暖化につながります。
2020年7月1日からは日本でもレジ袋の有料化が始まり、買い物に行く際はエコバッグを持参するという生活が当たり前になってきました。
マイバッグを持っていなくても少量の買い物の際には、「レジ袋は不要です」と言ってカバンの中に入れたり、手持ちしたりする人が増えたように感じます。
その効果は実際どれくらいなのか?気になる方はこちらの記事も併せてご覧ください。
「10/5は「レジ袋ゼロデー」有料化した効果は?おすすめマイバッグも!」

▼植物を育てる
グリーンカーテンで冷房の使用を減らしたり、屋上や壁面緑化の普及をおこなうことで、地球温暖化を防ぐこともできます。
あるいは、家庭用菜園をして自分たちが食べる分の野菜を自分たちで育てることで、農作物を海外から輸入したりする輸送費の削減にもつながるかもしれません。
☞参考:環境省「地球温暖化対策にもつながる楽しくおいしいベランダ菜園」

▼地産地消、旬産旬消
大量の食糧を長距離で輸送するためには、船や飛行機等で輸入することになり、その過程で使用されるエネルギーにより温室効果ガスが排出されます。
そのため、野菜などの食品はなるべく地産地消をすることで、輸送費の抑制につながり、ゆくゆくは地球温暖化の抑制にもつながります。
また、旬のものを積極的に購入し消費することも推奨されます。地元で旬の野菜などを見かけたら私も買うようにしています。

▼電力会社を再生可能エネルギーに切り替える
「毎日使う電気だからこそ、環境にやさしいものを選びたい!」と考え、再生可能エネルギーを取り入れている電力会社に切り替えている方もいるかと思います。
「再エネ電力は高いのでは?」と思いがちですが、再エネ100%ではないけれど割安な料金プランを用意している電力会社もありますので、ぜひ調べてみてください。

▼太陽光発電を導入する
太陽光発電を導入することは、地球温暖化の抑制につなげることができます。
太陽光発電は太陽の光を直接電気に変換するため、発電時のCO2排出量が少ない発電方法になります。太陽光発電を建物に導入することは、電力会社からの購入電力量も抑えることができるので、電気代の削減も可能です。
また、あわせて蓄電池も導入すれば、自然災害などで停電した場合でも、蓄電池にためた電気を使うことができます。

ご自宅に最適な家庭用蓄電池の選び方がわかる!

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地球温暖化を改善するために

いかがでしたでしょうか?

最新の地球温暖化の現状から、その影響として考えられる被害。それに対するさまざまな対策をご紹介しました。私たち一人ひとりができることは小さな取組みですが、毎日の少しの意識がゆくゆくは大きな動きになるかもしれません。

まずは簡単なことから、ぜひ実践してみましょう!

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