サステナブルファッションに着物を選ぶ【SDGs×日本の伝統】

サステナブルファッションに着物を選ぶ

新年2022年を迎え、最初のイベントごとは「成人式」
成人式と言えば、振袖や袴などの着物を着る機会でもあります。

なかには、家族で代々大事に着まわしている人もいるでしょう。洋服と違って、体格や背丈などが異なっていても着まわせてしまう着物ってすごいですよね。

そこで今回は、“着物”について深掘りします。
実はサステナブルな着物とSDGsの関係や、着物を買う場合と旅先などでレンタルする場合などの予算感やオススメを簡単にご紹介します。

実はサステナブル?SDGs目標12×着物の関係性

近年、ファッション産業で大きな課題となっている“大量生産・大量廃棄”

この問題は自然環境や社会環境にも深く関わっており、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」に該当する課題の1つと言えます。そのため、現在では全世界でさまざまな対策が講じられています。

この問題に対して、日本でも環境省や企業で進められているのが、サステナブルファッションへの取組みです。
サステナブルファッションは、消費者側と企業側のそれぞれで取組み方が少し異なります。

<消費者として取り組めるサステナブルファッション>

①今持っている衣服を長く大切に着る
今より1年長く着るだけで、日本全体で4万t以上の廃棄量の削減に!
②リユース(再利用)でファッションを楽しむ
服のシェアやサブスクリプションを利用したり、古着から選ぶ
③ 先のことを考えて買う
品質に着目して、価格に見合う価値があるかを見極める
④ 作られ方をしっかり見る
素材や生産ルートにも目を向ける☞スニーカーにも“再生原料”が
⑤ 服を資源として再活用する
ただ捨てるのでなく、古着屋に持ち込むなど処分方法でCO2削減を

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いかがですか?着物は①~⑤の多くに当てはまるファッションになりそうですね。
では、実際それぞれどのように当てはまるのか、見てみましょう。

着物をサステナブルファッションとして活用できる利点とは?

それでは、先ほど挙げたサステナブルファッションへの取組み方5つと、着物でできることをひとつずつ見ていきましょう。着物はすごいんです!

①今持っている衣服を長く大切に着る

着物_仕舞い方

一般的な着物は、保存方法をしっかりと守っていれば3~4世代は持つようです。
「きれいにたたむ」「湿気をさける」「定期的に虫干しする」といった基本的な手入れをおこなうことで、親子代々ひとつの服を着まわせると思うと、着物のポテンシャルの高さを感じますね!

②リユース(再利用)でファッションを楽しむ

着物_レトロ柄

長持ちする服だからこそ、昔のファッションを現代でも楽しむことができます。
例えば、大正モダン昭和レトロな柄の着物は、今見てもオシャレで目を惹きます。そういった昔の着物を専門に取り扱っているお店もあるので、ぜひ探してみてください。

③先のことを考えて買う

着物_着付け

品質の良いものを選び長く着ることで、衣服ロスを減らすことができます。
着物は、言ってしまえば大きな一枚布なので、着る人の背格好に合わせて裾の長さなどを折って調節できる点がメリットです。

都度、自分に合うように調整していけば一生着ることができる特別な服になります。一着あるだけで「ものを大切に使う」を意識して実践できそうですね。

④作られ方をしっかり見る

着物_織り機

実は“純国産”の着物は、今や一握りしかないと言われています。
現在日本では養蚕農家は高齢化・後継者不足でどんどん減っています。農林水産省によると、2020年の国産生糸のシェアはたったの0.2%です。また、近年の振袖の多くは、海外にてインクジェット方式で絵付け・生産されたものだそうです。

しかしその一方で、岡山デニムを使用したデニム着物や国産生地にこだわった着物ももちろんあります。購入される際は、ぜひ素材や生産ルートにまで注目して選んでみてください。

⑤服を資源として再活用する

着物_リメイク

着物の利点は、先ほども述べた通り“一枚布”であることです。
着れなくなった服は捨ててしまうことが多いかもしれませんが、着物は一枚の面が大きいので、リメイクしやすい服と言えます。着物からバッグやドレスなど、別の何かに作り変える=アップサイクルすることもおすすめです。

☞おすすめのアップサイクル例をご紹介!詳しくはコチラ

着物を着てみよう!買うorレンタルする

着物は、購入する場合もレンタルする場合もさまざまな選択肢があります。
それぞれの特徴と大体の予算感を簡単にご紹介します。

着物を買う場合

①百貨店や呉服屋さんで買う
きちんとした専門店で買うことになるので、着物や小物の品質は安心です。
生地の選び方や保存方法など、プロのアドバイスを受けることができるのもメリットですね。
その分、価格はやはりお高めです。
●予算感:20~30、一式揃えるなら50~60万円ほど

②ネットショップで買う
新しいデザインのものから昔の柄まで、幅広い種類を取り扱っています。
価格も幅広いですが、呉服屋さんよりは安価で揃えられそうです。
ただし、生地感や色味は現物が届くまでわからず、イメージと違う可能性も。
●予算感:3~15万円、高いもので30~40万円ほど

③古着屋さんで買う
古着なので、価格は一番安く手に入れることができるのは大きなメリットです。
また、大正や昭和のアンティーク着物が好きな人には刺さるものが多そうです。
糸のほつれや補修は、別途必要な場合も。
●予算感:数千~数万円ほど

レンタルする場合

さまざまなシーンが考えられるレンタルですが、今回は「まずは気軽に着てみよう」ということで、旅先で一日レンタルする場合でご紹介します。

◯着物から小物まで一式(着付けや髪型の簡単セット含む)レンタル
・予算感:
(1)一般的なデザインの着物(近年のもの):3,000~5,000円ほど
(2)大正モダンや昭和レトロな着物:5,000~7,000円ほど

一般的なレンタルショップのスタンダードプランだと、だいたい上記くらいの価格です。チェーン店ではないレンタルショップでも同じか、少し高いくらいの価格帯が多いと思います。

チェーン店のメリットは、やはり品数が多い点です。さまざまな柄の中から自分で好きに選ぶことができるので、色んなデザインの着物を見たい人にオススメです。
逆に、個人経営のレンタルショップでは、着物の品数は少なくなります。その代わり、一度に一組ずつ丁寧に着付けしてもらえるので、帯結びをアレンジしてくれたりします。

着物_帯結びアレンジ

(京都の「べべ屋」さんで帯結びをアレンジしていただきました!)

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少しずつ解禁されていく国内旅行。

京都や金沢、川越など、昔ながらの街並みや建造物が多く残る場所へ遊びに行く際は、まずはレンタルで“着物”を楽しんでみてくださいね!

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