買ってからじゃ遅い!蓄電池選びで後悔しないための注意点
建物に蓄電池の導入を検討する際に、多くの方が抱える不安の一つが「選び方で後悔しないか」という点かと思います。
蓄電池はそれなりに高額な製品であるため、後悔のない選択をするには事前にしっかりとした情報収集と比較検討が必要不可欠です。蓄電池の性能や寿命、コストパフォーマンスはもちろんのこと、自宅のエネルギー消費パターンや設置環境を考慮して最適な製品を選ぶことが重要となります。
そこで今回は、蓄電池選びで後悔しないために押さえておきたい重要なポイントを詳しく解説します。
初めて蓄電池を購入する方や、すでに蓄電池をお持ちの方にもきっと役立つ情報を提供します!導入時の注意点を把握し、最適な蓄電池を選ぶことで、長期的なエネルギーコストの削減や再生可能エネルギー由来の自然にやさしい電気での暮らしを実現しましょう。
蓄電池の役割とメリット
蓄電池とは、電気をためて必要な時に供給することのできる設備です。特に次のような場合に蓄電池は大きなメリットを生み出します。
停電時も電気が使うことができる
自然災害や突発的な停電が発生した際も蓄電池があれば、冷蔵庫やエアコン、通信機器など、生活に不可欠な電化製品に電力を供給し維持することができます。停電中の生活の不便を最小限に抑え、安全と安心を得ることができるでしょう。
蓄電池の負荷タイプによっては、子ブレーカー単位で停電時も稼働させたい電化製品を指定することや、家中の電化製品を丸ごと稼働させることも可能です。ご家庭や施設にあった運用方法が実現できます。
電気料金を節約できる
蓄電池のもう一つの大きなメリットは、電気料金の節約につながることです。
例えば、蓄電池を導入し時間帯別の電気料金プランに切り替えれば、夜間の安価な電力を蓄えておき、朝から日中にかけて蓄電した電力を使用することで、電気代を大幅に削減することができる可能性があります。
さらに、太陽光発電設備と組み合わせることで、昼間に発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間など電力の使用量が増えるタイミングで蓄電した電力を使用することができます。発電した電力を無駄なく利用できるだけでなく、電力会社から購入する電力量を減らすことにつながります。
太陽光で発電した電気を有効活用できる
すでに太陽光発電設備を設置されているご家庭や施設、特に、売電単価が低かったり売電期間が終了(卒FIT)するご家庭等の場合は、蓄電池を入れ自家消費することをおすすめします。
太陽光発電設備を設置されている場合、多くの方がFIT制度を利用して売電をおこなっているでしょう。しかし、売電単価は年々下がっており、近年は電力会社から電気を購入する単価よりも安価になっているため、大きなメリットは得にくくなっています。
蓄電池を導入すると、日中建物内で消費し切れない太陽光で発電した電力を蓄電池にためておくことができます。ためた電力は、太陽光で発電できない夜間や早朝に使うことで電力会社から購入する電力量を減らすことが可能になります。
環境への貢献にもなる
蓄電池の導入は、経済的なメリットだけでなく、環境保護にも貢献します。
再生可能エネルギーとの連携によって化石燃料の使用を減らし、二酸化炭素の排出量を削減することができます。特に、太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせることで、クリーンで持続可能なエネルギー管理が実現します。
蓄電池を設置して後悔した理由とは?ケース紹介
蓄電池の導入は、エネルギー効率の向上や停電対策など多くのメリットが期待されますが、一方で導入者の中には設置後に後悔したというケースもあります。
どういった点で「後悔した」と思う方が多いのでしょうか?ここでは、蓄電池を設置して後悔した具体的な事例について説明していきます。
メンテナンスが必要
蓄電池は、設置後も定期的なメンテナンスが必要なので、そのための費用が発生します。
しかし、長期間にわたり安定した性能を維持するためには、点検や清掃、稼働状況のチェックなど、他の電化製品同様に点検をおこなうべきと言えます。
定期点検で故障やトラブルが見つかった場合も、保証期間内であればメーカー側がメンテナンス費用を負担し無償で対応してもらえる可能性もあります。電化製品は徐々に劣化していくものなので、長く使うためには実施することをおすすめします。
電気代が安くならない
例えば、上述したような夜間の単価が安く、昼間の単価が高い「時間帯別の電気料金プラン」に切り替えたとしても、昼間の電気使用量があまり多くないご家庭などでは、結局電力会社から購入する電力量が蓄電池分増えることになるので削減効果は出にくいでしょう。
また、太陽光発電設備と併用せず、蓄電池のみ導入した場合も削減効果は出にくいです。蓄電池だけでは電気を生み出すことはできないので、自ら発電して電気を創り出せる太陽光発電設備と組み合わせてることで、蓄電池は最大の電気代削減効果を発揮します。
そのため、蓄電池を導入前に、1日の中でどんな電気の使い方をしているかを事前に把握し、シミュレーションすることが大切です。また、可能であれば太陽光発電設備と併用して導入しましょう。
太陽光発電設備の発電量が減った
すでに太陽光発電設備を設置しているところに、新たに蓄電池を導入する場合もあるかと思います。しかし、その際にパワーコンディショナーと一体型になっているハイブリッド型蓄電池を導入しようとする場合は注意が必要です。
もともと設置していたパワーコンディショナーの回路の数より少ない蓄電池を設置すると、回路が少なくなった分、発電量も減少してしまいます。後付けで導入する場合は、機器間の互換性についても施工会社や販売会社に確認しておきましょう。
補助金が使えなかった
蓄電池の導入には、国や地方自治体から展開されている補助金を活用することができますが、全ての要件を満たさないと補助が受けられないこともあり得ます。
例えばよくあるのは、申請期限を過ぎてしまったり、導入する機器が補助対象ではなかったり、対象者の要件を満たさなかったりするケースです。多くの補助金は設置後の申請だと補助対象外となってしまいますので、必ず設置前に提出期日や対象要件について確認しましょう。
また、自身で申請することにハードルを感じる方は、申請代行を請け負ってくれる施工会社を選ぶという手もあります。ただしこれも、どこまで請け負ってくれるのか確認して検討しましょう。
蓄電池の導入に向いているご家庭や施設
これまでの内容を踏まえ、蓄電池の導入に向いているご家庭や施設の特徴を詳しく説明します。
太陽光発電設備のみ設置している
すでに太陽光発電設備を設置している場合、最大効果を発揮することができるため、蓄電池の導入はおすすめです。
上述の通り、太陽光発電設備のみの運用では日中に発電した電力をためることができないため、自家消費するか電力会社に売電することが主な利用方法となります。とはいえ、年々単価が下がっている今、売電ではもったいないと感じる方も多いでしょう。
しかし、蓄電池を導入することで、日中に発電した余剰電力を蓄えておくことができるようになるので、それぞれの電力需要が高い時間帯に蓄電した電力を使用することが可能になります。これにより、発電した電力を無駄なく使用でき、電力会社から購入する電力量を減らすことができます。
月の電気使用量が多い
月の電気使用量が平均と比べて多いご家庭や施設には、蓄電池の導入は効果的です。
例えば、電気自動車を所有している場合や電気を多く消費する家電製品を多数使用している場合、ペットを飼われている場合なども月の電気使用量は平均より高くなるでしょう。
特に昼間の電気使用量が多いご家庭であれば、「時間帯別電気料金プラン」に切り替えることで、夜間の安い単価の電気を有効活用することができます。逆に、昼間の電気使用量はあまり多くないご家庭であれば、併せて太陽光発電設備を導入することで電気代の削減が見込めるでしょう。
蓄電池の導入に向いていないご家庭や施設
蓄電池は多くのメリットがありますが、すべての人にとって最適な選択とはなりません。蓄電池の設置を避けた方が良いと考えられる場合の特徴について説明します。
電気使用量が少なく電気料金が安い
電気使用量が少なく電気料金が比較的安いご家庭や施設にとっては、蓄電池の導入はあまり電気代削減のメリットが出ません。蓄電池は初期投資額が大きいため、電気使用量が少ないと蓄電池の導入によるコスト削減効果が薄く、投資回収が難しくなります。
しかし、導入目的が災害や停電対策、または環境貢献がメインという場合には設置することもありでしょう。
設置スペースが確保できない
ある程度大きな設備である蓄電池を設置するためのスペースが確保できない場合は、導入を断念する必要があります。
多くの蓄電池は基本、一定の設置スペースが必要であり、アパートやマンション、配線が整備されていない場所などに設置する場合はスペースの確保が難しいことがあります。また、適切な通気や温度管理が必要なため、設置場所が限られます。
しかし近年はコンパクトな薄型やさまざまな設置方法が出てきているので、まずは一度施工会社に現地調査などで確認してもらうことをおすすめします。
初期投資をしたくない
蓄電池の設置には、ある程度の初期投資が必要です。蓄電池本体の価格に加え、設置工事費用や関連機器費用などのコストがかかります。
これらの費用は、平均100万円以上になるため、多くのご家庭や施設にとっては大きな経済的負担となるでしょう。初期投資を避けたい、または現時点でそのような大きな支出をする余裕がない場合は、一旦蓄電池の設置は見送るべきかもしれません。
一方で、設備の導入にはローンを利用できる方法もあります。ご家庭等の状況や予算なども含め、専門会社に相談してみてください。
後悔しない蓄電池の選び方
次に、後悔しない蓄電池の選び方についてのポイントを詳しく説明します。
必要な電気使用量に合わせた容量を選ぶ
ご家庭や施設の電気使用量に合わせた蓄電容量を選ぶことが重要です。
小さすぎる容量の蓄電池を選ぶと、電力の需要を満たすことができず、頻繁に充放電を繰り返すことになり、蓄電池の寿命が短くなります。逆に、過大な容量を選ぶと、初期投資が無駄になるだけでなく、蓄電池の性能を最大限に活用できない可能性があります。
ご家庭や施設の現在の電気使用量や使用状況を正確に把握してから、将来的な電力需要の予測を基に適切な容量を選定しましょう。
蓄電池の種類や特徴を理解する
一言に蓄電池といっても、充電方式(単機能型やハイブリッド型)、負荷タイプ(全負荷型や特定負荷型)の違いだけでもさまざまな種類があります。また、同じ種類の蓄電池でもメーカーによって異なる点もあります。
まずは、どんな用途・目的で導入したいのかを明確にし、それを実現するために最適な機能を持った蓄電池はどれかを考えてみましょう。購入前に蓄電池の種類や特徴などの基本的な知識を理解しておくと安心です。
保証内容を確認する
蓄電池は高額な投資であるため、保証内容の確認も重要です。多くのメーカーは、蓄電池の性能や寿命に関する保証を提供していますが、その内容や条件はさまざまです。
保証期間、保証対象となる不具合や故障の範囲、保証の適用条件などを詳しく確認し、安心して使用できる製品を選びましょう。
補助金や助成金を活用できるか調べる
蓄電池の導入に活用できる補助金や助成金は多いですが、申請期間や条件が限定されている場合が多いため、最新の情報をチェックし、適切に活用することが重要です。
また、補助金の申請には必要書類の準備が必要ですので、事前にしっかりと調べておきましょう。
後悔しない蓄電池と導入方法選びを!
いかがでしたでしょうか?
蓄電池選びで後悔しないためには、事前の情報収集と慎重な比較検討が重要です。設置場所の確認や適切な容量の選定など、複数の要素を総合的に考慮する必要があります。
これらのポイントを押さえることで、蓄電池の性能を最大限に引き出し、長期間にわたり安定した電力供給を受けることができます。蓄電池の選び方一つで、エネルギー効率や経済的メリットが大きく変わるため、今回ご紹介した注意点を参考に、後悔のない選択をしていただければ幸いです。
当社では、住宅用から産業用までさまざまな太陽光発電設備や蓄電池を取り扱っており、テスラ社の家庭用蓄電池「Powerwall」については認定販売施工店です。また、設計から施工まで一気通貫でご提案することが可能です。
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