政府発表の「節電ポイント」とは?電気代削減効果が大きいおすすめ節電方法7選も

2022年8月4日:最新情報に更新
今年は全国的に梅雨が早く明けて、夏本番を迎えていますね。
そんな現在、問題になっているのが電力不足。これは、地球温暖化の影響で猛暑日や真夏日が続き、エアコンを使用する機会が多くなったことも要因の一つです。
この電力不足への対策として、政府は家庭で省エネを促すための「節電ポイント」という制度を8月から始める予定であることを6月28日に発表しました。
そこで今回は、「節電ポイント」とは何かを解説し、併せて今からすぐ実践できる効果の高いおすすめの節電方法もご紹介していきます。
政府が進める「節電ポイント」とは?仕組みや参加方法(8/4更新)
「節電ポイント」概要と今後のスケジュール
政府が進めている「節電ポイント」とはどのような制度なのでしょうか。
【節電プログラムの仕組み】
経済産業省の萩生田氏が2022年6月28日の閣議後記者会見で述べた内容によると、節電ポイント制度というのは「電力会社の節電プログラムに参加して節電した家庭に、幅広く使用できるようなポイントを付与する支援制度」になります。
つまり、需要家である一般家庭や企業は、政府に認定された小売電力会社の節電プログラムに参加を表明することで、今回の参加に対するポイント付与を受けられるということです。
【今後のスケジュール(8/4時点)】
また、8月3日に経済産業省より発表された「節電プログラム促進事業」の概要を上記スケジュールと合わせてまとめてみました。
<2022年8月4日~>
経済産業省は、事業に参加する小売電力会社の申請受付を開始
<2022年8月4日~9月30日>
事業への参加を希望する小売電力会社は9月30日までに申請をおこなう
<2022年8月4日~12月31日>
需要家(一般家庭や企業)は、8月4日以降に国の審査を通過した認定小売電力会社の「節電プログラム」へ12月31日までに参加登録をおこなう
☞この期間内に参加登録した需要家は、参加に対する一律ポイントを得ることができる
※実際には節電できなかった場合でも、参加に対するポイントは付与される
節電プログラム参加に対するポイント
・一般家庭:一律2,000円相当
・企業:1法人当たり20万円相当
(2023年1月末までに付与予定)
☞付与されるポイントは、TポイントやAmazonギフト券など他社のサービスに交換し利用できるものや、電気代の支払いに使えるものなど
<2022年12月1日~3月31日>
この冬の節電キャンペーン期間に節電を実施した需要家には、節電量に応じてプラスでポイントなどが得られる予定
(参考:8月3日 産経新聞|政府の節電ポイント、夏は実施せず 冬場の家庭向け2千円相当の支給は順次開始)
つまり、需要家である一般家庭や企業は、8月4日以降に国から認定された小売電力会社の節電プログラムに参加を申し込む必要があるということですね。小売電力会社によっては、早くも8月中に参加受付を開始するところも出てくる見込みです。
ただし、国から認定されている小売電力会社かは確認するようにしましょう。
Tips:なぜキャンペーンは冬?
今回の節電プログラムの目的が、冬の“電力不足(ひっ迫)”と“電気代高騰”への対策だからです。
特に、電力不足は夏よりも冬の方が深刻化すると見通されています。そのため、この事業により需要家が節電への意識を高めることを狙っています。
「節電ポイント」参加方法や対象小売電力会社
政府が述べている「参加家庭に一律2,000円相当の節電ポイント付与」の対象となる小売電力会社は、現時点ではまだ発表されていません。
8月4日に経済産業省主催の小売電気事業者向けの説明会が開催され、詳しい内容が発表される予定なので、各小売電力会社は内容を踏まえて節電プログラムに参加するか検討をおこないます。
節電プログラムの参加方法は小売電力会社によって異なります。また、節電ポイントの付与方法についても、“ポイントを付与する”か、“電気料金から値引きする”かなどは各小売電力会社に一任されているようなので、契約先の小売電気事業者がどのような参加方法・付与内容をするのか確認が必要です。
現在、一部の小売電力会社では、すでに独自の節電ポイント制度が導入されています。
たとえば、以下のような小売電力会社が該当します。ただし、今夏の節電プログラムは国の補助対象とならず、各小売電力会社の費用負担となります。
電力会社名 | 節電ポイント制度名 | 節電ポイント制度の概要 |
東京電力エナジーパートナー | 夏の節電チャレンジ2022 | ・節電チャレンジの対象時間帯に節電した量などに応じた節電ポイントを付与(1kWh節電すると5円分の節電ポイントが付与) ・初めて0.01kWh以上の節電に成功するとボーナスとして100節電ポイントを付与 |
中部電力ミライズ | NACHARGE(ネイチャージ) | 2種類のメール通知に合った行動をすると節電量に応じた「カテエネポイント」を付与 (例:直近で平均1,300Whの電気を使っている場合、1,000Whの電気量に抑えられたら差分300Wh分のポイントを付与) |
ソフトバンクでんき | 節電チャレンジ | ソフトバンクでんきユーザー専用アプリ「エコ電気」で月2~4回程度配信される節電チャレンジに参加し、節電に成功するとポイントを付与 |
このような節電ポイント制度は、私たちの節電への意識を高めるきっかけになりそうですね。
☞今の電気代は平均と比べて安いor高い?
そもそも節電だけでどれくらい電気代は削減できるの?
そもそも、節電するだけでどのくらいの電気代を削減できるのでしょうか?
この時期使う機会の多いエアコンを例に見てみましょう。
経済産業省資源エネルギー庁が運営している「省エネポータルサイト」では、夏に実践できるエアコンの節電方法2つと、その電気代削減の効果例を以下のように示しています。
節電方法 | 年間の省エネ量 | 削減できる電気代 |
冷やしすぎに注意し、無理のない範囲で室内温度を上げる | 30.24kWh(※1) | 約820円/年間(※1) |
冷房は必要なときだけつける | 18.78kWh(※2) | 約510円/年間(※2) |
(「空調 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト」を元に作表)
※1. 外の気温が31度のとき、エアコン(2.2kW)の設定温度を27度から28度に上げた場合(使用時間:9時間/日)
※2. エアコンの設定温度を28度にし、使用時間を1日1時間短縮した場合
エアコンの設定温度をたった1度上げたり、使用時間を1時間短くしたりしただけでも、年間で500円~800円の節約になることがわかりますね。毎日意識して続ければ、電気代も大きく削減できそうです。
しかし、今年は2022年6月末時点で、多くの地域で35度以上の「猛暑日」を記録しています。
熱中症にかからないようにするためにも、エアコンの使用を控えることは現実的ではありません。そうなると、私たちがこれからの時期に実践する節電方法は、エアコン以外の家電で実現するのが有効といえます。
次の章では、エアコン以外で実践できる夏におすすめの節電方法をご紹介しましょう。
電気代削減効果の大きい夏におすすめの節電方法7選
エアコン以外でなるべく高い電気代削減効果を狙える家電と、その節電方法を7つご紹介します。
「省エネポータルサイト」で数多く紹介されている節電方法の中から、夏に実践できるもので、次の2点にも当てはまる方法をピックアップしました。
①日常生活で無理なく実践しやすい
②電気代削減効果が高い
また、それぞれの節電効果の根拠は、省エネポータルサイトの「省エネ効果の算出根拠」で説明されているので、併せてご覧になってみてください。
1. 電気ポットを長時間使わないときはプラグを抜く:約2,900円の節約/年間
1つ目の節電方法は、電気ポットを長時間使わないときはプラグを抜くことです。
「省エネポータルサイト」では、沸騰させた2.2リットルの水を1.2リットル使った後、電気ポットを6時間保温にした場合と、プラグを抜いて再沸騰させた場合の節電効果が比較されています。
プラグを抜いた場合、年間で約107.45kWhの省エネとなり、約2,900円の電気代を削減できることが示されています。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、実際のところ電気ポットのプラグは差しっぱなしになりがちですよね。これを抜いておくだけでも大きな節電効果になるとは驚きです。
2. 照明を電球形LEDランプに取り替える:約2,430円の節約/年間
2つ目の節電方法は、照明を電球形LEDランプに取り替えることです。
「省エネポータルサイト」によると、54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに取り換え、年間2,000時間使うことを想定すると90.00kWhの省エネとなり、約2,430円の電気代を削減できると示されています。
3. 照明を電球形蛍光ランプに取り換える:約2,270円の節約/年間
3つ目の節電方法は、先ほどの2のLEDランプに取り換えると似ていますが、照明を電球形蛍光ランプに交換することです。
「省エネポータルサイト」によると、54Wの白熱電球から12Wの電球形蛍光ランプに取り換え、年間2,000時間使うことを想定すると84.00kWhの省エネとなり、約2,270円の電気代を減らせるようです。
LEDは高温に弱い、価格が高いというデメリットもあります。そのため、場所によっては蛍光ランプの方が適しているでしょう。前述した電球型LEDランプとうまく使い分けると、より高い電気代削減効果を得られそうですね。
4. 冷蔵庫の設定温度を「中」にする:約1,670円の節約/年間
4つ目の節電方法は、冷蔵庫の設定温度を「中」にすることです。
「省エネポータルサイト」によると、周囲温度を22度と想定した場合、設定温度を「強」から「中」にすると年間で61.72kWhの省エネとなり、約1,670円の電気代を減らせるようです。
ただし、食品の痛みには注意しましょう。次の5つ目と併せて実践できるとより効果的ですね。
5. 冷蔵庫にものを詰め込みすぎない:約1,180円の節約/年間
5つ目の節電方法は、冷蔵庫にものを詰め込みすぎないことです。
「省エネポータルサイト」では、冷蔵庫のものを詰め込んだ場合と、ものを半分にした場合との比較の節電効果が比較されています。ものを半分にすると、年間で43.84kWhの省エネとなり、約1,180円の電気代を減らせるようです。
6. 温水洗浄便座を使わないときはフタを閉める:約940円の節約/年間
6つ目の節電方法は、温水洗浄便座を使わないときはフタを閉めることです。
「省エネポータルサイト」では、フタを開けっ放しの場合と、閉めた場合との比較の節電効果が比較されています。フタを閉めると、年間で34.90kWhの省エネとなり、約940円の電気代を減らせるようです。
また、一年を通して機能を稼働させっぱなしにしていませんか?夏の時期はオフにすることもおすすめです。あるいは、タイマー機能や節電モードが搭載されているものなら、それらの機能をうまく利用しましょう。
7. パソコン(デスクトップ型)を使わないときは電源を切る:約850円の節約/年間
7つ目の節電方法は、デスクトップ型パソコンを使わないときは電源を切ることです。
「省エネポータルサイト」によると、デスクトップ型パソコンの使用時間を1日1時間短縮すると年間で31.57kWhの省エネとなり、約850円の電気代を減らせると示されています。
在宅勤務や仕事柄テレワークだったりして、ご自宅にデスクトップ型のパソコンがある場合は、1時間以上席を離れるときは電源を切ると良さそうですね。
無理のない範囲で効果的な節電方法を実践してみよう
今回は節電ポイントの概要と、実践しやすい夏におすすめの節電方法を7つご紹介しました。
電気代は年々値上がりし、夏や冬は電力ひっ迫で停電なども予想されます。今年の夏は、この記事で紹介した節電方法を参考に実践できそうなことから始め、電力不足対策に少しでも貢献したいですね。
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