誰もが挑戦できる機会の創出を!エシカルかごブランド「ORIKAGO」

インタビュー

アンバーアワー_石黒様

アンバーアワーは、「誰もが挑戦できる機会の創出を目指す」という理念のもと、アフリカの農村部で雇用を生み出すということを目的に、2013年に立ち上がりました。

アフリカのケニアで始まってから試行錯誤を繰り返し、3~4年後には収納かご事業を柱としたブランド「ORIKAGO」の展開をスタートしました。今は収納用のかごやバッグを中心に、百貨店などの店舗販売やネット販売をおこなっています。

今回は、株式会社アンバーアワー代表の石黒さまに、ブランド創立の経緯や商品の背景、魅力などについてお伺いしました。

アンバーアワー創立のきっかけとケニアの現状


私がアンバーアワーの代表になったのは2022年7月ですが、元々の創業者によると、JICAの活動でケニアを訪れた際に目の当たりにした、農業だけだと安定しない収入や子供たちの教育がゆき届かない現状がブランド創立のきっかけになったそうです。

元々この地にあった植物と技術でかごを作って日本で販売することにより、安定した収入を得てもらいたいという発想で、2013年に事業を立ち上げたと聞いています。

ケニア共和国のマチャコス県は、ちょっとした市街地まで出るのにバイクで1時間程度、そこからさらに都心に行くには、もう1時間程度かかる場所になります。電気などのインフラも整備されていない所がほとんどで、水は雨水を循環させて使ったり、井戸からくみ上げて使ったりしています。

ケニアの伝統技術×雇用機会の創出

ケニアの自社工房がある地域は、かごの素材となる植物“サイザル”が豊富にあり、継続的に素材を確保することができます。サイザルは日本でも使われていて、綱引きのロープやカーペット素材として有名です。切れにくい繊維なので、強化材としてエレベーターのロープにも使用されています。

また、かごはケニアの伝統技術で織り込まれています。この技術は、地元の女性なら代々受け継いでいるので、ほとんどの女性が織ることができます。現在も文字を読めない女性は多いのですが、かご織りについては熟練者から技術の習得がおこなわれており、現在は360名以上の織り子さんを雇っています。

働き手の募集に関しては、ケニアでは婦人会のようなものが地域ごとにあるため、その婦人会を通しておこなっています。「ものづくり」に対し意欲のある婦人会に参加してもらうというかたちで雇用を増やしています。

販売場所は日本です。なので、日本で売れないと彼女たちに安定的に仕事を発注することができないため、日本でも日々販売方法について改善・検討をしています。

コロナ禍の影響や「ORIKAGO」展開の工夫

コロナ禍では、「ORIKAGO」が入っている商業施設が1か月ぐらい閉まってしまったこともありました。加えて、コロナ禍でお出かけする機会が減ってしまったことも相俟って、かごバッグの売れ行きは一度落ち込んでしまいました。

また、商品の特徴にも日本ならではの課題がありました。

収納かごは折り曲げが自由にできて、何にでも使うことができるという点が特徴の一つです。そのためとても便利なのですが、この“何にでも”というのは、日本のお客さまにとっては逆に何に使えばいいかわからない商品と捉えられてしまいます。

そのため、当初は販売に苦労しましたが、同じ商品を鉢カバーとして展開したところ、少しずつ注目を集めるようになりました。コロナ禍によりおうち時間が増えたことが功を奏し、観葉植物の鉢を入れる鉢カバーは、家の中を鮮やかに彩るアイテムとして今も人気です。

日本でも受け入れられるデザインと品質を

アンバーアワー6

染色は色持ちを考えて一部化学染料を使っていますが、赤土を使ったベージュや、黒土で染めたグレージュなどの商品も展開しています。デザインは日本で指定したものを現地で作ってもらっているのですが、一つひとつ手作りです。

また、商品は月に1回、婦人会ごとに工房に作品を届けてもらうのですが、工房に常駐している7名のスタッフが品質管理し、トレーニングもおこなっています。一定の品質を保つためにきちんとチェックをして、安定したデザインや織り方の商品を納品してもらっています。

工房の品質チェックでは、10ページにも及ぶチェックシートを使って品質を維持しています。私も今年初旬に現地に行って、英語を話せるスタッフに通訳してもらいながら、他のスタッフや織り子さんたちとコミュニケーションを図りました。

石黒さま:アンバーアワー代表就任まで

私は今年の7月から代表になりました。Webマーケの職で入社しましたが、現在は出店営業から販売、ケニアでの生産など業務は多岐に渡ります。

アンバーアワー7

なぜ「アンバーアワー」に興味を持ったのか?

小さい頃から「どうして生まれた場所が違うだけで学校にいけない子やご飯を十分に食べられない子がいるのか」ということに、子どもながらずっと疑問を持っていました。

大学入学後は、元々子どもが好きだったため東南アジアやアフリカなど数カ国で、教育を軸に多くの活動に携わってきました。活動を通じて、実際に自分の目で見て生活をすることで、小さい頃から感じていた疑問に対する答えに気づきました。

子どもが学校に行けなかったりご飯を十分に食べられないのは、親が定職を持っておらず、収入が安定していないことが要因のひとつだと感じました。
この問題を解説できれば、親は仕事があることで自尊心が上がり、経済面だけでなく精神面にもいい影響をもたらします。そんな親の働いている姿や生き生きしている姿を見せることで、子ども世代の将来への可能性を広げられるのではないかと考えました。

そうした気づきがあったときに“ビジネスとして対等に関わる”、“フェアトレードとしてではなく商品で勝負する”というアンバーアワーの理念に共感して、今の仕事を選び、現在では代表も務めさせていただいています。

アンバーアワー:今後の展開と挑戦

アンバーアワー8

アンバーアワーの商品は、「天然素材が好き!」「いいものを長く使いたい!」というお客さまに選ばれており、先ほどもお話したようにリピーターの方が多いです。

今後は、よりさまざまな場面で愛用していただけるように、サイザルを使ったピアスなどのアクセサリーやインテリアへの商品展開にも挑戦していきたいと考えています。

現在、働きたい方の応募は多いのですが、日本での販売をもっと安定的に増やしていかないと雇用することができません。そのため、新しい商品や販売先などを増やすことが今の課題です。

ORIKAGOで紡ぐケニアの女性たちの未来

ケニアの主食は、トウモロコシと穀物を粉にして練ったウガリや、チャパティという平べったいパンが定番です。それと、自分たちの畑で取れた野菜を一緒に食べることが多いです。
編み子としての現金収入はこういった食料の原料を買うことに充てられたり、子どもたちのために使われています。

ORIKAGOの仕事がどれだけ現地の女性たちにとって必要で重要かということを、先日の現地出張で再認識しました。

ORIKAGOのかごやバッグは可愛さと面白さを兼ね備えています。自由に折り曲げて高さや形を変えられるので、今までのかごの概念とは少し違う部分に面白さがあります。
また、カラーバリエーションも多いので、好きな色のかごを例えばインテリアとして部屋に置くことで気持ちも明るくなったりと、目で楽しめる魅力もあります。

このように、自由度の高いORIKAGOは、まだまだ多くの“可能性”を秘めたアイテムです。

一都三県を中心に店舗や催事場などで展開していますので、ぜひ一度お手に取っていただき、良さを感じていただければと思います。直接手に取ることができないお客さまは、ぜひネットショップから商品をご覧いただけたら嬉しいです。

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☞株式会社アンバーアワー公式HP:https://amberhour.com/
☞かご専門店ORIKAGO公式HP:https://www.orikago.com/

☞ORIKAGO公式Instagram: https://bit.ly/32BlSf9
☞ケニアでの生産の様子はこちらから:https://bit.ly/3nQtzX1

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