失敗しない太陽光発電3つのポイント「業者を呼ぶ前に!失敗しない簡単事前チェック」【後編】

太陽光発電のパネルは何kW載せたらお得なの?!

さて、皆さん前回の「我が家の条件パート」いかがでしたか?「早速確認してみた!」という方がいたら嬉しいですね!

さて、今回はあなたにもできる事前チェック編として「周辺状況パート」となります。
今回も皆さんで是非チェックしてみて下さいね。

では、本編に入る前に前回の「我が家は何kWのシステムが載るの?」の応用編です。
皆さんは「何kW載せると『得』なのか?」を知りたい方が多いようですので、まず質問です。
皆さんの家に導入予定の、太陽光発電4kWシステムの見積りがきました。
仮に見積り金額が100万円だったとします。

そこでその販売店に「1kWシステムでいいから、4分の1の25万円にして欲しい」と言った場合、その金額で太陽光発電システムを設置してくれるでしょうか?

答えは、「そうは、なりません」。

これには理由があるのです。
例えば、1kWであろうが4kW であろうがパワコン(発電した電気を直流から、家で使える交流に変える装置)の台数は変わりませんし、設置工事費も極端には変わりません。
また、工事の人員もパネルを屋根に持ち運んだりしなければならないので、必ず複数人が必要です。単純に4分の1にはできません。
他にも、営業に掛かった経費・トラックの運送経費なども変動しません。
これらのことにより、システムが4分の1になったからといって、価格も4分の1にはならないのです。

逆にいえば、システムが大きくなればなるほど作業効率が良くなり、システムの値段も安くなるといえるのです。
つまり、どうせ太陽光発電システムを屋根に載せるのであれば、屋根に可能な限り最大容量を載せた方が『お得』だといえます。
もちろん、見積りはしっかり取ってください。

太陽光発電の発電量、最大のウィークポイントは??

【周辺環境パート編】
さて、早速本題に入る前に質問です。太陽光発電の最大の敵は何でしょう?
太陽光発電は太陽の光で発電する訳ですから、その答えは・・・・影になります。
ある意味夜は地球の影ですので、夜に発電しない理由はここにある訳です。

では、本題のチェックポイントです。

① 影が掛からないか?

光には、太陽光が直接当たる『直達光』と、直達光が大気のチリや雲などに当たり、方向が変わって地上に届く『散乱光』があります。ちなみに、快晴時に植物が1日に受ける光の4分の1が散乱光だそうです。

太陽光発電は、これらの太陽の光によって発電しますので、太陽電池の最大の敵は『影』となります。影が掛かると、発電効率の低下、あるいは発電しない、といったことが起こります。

ややこしいのは、影の大きさと発電のロスは単純に比例しないところにあります。
例えば、「葉っぱが1枚」太陽電池にのった場合、その影の面積分だけ発電量が下がれば、分かり易いのですが、そうではないのです。
太陽電池の性質上、太陽電池の一部に掛かった影でも、太陽電池丸ごと1枚に影響が及ぶこともありますし、システム全体に影響を及ぼすこともあります。
良かったら、この辺をいつか説明しますね。

影といっても、雲の様に日々変動する影はあまり問題ではありません。
毎日一定の時間、同じ場所に影が掛かる場合は要注意です。
太陽光電池のセルが影で発電しなくなると、セルの抵抗が大きくなり、電流が妨げられ抵抗損失で発熱します。
これが特定の場所に繰り返し起きると『ホットスポット』という現象を引き起こしてしまう可能性があります。

『ホットスポット』は、太陽電池の特定の場所が高温になり、『焦げ』など引き起こしてしまう現象で、故障の原因にもなりますし、最悪の場合は火災となる可能性もあります。

それから、影で見落としがちなのは、設置時に影が掛からなくても、季節が変わると影の掛かることもあるということです。
実は1年間で一番影が長くなるのは『冬至』の12月22日ごろ(年によって少し変わります)なのです。

ですので、「夏場に設置した時は大丈夫だったが、冬場になって影が掛かることに気が付いた」ということは、よくあります。
周りを見て、影の影響を考えておかなければなりません。

こんな影には特に注意
影で特に注意しなければならないのは、
【マンションなどの高い建物】
現在、高い建物がなくても、将来高い建物が建つ可能性がある場合は注意が必要です。
後に建ったマンション側と太陽光発電を設置された方がもめて、裁判沙汰になっているケースもあるようです。
建設計画など聞いたら、早目に建設業者との交渉をすれば、考慮してもらえる場合もあるようですので、問題が大きくなる前に、こちら側の主張をキチンとすることが大事です。

【樹木、電信柱、電線、中継アンテナ】
樹木で見落としがちなのは「葉」の成長です。特に庭にある樹木の葉は、冬場あまり気になりませんが、夏場になると生い茂り太陽電池に影が掛かってしまうこともあります。

特に近隣の家にある樹木の場合、勝手に切ることができませんので、事前に確認し問題がありそうな場合は、相談をしておくことも必要かもしれません。

電信柱、鉄塔、携帯電話の中継アンテナも同じように季節によって、影の掛かり方が変わりますので要注意です。周りの環境の確認をよく行ってください。
なお、細いアンテナ線や電線などの影響はほとんど受けませんので、あまり心配は要らないと思います。

太陽光発電の敵は積雪・塩害、そして、動物!?

② 積雪と塩害に注意

積雪地域対応の太陽電池は、太陽電池裏面の中央に『テンションバー』という棒状のものを入れて強化をしたり、太陽電池の上の雪が滑り落ちる時に太陽電池の枠に引っかかり、破損することもあるので、それを防ぐ構造を取り入れています。
また、架台は積雪荷重に耐えうる架台が各メーカーで用意されていますので、積雪が気になる場合は事前にメーカーなどに確認しましょう。
施工も同様に、雪が自重で落ちやすい様に傾斜角度を上げる(50度~60度以上)などの工夫が必要になります。

塩害地域については、標準的な考えは海岸から1㎞以内とされています。メーカーにより基準が違うため、沖縄や離島などを除くと、概ね海岸から2~3㎞離れていれば問題はないようです(中には500m以内が塩害地域というメーカーもあります)。
それより海岸に近い場合は塩害対策仕様の太陽電池や架台などの検討をしなければならないと思われます。
これは、海辺では塩害による腐食や、異種金属間に電食(ガルバニック腐食)が発生しやすいため、それを防ぐ『腐食防止処置』を施さなければならないからです。
いずれにしても、積雪や塩害が考えられる地域は、まずメーカーなどに問い合わせをする方が無難だといえます。

③ 太陽光発電は動物にも住みやすい!?

太陽光電池と屋根は、一見すると隙間なく密着しているように見えますが、実は5㎝程度の隙間が開いており、さらにその奥の太陽電池の中は広いスペースとなっています。
ここからハトや小鳥などが入り込み、中に草葉や小枝を持ちこんで(しかもこれが大量だったりします)巣を作ったりすると、太陽光発電にとってはあまりよろしくない状況になるのです。

まず隙間を空ける理由ですが、太陽電池は熱に弱いので、パネルと屋根の隙間は風通しを良くするという意味合いもあり空間を設けています。
しかし、この空間に多くの枝や草葉、鳥の羽根が入ると熱がこもってしまい、発電効率が落ちる可能性があります。

次に、太陽電池の表面側は強化ガラスで強いのですが、裏側のバックシートという部分はあまり強くないのです。
ここを鳥などが傷をつけると、地絡(ちらく)といって、漏電する可能性や、ケーブルを傷つけ、そこから草葉などに引火し火災になる可能性もゼロとはいえません。

また多くの場所で『リス』の被害も発生しているようです。

関東の一部では、在来種のリスよりも大型の『タイワンリス』の被害が増えてきているようです。
これはもともと、台湾から輸入し観光用として放され帰化したものらしく、分かっているだけでも、神奈川県・静岡県・大阪府・和歌山県・長崎県で観光用として放したようです。
今後生息地域は拡大していくことは十分に考えられます。

リスは、前歯が伸びすぎないように木などをかじる性質があります。
最近では、太陽電池の下に入り込んだタイワンリスが電線をかじり、システムをダウンさせてしまう事故に繋がっています。
この問題を解決するため、『太陽電池の周りを網で囲いこむ』など対策方法は複数あります。
もし、ハトや小鳥が飛来してくる回数が多い、リスなどの小動物の姿をよく見かけるなどあれば、事前に販売店や施工業者に話し対策を考える必要があるでしょう。

これまで話したことを設置前にチェックしておけば、事前に質問項目も明確になり、販売店や施工店の方に相談に乗ってもらいながら、太陽光発電の設置ができます。
慣れた販売店・施工店の方でも、一軒一軒の細かい状況などはなかなか気が付かないものですので、事前にチェックしておき、スムースな設置を行いましょう。

 

さて、今回で皆さんができるチェック編は終了です。いかがでしたか?
まだ太陽光発電が載っていないのであれば、前編も確認の上、ぜひチェックしてみてください。

今後とも有益な情報を発信していきます。どうぞよろしくお願いします!

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